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放送大学 大学院 修士課程に受かったー

2023年12月に放送大学 大学院 情報学プログラムの修士全科生に合格しました。筆記試験、面接試問など何か参考になれば幸いです。


なぜ大学院行こうと思った?

今まで多くの経験と知識を積み重ねてきました。しかし、生涯学習の精神を持ち続ける中で、私の知識の深化と拡張のために大学院の修士課程に進学することを決意しました。以下、その動機を述べさせていただきます。

専門知識の深化: 私のこれまでのキャリアの中で、多くの業界や分野での経験を得ることができました。しかし、特定の分野において深い知識や研究を行う機会は限られていました。大学院に進学することで、私の関心を持つ分野における専門的な知識を深めることができると確信しています。

新しい視点の獲得: 年齢を重ねることで得られる経験や知識は非常に価値がありますが、それと同時に新しい視点や考え方に触れることも重要です。大学院の環境は、多様な背景を持つ学生や教授との交流を通じて、新しい視点やアイディアを得る絶好の場と考えています。

次世代への貢献: 私の年齢から考えると、キャリアの終盤に差し掛かっているかもしれません。しかし、私はこれからも社会や次世代に貢献し続けたいと考えています。大学院での学びを通じて、新しい知識や技術を習得し、それを社会や若い世代に還元することができると信じています。

ChatGPTに言わせると高尚な目的をもって大学院に挑んだようにみえますが、「芸能界で大学院行く人がいっぱいいるなー。おもしろそうだなぁー」という本心は伏せておきます。


本人のスペック

1967年生まれ(桑田・清原と同じ年)
大学は底辺大学工学部(応用化学科)で4年生の時研究室でレポートに毛の生えた論文は書いた記憶が。
学部卒業後IT関連の仕事、主にパソコンやWeb上でのソフトウェア開発・設計・品質管理等々に携わってきました。今はプロジェクトマネジメントとか要件定義などのお手伝いが多いです。

主な取得資格
1991年 第一種情報処理技術者 (情報処理技術者試験)
2002年 システム監査技術者 (情報処理技術者試験)
2019年 G検定 (ディープラーニング協会)

システム監査技術者試験受かっても「監査って何?」状態だったので、システム監査学会や日本システム監査人協会等に所属し、皆さんの発表等聞いてたり、経験発表したりしてました。
なので、全く学術的なところから離れていたわけではないのですが、「論文」を仕上げるまでは至っていない感じです。仕事優先なのでねー 研究って進みませんよねー

2022年(大学院に行ってみよう)

と思い立ち、「仕事もあるから全日制は難しいなぁ、そういえば放送大学ってあったなぁー」と調べてみると修士課程で50万円ぐらいしかかからない!これは行くしかない!!と思い入学しようと思いましたが、、、が、、、・・・入学願書締め切りを過ぎていることが判明・・・

ちなみに、放送大学(学部)って “誰でも入学でき、単位取っていけば『大卒』になれます“ 最終学歴が幼稚園・小学校であっても。詳しくはホームページで調べてね

https://www.ouj.ac.jp/reasons-to-choose-us/qualification/bachelor/

2022年(じゃぁ授業聞いて受験勉強しておくか)

調べてみると、研究もする「修士全科生」と授業だけ聞くことのできる「修士選科生」があるらしく、じゃぁ2023年はとりあえず授業聞いて単位取得しておくかー

学生証もらったので、ラーメン大盛り無料になるんじゃね?と思いましたが、まだ試せてません。ダイエット中なので・・・

2022年(どのプログラムを選ぼうかな)

放送大学は学部は教養学部教養学科(6つのコース)、大学院修士課程は7つのプログラムを設けています。
経営とかも面白そうだなーと入試問題過去問を見てみると、、、全然わからん。。。過去問で問われている内容の粒度、回答するのに必要な知識の幅を考えると、1年で試験対策するのはちょっと無理じゃね?と思い、情報学プログラムだったら(ITの仕事してるので地の利もあるし)大丈夫そうと考えて修士選科生(情報プログラム)に申し込みました。前期12単位、後期8単位ほど申し込む予定で申請しました。

大学院の過去問は数年分見ることができます。対策立てやすいです。

https://www.ouj.ac.jp/gakuin/about/past-question/

2023年4月(大学院生 初めての授業)

楽しい!が深く掘ってかないと理解できないのでは?という内容でした。大学院の授業なので当然ですが、学部の知識がないと上辺だけなぞってだだ漏れになってしまうなーと感じました。
放送授業自体は45分なので時間的には全日制の大学より楽なのですが、まじめに予習復習しないとなぁと思い、授業を聞くだけではなく授業を1枚のページにまとめてゆくようにしました。
イメージとしては「今日の授業を5分で説明して」と言われたときのレジュメを準備するイメージです。テキストの章立て、キーワードを列記するのではなく、具体的な中身を記載するようにしました。

これが結構効果的で、アウトプットするために授業やテキストを深く読む必要があり、かつ1枚に収めるために重要度考え取捨選択しなければならない。授業の理解度が深まりました。
ただ、あまりにもヘビーなので早々にめげたことは内緒です。

2023年7月(前期試験!)

