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トンカツって豚の死体だったんだ

突然ですが、皆様嫌いな食べ物はありますか?
わたしは一人暮らしをするまで、かなりの偏食家で好き嫌いも多く、
お米やパンも食べられませんでした。今は節約のためや自分の悪いところを直したい気持ちから、頑張って食べられるようになったのですが、
まだ克服しきれていない食べ物が沢山あり、
嫌いな理由を尋ねられて答えると「そこなの?」と言われます。
「そこなの?」と言われるということは、きっと解決策はあるはずなのです。そこで、嫌いな食べ物を紹介していきたいと思います。

※わたしが思い出して気持ち悪くなる話があります。気持ち悪いものが気持ち悪い人は読まないでください。

❶海老

チャーハンや冷凍食品に入っている、頭部や足のない海老は食べられるのですが、あのちょっといいお店に行くと出てくる海老が食べられません。
理由は、生前と同じ姿で食卓に上ってくるからです。
刺身や肉、焼き魚だって「命を戴いている」ことは重々承知なのですが、
外見的に「わたし、小さく切られて(焼かれて)死んでますよ!!」というアピールが物凄く、ここまで来たらもう動くことはないこと、鳴くことがないのは火を見るより明らかです。美味しく食べられます。
ただ、あのいいお店に行くと出てくる海老に至っては、じっとしているだけで本当は生きているかもしれないとあの生前と同じ外見から疑ってしまいます。あの水族館の水槽でどこかを見ている海老がそのまま地上に上がってきたような姿のそれを、手でバラバラにして食べることが、恐ろしくて仕方がないのです。「もう死んでるに決まっているでしょ」と言われても、生前と同じ姿の生き物を自分でバラバラにする恐怖に勝つことができません。
幼い頃、初めてその姿を目の当たりにし、怖いから無理だと断ると「食べなさい!!」と怒鳴られたので、恐怖に慄きながらも泣きながら分解し食べた一発目の味は、「体液の味だ...」と思いました。
アトピーだった自分の掻き傷から出る汁と同じ味を感じました。
もうあの怖い思いはしたくない、しかも味は体液だ、と思い、食べることが出来ません。
わたしは自分の手を汚さずご飯を食べたい卑怯な人間であり、野生では生きていけないのだと思いました。

❷レバー

小さい頃、嫌いな食べ物があると怒られて殴られてしまうので、好きだと嘘をつき続けていたのがレバーです。

嫌いな理由は、小さい頃「レバーってなあに?」って聞いた時に「内臓だよ。君のこの辺にあるよ」と言われたことと、味と食感と匂いです。

このへんにある内臓を食べているんだ、と意識すると気持ち悪くなってしまいます。お肉の中でタンが一番好きなのですが、「タンは舌だよ」と言われても食べるのが気持ち悪くなってしまいます。だからどこを食べているのか絶対に考えないようにして食べます。
わたしは色々な事情で小学校にはあんまりちゃんと行ったことがなかったのですが、気まぐれに行った日に給食に出たのがレバーでした。その時、同じクラスだった一番背の低かった男の子が、レバーが嫌いすぎて周りにいじられ、挙句に吐いていたのを見て、「嫌いなものは吐き出すほど嫌いだと言ってもいいのか」と思い、わたしは今まで吐きそうになりながら無理して食べて「好きだよ」と言っていたことがバカらしくなり、その後から嫌いと言えるようになりました。
ありがとう伊東くん。わたしはレバーが嫌いです。

❸生クリームと餡子

現代では、ジェンダーレス社会やLGBTQをもっと公に、そしてみんな平等にといった話が少しずつ社会に浸透しています。とてもいいことだと思います。
わたしは異性も同性も好きになることがあり、相手の性別にも自分の性別にも関心がないという人間ですが、それらを理解されるよりも真っ先に
「女性は甘いものが好き」という考えをこの世から消滅させたいです。
女性に生まれてしまったばっかりに、「女の子は甘いものが好きでしょう?」と、糖分をやたらと与えられることの多い人生、かなりつらいです。
クッキーなどは出してもらったら食べようと頑張ることができるのですが、
生クリームと餡子だけは、本当に限界を感じるつらさをおぼえます。
理由として、口の中が100%の甘さで満たされることが本当につらいです。コーヒー等と楽しめばいいのでは、と言われるのですが、一時的な100%に耐えることが辛いです。そのまま胃に辿り着き、生クリームや餡子がべったりしていることを想像すると更に気持ち悪くなります。
でも相手が嬉しそうになまものを差し出してきたら、食べるしかありません。
大体こっそりトイレに行きます。

