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やらないことを決める覚悟【無人考】

できないことは、わざわざやらなくてもいいと考えている。

正確に言えば、その困難さの割に得るものが少ないことや、実現するために過分なコストがかかることも含める。さっさとあきらめて、できる人に任せて、得意なことを伸ばすことに注力するのが望ましい。

ときどき、ガストで食事をする。あの猫ロボットを気に入っているからだ。見た目がいい。あれは、いい仕事をしている。指示されたことを完璧にこなし、余計なことはしない。なにより、不快感を与えない。

ひとりで食事をするのに、サービスは求めない。欲しければ、期待を外さないいつもの店に行く。店として、人手をかけて、プラス・マイナスのどちらに振れるかわからないリスクをとるより、ロボットに任せてゼロを維持するほうが腹の括り方として支持できる。プラスが多いことよりも、マイナスがまったくないことのほうが評価されるものだ。無論、コスト最優先の判断なのだろうけども。

ときに、接客やサービスで台無しにしている店を見るに、食事の評価以前のところで、実にもったいない。大衆店のみならず、中高級店でも。あいさつ、接客、配膳、どれも立派なスキルであって、それなりの水準に達するには、教育が必要となるし、そもそも店員の素質にもかかわる。

どのように良くするか、ではなくて中途半端なことをするくらいなら、はじめからやらないと考えるのは妙案だ。少子高齢化により労働人口が激減しているわが国においては、どのような分野でも、人の手によるサービスを受けることは、高級品になっているのだ。

独立開業したばかりの頃、お世話になっている方から経済成長はしない、労働力が確保できない、こんな時代には、やることを絞り込んで、仲間を集めてシェアしていくべきと教わった。

人の一生は短い。お先真っ暗な時代に生きているので、将来に期待せず、今を楽しむことに時間をかけて、やりたくないことはやらないと決めるだけ。

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