放送大学は、コロナの影響で、試験は自宅で自宅のパソコンで受験する形になっています。なので、持込み可です。
じゃぁ、ChatGPTの力を借りてみるか♬と思い過去問をとかしてみましたが、結論、ChatGPTは使い物になりませんでした。特許法などの知財制度のテスト(選択式)では、(ChatGPTは確率的に答えるので)間違った選選択肢を選ぶし、論述式の問題では上辺だけ・概念的な記述しかしないので答えになってなかったです。なので、自分で印刷教材を調べながら回答しました。(たぶん試験問題はChatGPT対策してると思います)よりChatGPTの使い方、言語化能力、読解力を鍛えなきゃなぁと思った次第
試験は6科目あったのですが、1科目は(今期に取るのは)諦めました。
5科目受けて〇Aが3科目、Bが2科目とまぁまぁかな。

放送大学の試験は、単位を修得出来なかった場合、次の学期に再試験できます。お得です。

https://www.ouj.ac.jp/gakuin/about/tani-nintei/

2023年7月(受験勉強!!)

入学試験の1次試験は論述式なので、まずは”鉛筆で書く”ことになれなければならん!ということでネットで原稿用紙ダウンロードして、指の筋肉を鍛えました(笑) 

ただ、失敗したなーと思ったのは、問題を解くのはパソコンで、”鉛筆で書く”ことの訓練は解いた回答を写経と別々にしたことです。
試しにパソコン閉じて ”鉛筆で”書こうとすると頭が真っ白になって一文字も解けない!!初めからパソコン使わずに問題解いておけばよかった。。。

以下テクニックが有効か(点数に結び付いたか)はわからないですが、800字とか1600字を一気に記述するのではなく、冒頭200字ぐらいで結論・論じる解決策などを箇条書きで書いたのちに、残りの600字、1400字で詳細を述べる形にしました。

2023年8月(受験に向けて申請)

  • 学生募集要項(紙)の取得

  • 大学の卒業証明書、学業成績証明書の取得

  • 研究計画書の作成

  • 志望理由書の作成

「学生募集要項」はインターネットでダウンロードできますが、募集要項についている「紙の振り込み用紙」が必要なので早めに取り寄せましょう。ネットで振り込みもできますが、その時でも「紙の振り込み用紙」が必要です。
なので書店とか学習センター行くなりして学生募集要項(紙)を取得しましょう。

大学の卒業証明書、学業成績証明書はコンビニで印刷できる場合もありますが、昔に卒業している場合は大学から郵送になることも。期限ギリギリだとものすごくあせるので、数か月前でも良いので申請・受領したほうが良いです。

研究計画書
私の研究計画書を晒しておきますが、たぶん0点に近いです。新規性がない、具体性がない、テーマがおおざっぱ、この内容を事前に調査してから研究計画立てろよーと今見直すと、ボロボロですな。皆様は失敗なさらないように。字数の関係で参考文献以降を提出していなかったような気もします。

情報学の近藤先生、青木先生、柴崎先生の指導方針は事前に読んで理解しておいたほうが良いです。2次試験(面接試問)に大きく響きます。
https://www.ouj.ac.jp/gakuin/about/creat-plan/guidelines/

① 目的
リスキリングなどの教育コンテンツに対して、より効果的な利用とユーザが没頭し、積極的に参加できるデザイン・構成を提案する。

② 背景・先行研究
近年、『自発的・継続的な行動改革を誘発するためのアプリケーションとしてゲーミフィケーションが着目されている.ゲーミフィケーションはゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を,ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用するものとして定義される.』[1]として、クレジットカードのポイント制度、教育コンテンツのバッジなど広く利用されている。
ところが、『「その分野に習熟していたり、高い関心を持つ学習者にとっては、ポイントやバッジなどの要素が、むしろモチベーションを下げる要因になることも指摘されている。』[2]

