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【読書感想-考察】恋に至る病

やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。  その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。  善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。 「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」  変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは?

 表紙とタイトルが良かったので、勢いで読んでみたのですが
とても面白かったです。
特に、ヒロイン、景の魅力は圧倒的でした。作中でも景に接した登場人物は皆一様に彼女のカリスマ性に引き寄せられていました。それも異常なほどに、まるで宗教的な何かを見ているような気分でした。読んでいた僕自身も、このヒロインの描写に思わぜ目が離せなくなりました。
 そして、この作品の醍醐味として最後の4行をどのように捉えるかという論争があります。
私自身としては、景の恋心が本物であったことを願いたいです。望と二人で、いたときの描写がすべて偽物だと考えるとあまりにも切なすぎます。
ですが、最後の消しゴムはやはり、望を最後まで利用することを示唆するものではないかと思う。
 もし、この最後の消しゴムが望のことを本当に愛していることを表すものになると、非常に楽観的な落ちになってしまい、作品全体の歪んだ恋愛観が崩れてしまうような気がする。この作品の良さとして、主人公は一般的でその彼女が異常であるという構造。それを最後まで貫き通すには、最初からすべてが景の掌の中であったという絶望的な状況がであることが私は重要だと思った。その絶望的状況が望の受けたあらやる悲劇を我々の頭におぞましく刻み込みこむことで、この小説は非常に厚みのある内容に変化すると感じた。

正直、私に考察の技術が無いので非常に分かりにくかったと思います。
 ぜひこちらの本も読んでみてください


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