はじめに
本記事では、ラテン語で書かれた中世西ヨーロッパの証書 charters の読み方を解説していきます。特に、今回は証書の最初に来る挨拶文 salutation について解説をしていきます。
挨拶文と言えども、最初から省略があったりするなど初学者が躓きやすいところなので、なるべくわかりやすく解説をしていこうと思います。
挨拶文
ラテン語で書かれた中世西ヨーロッパの証書では、どのような出だしで書かれているのでしょうか。まずは、いくつか事例を提示してみることにしましょう。
ここでは、スコットランド王家の文書、イングランド王家の文書からそれぞれ二通ずつ引用しました。時代や地域によって当然差はありますが、これらがラテン語で書かれた証書の冒頭の基本的な形と言えます。次の章で、これらを具体的に見ていくことにしましょう。
挨拶文 - 構造 -