③ 研究方法
(1)海外文献[3][4][5][6][7][8] の調査を行い、ゲームフルデザインの具体的な手法について検討を行う。
(2)社会人向け教育コンテンツのデザインを想定し、ロールプレイングゲーム形式のシナリオを作成する。教育コンテンツは言語学のうち語用論、認知言語学を対象とする。
(3)ゲーミフィケーションによって得られたコンテンツデザインと比較し、それぞれの優位性を検討する。

 教育コンテンツとして語用論、認知言語学を対象とした理由は、今後生成系AIの普及・進化により、『生成 AI を適切に使うためのスキル(指示の習熟、言語化の能力、対話力等)を身につける必
要がある』[9]ただし、現在のところ生成系AIに対して指示を行うためには、より適切・具体的な指示、不明瞭な点の追加指示・することが求められる。誰しも「話せる・書ける」ので人と接するように指示を出しがちであるが、生成系AIはまだ「行間を読む」、「不明点を察する、質問する」機能は備わっておらず、人間側が能力向上する必要がある。

④ 研究成果として期待されること・もの
スキル取得のモチベーション維持、探求心の向上をもたらす教育コンテンツ基盤要件の確定。

・リスキリング教育コンテンツに対する新しいゲームフルデザインの枠組みの提案。
・この研究により、リスキリング教育コンテンツの質と利用者のモチベーションを向上させる新しい手法が提供される。
・生成系AIとの効果的なコミュニケーション能力向上のための教育コンテンツ基盤要件の確定。


参考文献・参考書籍
[1] 井上 明人,ゲーミフィケーションを活用した自発的・持続的行動支援プラットフォームの試作と実践,2014
情報処理学会論文誌 Vol.55 No.6 1600 - 1613 (June 2014)
国際大学 井上 明人
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=8&item_id=101734&item_no=1
取得日:9:27 2023/08/01

[2] ゲーミフィケーションではなく「ゲームフルデザイン」。学習をゲーム化する新潮流:LXD in NYC#2
https://designing.jp/lxd-in-nyc-2
取得日:9:01 2023/08/01

[3]Game On!: Gamification, Gameful Design, and the Rise of the Gamer Educator (Tech.edu: A Hopkins Series on Education and Technology) (English Edition)
Kevin Bell (著)
発行日:2017/12/17

[4]Learning Experience Design: How to Create Effective Learning that Works (English Edition)
Donald Clark (著)
発行日:2021/11/3

[5]The Gameful World: Approaches, Issues, Applications (Mit Press) ハードカバー – 2015/1/16
英語版 Steffen P. Walz (編集), Sebastian Deterding (編集)
発行日:2015/1/16

[6]From Gamification to Gameful Design and Gameful Experience in Learning
Christo Dichev*, Darina Dicheva*, Galia Angelova†
, Gennady Agre
CYBERNETICS AND INFORMATION TECHNOLOGIES • Volume 14, No 4
31 Jan 2015

[7]Gameful Learning: Designing with Motivation in Mind
Caitlin Hayward and Barry Fishman
International Society of the Learning Sciences (ISLS)
2020

[8]The Ambiguity of Games: Histories and Discourses of a Gameful World
Forthcoming in Walz, Steffen P. & Sebastian Deterding
MIT Press.
7 Feb 2020

[9]生成 AI 時代の DX 推進に必要な人材・スキルの考え方(令和 5 年 8 月)
経済産業省 デジタル時代の人材政策に関する検討会
13ページ 3.生成 AI がデジタル人材育成・デジタル人材のスキルに及ぼす具体的な影響
 https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230807001/20230807001.html
発行日:2023/8/7

志望理由書
これはーどうなんだろ。何も考えず、何も参考にせず、つらつらとつづっただけなので、もっと熱意をもって書いたほうがよかったのかな?

データサイエンスの学習を行うにあたり、Web形式のコンテンツを利用した。そのコンテンツは、動画、プログラムの試行環境など充実しており、ゲーミフィケーションの要素であるレベル・進行状況バー、バッジ・トロフィーなどもあって飽きない工夫もされていて非常に魅力的なコンテンツと感じた。
 ところが、いざ学習を進めてゆくと、ゲーミフィケーションの要素が有るためにかえって苦痛に感じる場面が出てきた。
 私はITエンジニアとして30年ほど、プログラミング、設計等に従事している。従って、プログラミング言語の基本的な部分、例えば、分岐、繰り返し、文字列の取り扱い、四則演算などは他のプログラミング言語を利用する中で習熟している部分が大半であり、順に進めてゆくのが苦痛となってきた。ある程度飛ばした単元を開くと、今度はその言語特有の記述が分からないため、Webで検索したり、単元を戻ったりして非効率であった。
 この経験からゲーミフィケーションについて興味がわき、調べてゆくうちにゲーミフィケーションの要素がかえってモチベーションを下げる要因となることがわかってきた。ゲームフルデザインはゲーミフィケーションを代替するものではなく、補完的な関係にある。この2つをリスキリングに用いるために最適な構成を導き出したい。特に、ゲームフルデザインの要素である自由度と選択については、扱うコンテンツによって適切に設定する必要があるので、具体例を持ったコンテンツを設定し各要素の「さじ加減」を探求したい。

