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人生は昇降し、目の前の扉は開閉する。「エドワード・ヤンの恋愛時代」を見た

先日見てきました。ずっと見たいなあと思いながら機会がなかった作品なので、劇場で見れて嬉しい!

自分は群像劇が苦手なタイプの陰キャなので、その意味では完全には入り込めなかったのかも……とは思うのですが、それ以上に「みんな頑張って生きてるなあ」という謎の感慨が上回ったのでよかったです。

急激に発展する都市そのままに、キャラクターたちもすごくエネルギーに満ちた作品でした。

笑い、悩み、確かなものを求め、自分の道を行く。原題の「獨立時代」がなんだかんだ一番しっくりくる気がします。

だけど何が良かったって、とにかく映像が美しすぎる。夜の黒とか青とか、逆光で見えにくい中僅かに浮き上がる表情とか、画の切り出し方が好きすぎる。緑色のオフィスに飾られた緑色のガラス花瓶とか、ダークトーンの服装の人々の中で一人の女性が着ている服の鮮明な赤とか、でもやっぱり黒があまりに美しい。

ミンという登場人物の住む民家のシーンがあるのですが、ここの画の切り出し方は牯嶺街を思い出させる感じでとても好きです。

あとこの作品結構な頻度でエレベーターが登場するのですが、最後の最後で活躍するのもエレベーターなのが本当にいいです。あのラスト一生忘れたくないなってくらいいいシーンでした。修復してくれてありがとう国家電影及視聴文化中心のみなさん……

修復前・後のフィルム比較画像が掲載されている記事を発見したので貼っておきます。

台灣名導楊德昌《獨立時代》修復版於威尼斯首映,遺孀彭鎧立:「導演想表達的,是比台北更深的含義」

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