見出し画像

イベントレポート|コロナ後の「ローカル」と「物語」

今回のイベントでは、資本主義社会が持つ「無限の経済成長」という「物語」が転換期を迎えている
コロナ禍を経て、ローカルはどのような「物語」を生み出せるのか?
という問いについて議論しました。

『WIRED』日本版の最新号では「Sci-Fiプロトタイピング」をテーマとして、(SF作家の力でコロナ後の社会を「物語」の力でプロトタイプする特集)」に、SFのような都市=テクノロジーの物語では包摂されえないような、「ローカル」の「物語」をどう生み出していけるかについて考える場となりました。

<登壇者リスト>
松島倫明氏
|『WIRED』日本版 編集長
千葉和氏 |  遠野エコネット代表
橋本陽介氏|  比較文学者・お茶の水女子大学 助教
林篤志  |  Next Commons Lab

以下は、本イベントの企画・編集を担当した神明が、イベントを通じて心に残った/重要だと感じたポイントを列挙していきます。

イベント後の感想

終わってから3日が経っても、
まだ消化しきれないような重みのある対話になりました。

かたや先端のテクノロジーの世界から。
もう一方は悠久のローカルな世界から。
そして超然たるアカデミアの世界から。

3つの異なる世界からゲストをお呼びし、
無理に混ぜあわせようとせず、
しかし深い対話をすることは可能なのか?

というチャレンジでした。

終わってみて、議論の「結論」が出ることはありませんでしたが...

「次は遠野でみんなで語りましょう。5時間でも6時間でも」

という「次」の対話の可能性が開かれた場になりました。
この別々の世界をつないでいくことこそが、Next Commons Lab の役割なのではないか?と感じることができました。


コロナ後の「ローカル」と「物語」の重要論点


| 1 |  

物語とは「一人一人のいのちそのもの」 1:11:43
世界には人間だけがいるわけではない。人間が全てを支配できるという「勘違い」をしてしまった。最終的にみんな幸せになりたい。幸せとは与えられた「いのち」を全うすることである。これは頭ではわかっていても、身体をつかって一人ひとりが気づいていくしかない。と千葉氏。

頭=言語をつかう「物語」というテーマでありながら、非言語の重要性にたどり着いたことがとても印象的でした。



| 2 |
豊かな身体感覚を社会に広げるキーは「分散化」 2:09:00
自然とのかかわりを通じて人間の本来の姿を回復していくことは、現代社会において一部の人々しか享受できないものではないだろうか?という松島氏。

議論の最後に社会の「分散化」、そして「プロトタイピング」の重要性について語る議論のしめくくりのコメントに、資本主義社会をアップデートしていく上での一筋の光明をみたように感じました。

| 3 |
物語を「共同編集」していく可能性 00:35:10

源氏物語や遠野物語、あるいはノーベル文学賞を受賞した作品群も、個人が全てを創作したものはまず存在しないと説く橋本氏。

物語は、その性質上、大きな社会の中で編集され、織り上げられていくものだとすれば、本イベントのように、一見異なる世界にすむ人々がこれからのローカルの物語を「共同編集」は可能ではないかいう考えに至りました。


その他議論のハイライト

00:24:54 最小の物語は「王が死んだ」
00:49:33 1000年前なんて「ごく最近」
00:57:51  SFは未来のリハーサル  SFは未来のリハーサル
01:03:04 ディストピア小説の役割
01:28:35 老子とTwitter
01:16:34 若者を「どうしようもねぇ」と思っていた
01:18:42 コロナ「禍」という違和感
01:49:36 人新世をどう乗り越えるか
02:04:06 縄文土器のもつパワー


今後の企画について

Next Commons Lab (NCL)では、今後も定期的にオンラインイベントを開催していく予定です。

月1-2回程度のペースでのイベント開催を予定しております。
ウィズコロナ時代の社会をどうつくるか、という大きな枠組みのなかで、テーマを設定します。

開催情報は Peatix にてご案内いたします。
Peatix上 Next Commons Lab アカウントのフォローをぜひ宜しくお願いいたします!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?