第1法と第2法(標準原価計算)

Q.標準原価計算における第1法と第2法の違いは何か。

A.どの程度の正確性を求めているかが異なる。
第1法の方がより不正確であり、第2法の方がより正確である。

第1法では、標準原価内を直接材料費、直接労務費、製造間接費のそれぞれの費目に仕損減損分を含めたうえで算定する。
従って、月末仕掛品に対して進捗度に関わらず仕損減損分の原価を配賦することになり、不正確(になる場合がある)。

第2法では、標準原価において直接材料費、直接労務費、製造間接費に仕損減損分を含めず、仕損減損分を別個に項目立てる。
従って、月末仕掛品に仕損費も含めて負担させるよう計算することもできるし、仕損費を含まないよう計算することもができる。
結果として、原価をより正確に完成品と月末仕掛品に割り振ることができる。

Point
前回の記事でも書いた通り、正確性と計算コストのトレードオフは常に存在する。
一見正確な第2法の方が優れているようにも見えるが、仕損減損の発生量を正確に記録する必要があり、実務は煩雑になる。
原価計算基準27で仕損費の計算においては度外視法が原則とされていることから、仕損費を自動的に完成品と月末仕掛品に両者負担させる第1法で十分という考え方もできる。


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