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オランダサッカーの未来と11の視点

少し古いですが、2014年にオランダサッカー協会では『オランダサッカーの未来』と評してカンファレンスを開きました。このカンファレンスではもう一度、オランダサッカーを高みに持ち上げるためにはどうすればよいかということについて話されました。このカンファレンスに参加したのはJohan Cruijff,Co Adriaanse,育成のトップであるAndries Jonker ,Wim Jonk,元プロ選手としてClarence Seedorf, Jaap Stam,Mark van Bommelなど蒼々たるメンバー、約180人が参加。

オランダサッカー協会のテクニカルマネージーJelle Goesは主にこの11点を議題にして、主にサッカーの内容、方法論について建設的に議論がされたと述べています。

また、この11点はただ列挙されたものではなく、このカンファレンスで議論されるのに相応しい項目であったとカンファレンス後、述べられていました。

この項目の実行・改善にはオランダサッカー協会だけではサッカーの関わる人が同じ方向を向くべきだと強調されました。

以下がその11項目。

1、 オランダサッカー文化を維持しつつ、より勝者のメンタリティーを植え付ける。

育成現場からプレーを実行すること、勝つということを一緒に養っていく。

2、クラブや選手はより意識的にフィジカルの改善・成長に目を向けていき、それをトレーニングする。

オランダは一般的に素晴らしいテクニック、戦術の側面を見せることができるが、フィジカルの成長・改善においてはテクニックや戦術の側面と比べて劣っている。

3、フィジカルやメンタルの側面をよりよく知っている、学んでいるスカウトの育成。

プレーのフィジカル的な要求を満たすための(多様なパワー、爆発力からスピード、その維持)どのようなメンタル的な要求が年齢ごとに必要とされているのかを知っていることが望まれる。

4、コーチングスタッフの多様性

コーチ、監督はお互いにチーム、個人の成長のために補完し合う。

5、プロクラブの育成部門の設置義務

育成部門をお互いのプロクラブのため、それぞれのクラブのために設置しなければならない。2つのクラブが共同でこの育成部門を持っている。共同ではなくそれぞれが持たなければならない。

6、育成コーチの質の向上

指導者コースをさらに充実させ選手同様に若いコーチを育成していくこと。

7、代表に優秀な選手を送り出す

U19年代の後もそのまま成長を促す。

8、より高いレベルを作り出す環境の構築

プロクラブの育成現場においてより多くの高いレベルとより高い環境の試合、トレーニングを設定する。

9、指導者育成コースの整備と充実

指導者コースをクラブ、コーチ、監督のニーズ、野望に応じて用意する。

10、より高い要求をDFにする

チームタスクの守備においてより多くのアプローチを試合、トレーニングで行う。守備における個人の成長のためのアプローチを行う。

11、より多くの責任の要求と甘やかしを減らす

フィールドの内外でよりプレーのレベルの向上、自分自身の成長に集中させる





特に時間をかけて議論されたのが、守備についてと勝者のメンタリティーについて。

個人的にも非常に興味深いこの2つの項目。

■守備について

サッカーにおける2つの戦略のうち、Spel makenゲームを作る、支配することを迷わず選ぶオランダ人。リヌス・ミケルス、クライフの影響を受けているとはいえオランダ国内を見渡せば、ほぼ1-4-3-3でプレーし、いわゆる攻撃サッカーを展開する。そんな彼らにどう守備を伝え、トレーニングしていくのか本当に興深い。

文化的に『守る』ということに対して選手が受けいれるのだろうかと思ってしまう。自分のチームでトレーニングすれば何人かの選手はつまらないと言って帰ってしまう可能性がある。U12年代であっても。(笑)

経済力のあるプロクラブのアカデミーでは各ポジションに特化したコーチを雇い、週に1、2回以下の流れでトレーニングを行っているそうだ。

ゲーム形式のトレーニング(11対11)⇒Ipadなどで映像をその場で見せ、分析・議論・アドバイス⇒その問題点・課題をテーマにポジション、個人ごとにトレーニング⇒ゲーム形式のトレーニング(11対11)⇒分析・議論・反省

これを1回のトレーニング、90分程度で行うのだ。

ここでは守備に特化してトレーニングも行われているはずである。

このような試みを経てオランダにどんな選手が生まれてくるのか楽しみでしょうがない。

■勝者のメンタリティー

何事に関しても論理的に考えるオランダ人。論理的な説明がなければ、それを実行しないオランダ人。なぜそのトレーニングが必要なんだと必要に聞いてくるオランダ人。

そんなオランダ人がそのオランダ人にそれを伝えなければならない、植え付けなければならない。これまたどうやってと思ってしまう。

オランダ人思考から『そもそも勝者のメンタリティーって何?』『メンタルって何?』『侍魂?』

残念ながら現段階で、自分自身の答えはない。

◎勝者のメンタリティーとは?⇒相手に勝ち続けるための心の持ちよう、負けたくないという気持ち(そもそも気持ちって何?人それぞれでしょ?人の感情?それって理解できるのか?

◎伝え方⇒

・フィールドに立ったら、常にエネルギッシュに明るく振る舞う。

・妥協を許さずトレーニング、試合の準備をする。

・試合中にボトルを投げる?⇒勝ちたがっていることを選手に見せつける。

考えれば考えるほどわからなくなる。これに関しては心理学の勉強が不可欠かもしれないですね。


このカンファレンスから約1年が経ちました、そろぞれの情報がアップデートされることを願いながらまた更新できればと思います。

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オランダで活動するサッカー指導者 ◆選手歴:愛知FC U-12〜U18→早稲田大学ア式蹴球部→Sporting Martinus ◆オランダ指導歴:Sporting Martinus U12,U14→K.HFC U17 ◆http://dai-nagashima.com/
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