採用が成功している会社の思考とは?

僕はRPO(採用代行)業を行っていて、色んな会社から「人を採用してほしい」、「何をやっても採用できない」、「採用してもすぐに辞めてしまう」といったあるあるの相談を良く受けます。

このご時世、圧倒的な売り手市場で、採用する企業よりも求職者の方が有利なので、求職者は複数の内定先から良い条件の企業へ入社を決めていきます。


求職者が入社先を決めるポイントとして、給与、キャリアアップ、会社の雰囲気、人間関係、休日、労働時間などが挙げられます。


反対に求人を出す企業としては、上記のポイントを押さえて求人を出せば、一定数の応募者を集め、採用に繋げることができるのです(そう単純なことではありませんが)。

先日、相談を受けた会社は、地方の過疎地、給与は高卒並、年間休日は70日程度、肉体労働とそもそも求職者が働きたいと思う条件が全くありません。その会社との面談はオンラインだったので、社内の雰囲気や他の従業員のモチベーションまでは知り得ることができなかったので、この会社の良さを見つけることが出来ませんでしたが、求人票の情報だけでは、どんな手段を講じても、どんなに費用をかけて求人広告を出しても、応募者すら集まりません。また、運良く採用でいたとしても、条件に不満を持って長続きしません。


つまり、人材を集めよう、定着させようとする企業、それができている企業は、従業員の視点で改革を続けているのです。


会社名だけで応募者が集まる会社は別ですが、日本のほとんどの会社は中小企業で、会社名や事業内容が知られていない会社で、コンスタントに応募者を集め、従業員を定着させている会社は、表面(条件)だけ整えるのではなく、内部にも目を向け改革ができている会社だと思います。


この改革は、「変えよう」と思って直ぐに変えられるものではなく、時間をかけて変えていくものなのです。

つまり、人の採用・定着に困っていない会社・経営者は、早くからそこに気づいて手を打っているからこそ、この売り手市場の現代でも採用や定着に困っていないのです。

従業員が会社を辞める時には、多くの場合、家庭の事情や体調の問題、独立など理由を除くと、少なからず会社に不満があって辞めますよね。

従業員が退職の申し出をした時には、既に手遅れですよね。採用・定着が上手くいっている会社は、そうなる前に従業員のケアができているし、その仕組みができています。

この仕組みを構築するには経営者の考えも変えなければならない場合もありますし、仕組み化するにも時間がかかります。

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僕がRPOとして関わる会社には、目先の採用だけでなく、従業員がしっかりと会社に根付く仕組みも構築していきます。

給与や福利厚生などの条件面は会社の事情もあり、僕がどうこうできる問題ではありませんが、従業員同士の関係改善や、経営者と従業員の意識のギャップ改善などの面から支援を行います。

でも、採用の相談を受ける際に、ほとんどの会社はコストを抑えた採用をしたい。媒体にコストをかけても費用対効果に見合わない。一般的な経営者視点では当然のことですが、どの順番で、どこにコストをかけるのかが経営手腕だと思っています。

順調に採用や定着が進んでいる企業は、先行投資として給与を上げたり待遇改善を行い、内部の労働環境を整えていきます。そうすることで、既存の従業員のモチベーションも高くなり、生産性も向上し、環境の良い職場には応募者も集まりやすくなりという好循環が生まれます。

反対に、採用や雇用に関するコストを極力抑え、業績が上がったら待遇改善をしようとする会社は、そもそもいつ業績が上がるのか、いつ待遇が改善されるのかわからない状態で、従業員のモチベーションも上がらず、最悪の結果、離職につながります。従業員の離職が続くと、更に人手不足となり、業績も上がらず、更に採用にかけるコストが捻出できず、人が集まらないという負のスパイラルに陥るのです。


求人募集をかけても集まらない企業の大半が勘違いをしているのですが、求人票のタイトルや仕事内容をキャッチーなライティングにすることで応募者が増えると思っていますが、魅力的な文言で求人タイトルや職種、仕事内容を記載すれば、一旦は応募者の目に留まり、求人の中身を見てもらえます。しかし、その求人の中身が給与が低い、休日が少ない、残業が多いなどの記載があると、応募には至りません。

人は目に見える物には価値を見出しやすいですが、目に見えない物やサービスには物理的な物に比べると価値を見出しづらくなります。そのため、設備投資などにはコストをかけやすいのですが、雇用や採用にはコストをかけない経営者がほとんどなのです。

企業を営んでいくためには、人が動くことで成り立つので、設備やシステムなどの物理的な物にかけるコストよりも人に投資することが重要だと僕は考えます。


僕がこれまで採用で関わった企業の中で、継続して採用ができている会社、従業員の離職が少ない会社は「人」に投資をしている会社ばかりです。

とは言え、そもそもキャッシュが無い会社も多くあると思いますので、そんな会社は補助金や助成金を上手く活用して企業の中心である「人」に先行投資をしてみてはいかがでしょうか?

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