❹いくら

口に入れて弾けると体液の味がします。あといっぱいいて怖いです。
でも蓮コラは大丈夫なんです。

ここからは、克服したけど嫌いだったものを紹介します。

❺米

中学生になると、職場体験という授業があります。
わたしは子供もお年寄りも苦手だったのに、保育園と老人ホームでした。
そして、職場体験ではお弁当が必要になります。
当時、親が全く家事が出来ないため、毎日ゴミ屋敷でコンビニ弁当を食べていたわたしですが、小学校の頃遠足でコンビニ弁当を持って行った際にめちゃくちゃいじめられたので、「お願いだからお弁当を作って欲しい」と親にお願いしたのでした。
すると、職場体験の当日には、タッパーに入ったビビンバのようなご飯を作ってくれました。久しぶりの手作りのお弁当に心を躍らせました。
いざ昼休みになり、休憩室でお弁当を開けました。
すると、今まで嗅いだことのないタイプの臭いがしました。
「ビビンバって食べたことがないから、こんなもんなのかな、外国の料理だし」と思って口に運んだところ、とんでもない臭いと味、例えるなら、しかし例えようのない、強いて言えば当時のわたしが想像するガソリンの味だ!!となりました。
ゴミ屋敷に住んでいてコンビニ弁当を食べて過ごしていると、
炊飯器も洗われることもなく、虫が湧くのです。
一度ウジの湧いた炊飯器は、とんでもない味の米を生み出すことが出来るのです。

それがトラウマになり、それからお米が食べられなくなりました。

それから暫くして、ある定食屋さんに出会い、お米が少しずつ食べられるようになります。一人暮らしを始め、清潔な炊飯器で、前に付き合っていた人の実家から「実家で精米しました」という米が送られてきて食べてからは、白米も食べられるようになりました。

❻この世にある大抵の「1人前」

人とご飯屋さんに行く時、お腹が空いていると定食屋さんだったり、
マックだったり、ラーメンだったり、「1人前」を食べる場所になることがあります。わたしは大体「1人前」を食べきれたことがなく、食べていても気持ちが悪くなってしまい、
「1人前」が嫌いなんだと思っていました。
定食屋さんでは「お米なしで」とは言いづらい雰囲気があることから、毎回相手にお米を渡していました。
しかし、専門学生だった頃の帰り道、お昼休みも放課後も潰して課題をやり、空腹で死にそうになり、一人でねぎしに行ったことがありました。そこも一人前で出てくるお店でしたが、お腹が空いていたので食べられると思い、トリプルミックスセットを注文をしました。
お米はなんか普通の白米と違うらしいし、とろろがあるから食べられるかもしれないと思い、その時は試してみようと思えたのでした。
出てきた時に、「食べきれなかったらどうしよう」とは感じたのですが、
お腹の空いていたわたしは、お肉ととろろの美味しさで幸せになりながら、夢中で食べきることができました。達成感に心から喜びました。
それでも、他人と食べに行くとやはり食べきることが出来ません。
絶対に喉が詰まったような感覚になり、食べられなくなります。
なぜなのかと色々調べた結果、人とご飯を食べるのが怖いだけの会食恐怖症ということが分かり、
この世に蔓延る「1人前」には、なんの罪もないことが判明しました。
他人とは、居酒屋かファミレスにしか行かないぞと心に強く決めました。


以上が、わたしの嫌いな食べ物とその理由でした。

海老やレバーの理由から、グロテスクなものが苦手なんだね、と言われ続けたのですが、日本の映画監督では園子温が一番好きだし、
家にもたくさんの内臓を模した雑貨や、血の気の多い写真集があります。
だから本当は克服出来るのだと思うのです。
甘いものも、きっといつかは誕生日ケーキを出されたら食べられると思うのです。

命に感謝して、きちんと食べ、栄養にしていく、
そんな人間に本当はなりたいです。


では、おやすみなさい。

早くちょうちょになりたい