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映画「フォロウィング」を見て感じた、クリストファー・ノーランのブレなさ。

フォロウィングHDレストア版です。来月からアマプラ見放題に来るとはいえ、映画館で見ておきたいんだよ俺は!ということで滑り込み鑑賞してきました。ジョン・ノーランおじさんも出るよ!(謎方面のネタバレ)

クリストファー・ノーラン監督が1998年に発表した長編デビュー作。他人の尾行を繰り返す男が思わぬ事件に巻き込まれていく姿を、時間軸を交錯させた複雑な構成で描き出す。
作家志望のビルは創作のヒントを得るため、街で目に止まった人々を尾行する日々を送っていた。そんなある日、ビルは尾行していることをターゲットの男に気づかれてしまう。その男コッブもまた、他人のアパートに不法侵入して私生活を覗き見る行為を繰り返しており、ビルはそんなコッブに次第に感化されていく。数日後、コッブとともにアパートに侵入したビルは、そこで見た写真の女性に興味を抱き、その女性の尾行を始めるが……。
1999年・第28回ロッテルダム映画祭で最高賞にあたるタイガーアワードを受賞するなど高く評価され、鬼才ノーランの名を一躍世界に知らしめた。2024年4月、デジタルリマスター版にてリバイバル公開。

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結論から言うと「追っている側がいつのまにか追われる側になっていた」サスペンスで面白かったです。70分でよくここまで詰め込んだなと思うし、70分という短さだからこそ勢いがあって良かったと思いました。今ではお馴染みの時系列入り乱れ構成とか、永遠に新事実が出てくる多重構造とか、総合して夢と現実の区別がつかなくなってくる感じのパーフェクト虚構、そういうものが最初から全部積まれていたまさに「原点」でした。

一回では理解しきれない部分もあったので、見終わったあと「あれはなんだったんだろう?」という疑問は(ノーランの他作品同様)残しつつも、わりと初見でちゃんと理解できたのでそれも良かったです。最後に明かされた事実から全部たどっていけるので、あーそうだったのか!って腑に落ちる楽しさ。この物語の事実構成ってどこを起点にして作ったのかな〜って考えると面白いです。

あとコブ役のアレックス・ハウ氏、後年ノーランが起用したジョセフ・ゴードン=レヴィットとかロバート・パティンソンとかに共通する雰囲気を感じたので、ノーランの趣味って昔から変わってないんだなと思って個人的にはそれも良かったです。主演のジェレミー・セオポルド氏はテネットにも出ておられたとのことで、現段階では全然記憶にないのでテネット見直したいです。あとはジョン・ノーランおじさん。ここでも出ていたんだね。

白黒フィルムの風合いも柔らかく滑らかでありつつもわりとコントラストははっきりした描画で好きでした。グレインもいい感じに乗っている。テネットをIMAXで至近距離で鑑賞した時、遠景のボケがすごくよく見えて好きだったこととかを思い出したので、テネットをまたIMAXで見たいです(テネットの話で終わるな)。

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