2023年9月(大学院1次試験)

試験では問題冊子、解答用紙、下書き用紙が配られます。ただ、下書きできるほど時間が無いので(鉛筆で書き慣れてない、筆が遅い)、文頭での箇条書き作戦を用いて頭の中を整理しつつ書き上げていきました。

1問目の共通問題は傾向通りだったので、まぁまぁ書けたと思います。
選択問題はChatGPTについて回答しました。
メリット・デメリットを記載せよとのことだったのですが、デメリットを記載していたら時間切れとなり・・・評価としては半分になっちゃうのだろうか?うろ覚えですが、こんな感じの内容を書いた気がします。

2020年ごろからディープラーニングの研究・実装が盛んになり、生成系AIを使った広告も出現してきた。例えば本間ゴルフの広告

【1】確率的に文字・文章を並べるため、正確性に欠ける。また、多数の意見を述べるので、日本での事例が欲しい場合、それを明確に指示する必要がある

【2】広島サミットやISO SC42で人工知能のガイドラインのは出ているが、生成系AIについてはまだガイドラインがない

【3】論理的な演算は苦手。日本学術会議でのセミナー発表では数字をどのように捉えているかを分析した結果が報告されていた

【4】今のところ生成系AIが質問をしてくることはなく、すべて人間側が前提や経緯を生成系AIにわかる形で提示する必要がある

【5】・・・忘れた

日頃から気になる論文とかダウンロードして読んでみたり、色々な人のお話し聞いたりするのが良いかなと思います。「みんながこんなテンプレート使ってる」からと言って単にコピペして使うのではなく。そうでないとホットな話題でも1600字埋めるのは至難の業です。

2023年11月(大学院2次試験)

建付けとしては対面での面接試験をWebで行う形なので
・部屋に誰も入ってはいけません
・手元に何も置いてはいけません
・パソコン画面に何も表示してはいけません

とカンニングできない環境を作り上げて面接に臨む必要があります。
1次試験合格者向けにWeb接続テストとか、教務課のかたとの質疑応答がありますので、色々と確認しておきましょう。

面接官は4名でした。2,3名と聞いてたのに。。。もうその時点で緊張感MAXです。
「5分で研究概要を説明してください」に対しても2,3分しか説明できなかったような
あとは研究計画書がゆるゆるなのでガツガツ突っ込まれて防戦一方って感じでした。
まぁーこちらが準備不足なのを良く見抜いていらっしゃる。
15分ぐらいで終了してしまいました( ;∀;) こりゃ絶対落ちたなーと

いや、分かるんです。自分もエンジニアの面談とかやったりするので。当たり障りのない質問するときって落とすときだよなーって

2023年12月(合格発表)

期待せずに待っていたところ大きい簡易書留が!!面接がボロボロだったので、なぜ合格したのか不思議なんですが、筆記が良かったことにしておきましょう。

ただ、これからが大変だよなー4月までに色々調べまくってテーマ選定しておかないと、2年間なんてあっという間に過ぎてしまう。

おまけ ChatGPT使う?

使っていきます。論文を要約してくれるpaper interpreterプラグインとか秀悦なツールも色々と出回っているので。
ただ、自分で要約して、paper interpreterの要約と比べてみて自分の要約のどこがいけてないのかという順番にしないと、何も身につかないし、何も生まれないと思います。
使い方間違えると、ChatGPTを修士課程卒業させるための召使いにしかならないので。あくまで自分で考えたうえでの補助的な利用ですかねー

どのようなツール利用でもインターネットで調べた情報利用でもそうなんですが、本人が確認・腹落ちしてないと「単にキーボード操作をしてコピーペーストしてるだけ」になってしまいます。
あと数年もすればより賢くなったAIが何でもしてくれるとは思いますが、それまで少しは悪あがきしておこうかなと思ってます。


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