映画「フォロウィング」を見て感じた、クリストファー・ノーランのブレなさ。
フォロウィングHDレストア版です。来月からアマプラ見放題に来るとはいえ、映画館で見ておきたいんだよ俺は!ということで滑り込み鑑賞してきました。ジョン・ノーランおじさんも出るよ!(謎方面のネタバレ)
結論から言うと「追っている側がいつのまにか追われる側になっていた」サスペンスで面白かったです。70分でよくここまで詰め込んだなと思うし、70分という短さだからこそ勢いがあって良かったと思いました。今ではお馴染みの時系列入り乱れ構成とか、永遠に新事実が出てくる多重構造とか、総合して夢と現実の区別がつかなくなってくる感じのパーフェクト虚構、そういうものが最初から全部積まれていたまさに「原点」でした。
一回では理解しきれない部分もあったので、見終わったあと「あれはなんだったんだろう?」という疑問は(ノーランの他作品同様)残しつつも、わりと初見でちゃんと理解できたのでそれも良かったです。最後に明かされた事実から全部たどっていけるので、あーそうだったのか!って腑に落ちる楽しさ。この物語の事実構成ってどこを起点にして作ったのかな〜って考えると面白いです。
あとコブ役のアレックス・ハウ氏、後年ノーランが起用したジョセフ・ゴードン=レヴィットとかロバート・パティンソンとかに共通する雰囲気を感じたので、ノーランの趣味って昔から変わってないんだなと思って個人的にはそれも良かったです。主演のジェレミー・セオポルド氏はテネットにも出ておられたとのことで、現段階では全然記憶にないのでテネット見直したいです。あとはジョン・ノーランおじさん。ここでも出ていたんだね。
白黒フィルムの風合いも柔らかく滑らかでありつつもわりとコントラストははっきりした描画で好きでした。グレインもいい感じに乗っている。テネットをIMAXで至近距離で鑑賞した時、遠景のボケがすごくよく見えて好きだったこととかを思い出したので、テネットをまたIMAXで見たいです(テネットの話で終わるな)。