恋せぬふたり制作日誌⑧ 第5回のこんなところに注目!
毎週月曜よる10時45分から放送中のよるドラ「恋せぬふたり」。
ご視聴ありがとうございます。 5回を監督させて頂きました野口雄大と申します。
第5回は咲子、カズくん、千鶴、それぞれが現時点での立ち位置をそれぞれが見つめ直し、新たな出発を描く回であったと、私個人的には考えています。
つまり、「自分の居場所(HOME)」を探す回です。
そこで、第2回に続いての問題です!
(知らねーよ!という方は第2回放送後の制作日誌をご覧ください…)
そんな「自分の居場所(HOME)」という目に見えない存在を、「象徴」として表現するために、私は《あるモノ》を意識的に映像に映しました。
それは一体、何でしょうか!?
ヒントは、小田原の風景の中で何度も映っていたモノです。
はい、では一方的に正解を発表します!!
それは…
《城》です
「恋愛感情抜きにして家族になるって、どういうことだと思います?」という高橋からの質問への返答で、カズくんは「相手の帰る場所になる、的な感じじゃないっスかね~」と城を見上げています。
城は本来、殿様や家来たちがいた場所。家ではなく、帰る場所(HOME)ではありません。
なのに、なぜ「城」を「自分の居場所(HOME)」という象徴にしたのか?
それは…
ロケハン(ロケ地探し)のため、小田原市内をぐるぐると歩き回っていた時のこと。
良い道がないか、良い場所がないかと歩き続けていたのですが、どこからか、ずーーーっと誰かに見られている気配がしていました。その気配の方に振り向くと…、そこには小田原城がありました。
「なるほど、どこに行っても城が見える場所はあるんだな。城下町だから当然か」
「…ん? 待てよ? 何かに似てる…」
「高橋家! 高橋家だ!!」
超個人的な直感ではありますが、私には共通するものを感じたのです。
(えっ、似てる!? というツッコミが聞こえてきます…)
そして第5回の最後、咲子は高橋家に帰ってきます。
つまり今の咲子にとっては、高橋家こそが自分の居場所(HOME)である。そして咲子を中心にカズくん、千鶴、そして高橋も、自分の居場所=HOMEを探し続けている。
それらを「映像から感じさせることはできないか?」と考え、「小田原城を意識的に映し込む」「小田原城と高橋家をシンクロさせる」ということにトライしました。
正直なところ、お客さんにとっては観てもあまり伝わらないかもしれない…、とも思いましたが、私の中ではこの回を監督するための《軸》のようなものを得ることができ、小田原城を軸に物語を展開させることを考えました。
小田原市の快いご協力のもと、さまざまな小田原城が見える場所で撮影をさせて頂くことができました。小田原は本当に良い街で、大好きになりました。
最後に… 第5回はそれぞれの想いがぶつかり合う、エモーショナルな回でした。
(しかも30分という尺の中で!)
芝居場である上の3つのシーンは、簡単なリハーサルをした後、テストを行わず、全て本番で臨みました。それは、リハーサルのお芝居を見た瞬間、「生の感情を逃さずに撮らなきゃダメだ」という感情が湧き起こったからです。
どんなショットを撮ろうかと、事前にあれこれショットプランを考えていたのですが、真に迫るお芝居に圧倒され、「小手先の表現はやめよう」と、考えていたプランを捨て、一心不乱に撮りました。うそのない本物の感情のぶつかり合いを前にした時、真正面から受け止めることが何よりも大事なことなのではなか、と今回は特に強く感じました。
そんな迫真のお芝居を全身で受け止める日々が続き、撮影後に「一人で」飲むお酒の量が増え続けていったことは言うまでもありません。
それほど、キャスト・スタッフの強い気持ちがそこにはありました。
そんな濃密な時間を過ごせることに、感謝しっぱなしの日々でした。
次週、第6回から、新たな章に突入します。
目が離せない展開が続いていきます。
ぜひご覧頂ければと思います。
ありがとうございました。
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