4. 根津の言葉:七夕の伝統を今に繋ぐ参加型プロジェクト
「根津の言葉」は、根津地域のかつての七夕祭りを蘇らせるために、住民と訪問者が共に参加するプロジェクトです。このプロジェクトでは、七夕の短冊をモチーフに、商店街を彩る特別な短冊を作成し、地域内外の人々が言葉を交わす場を作りました。
七夕祭りと根津の歴史
十数年から二十年前まで、根津では七夕祭りが盛んに行われていたと聞いています。しかし、都市化や住民の高齢化、住民の流動化により、祭りは徐々に衰退し、継続が難しくなっていました。2022年に行った住民へのヒアリング調査では、かつての七夕祭りが地域の結束を深め、住民同士のコミュニケーションを育む大切な機会であったことが浮き彫りになりました。
七夕短冊を再び根津に
このプロジェクトでは、昔の七夕祭りの象徴である短冊をモチーフに、商店街を彩る新たな短冊を制作しました。地域の住民だけでなく、観光客や根津を訪れたことのある人々にも協力をお願いし、「根津の一言」、「根津への一言」を短冊に記入してもらいました。これらの短冊は、観音通り商店街に飾られ、歩く人々が不記名で交わされる「往復書簡」を眺めながら、気分転換を楽しむことができる場を提供しています。
地域内外をつなぐ「根津の言葉」
このプロジェクトは、地域内(住民)と地域外(訪問者)の人々が、短冊を通じて言葉を交わし合う機会を提供することを目指しています。短冊に記された言葉は、単なるメッセージではなく、根津に対する思いや、ここでの瞬間を共有するものです。
地元の方々の協力によって、このプロジェクトは成功を収めました。商店街を彩る短冊は、かつての七夕祭りを思い起こさせるだけでなく、地域の絆を再び強め、訪れる人々に根津の温かさを感じてもらうことができました。
「根津の言葉」は、地域の伝統を未来へ繋げるとともに、新たなコミュニケーションの場を創り出す試みです。これからも、根津の文化や歴史を大切にしながら、地域と外部のつながりを深めるプロジェクトを続けていきたいと考えています。