Jack the stalker
ジャックが牝牛とファックしていると、商人が現れてその光景をカメラに収めた。
「えっ」
ジャックはドギー・スタイルのまま硬直。表情が絶望に染まる。
これが公になれば、ジャックは牛飼いとしての社会的オナーを完全喪失するだろう
「その牛、確かハナコと言ったかね」
なお悪いことに、その商人は先日ジャックからハナコを買い付けた張本人であった。
ジャックは土下座して詫びた。
「何でもしますから許してください!」
「ほう、何でも」
すると商人は意外にも関心を示し、おもむろにジャックの後方を指差す。
ジャックが振り返ると、その先には天高く聳える建造物があった。
「茎<ストーク>……?」
ジャックは訝しむ。
茎<ストーク>。廃棄されて久しい軌道エレベータ。地表から隔絶した『雲上界』への唯一の道とされているが、未だ確かめた者はいない。
「そう、私が求めるのは『雲上界』の遺物だ」
かくして、ジャックの無謀なる『登攀』が始まった。
【続く】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?