見出し画像

民主主義に対応する困難

岡田憲治 専修大学法学部教授 「世界は変えずに人々を発見する PTAと野党の交差点」に書かれていることを野党は実行できて来なかった。例外が山本太郎氏 れいわ新選組である。
有権者の心を掴み、投票に足を運ぶように働きかけることに野党は徹する。与党批判がそのために機能するのであればしても良いが、現実的にはこの7年間で機能して来なかった。つまり、現在の日本政治は学級崩壊している教室そのものなのである。虐めが横行していて、先生にそのことを伝えても、全く対処してくれないのである。そうであれば、更に虐めの報告をするのではなく、先生が重い重い腰を上げて、虐めをしている生徒を学級委員長から解任するために、先生を説得することである。

上記の例を読んだ8割の人は、先生が自分であるとは思っていないだろう。有権者は主権者であり、社会と政治家を監督する責任があるという国家の大前提が8割の人には共有されていない。問題は、その8割の人々から支持者を引いた何%の人々を山本太郎氏と立憲民主党が2021年衆議院議員選挙までに掘り起こすことができるだろうかである。

その数字については選挙プランナー等にお任せするとして、逆のことについて考える。有権者の心を掴み、投票に足を運ぶように働きかけること、つまり有権者が、政治家の発言を自分事として捉えて投票に行くように働きかけることを最も阻害する方法は何か。与党が不正をすることである。不正をすればするほど、有権者は政治から目を背け、投票率は下がる。「私が投票に行っても何も変わらない。」「野党はだらしない。」この2点を人々の頭に植え付ける、洗脳させることができれば、与党の勝利は確定である。

東京での都民ファーストの会の勝利、大阪での大阪維新の会の勝利は非自民の党による勝利なので、新しい動きが進んでいるかのように感じるが、全くそうではなく、現実的にはただの地域内与党勝利である。小池百合子都知事が公約達成ゼロを実現し、公職選挙法上の大問題を抱え、コロナ感染の現状報告でテレビに映ることで高齢者へのイメージアップを図り、東京オリンピックに対してリーダーシップを発揮せずにゴタゴタに巻き込まれ、4年前に選挙応援した政治屋が不正をするのを傍観し、自民党と選挙の密約をして、有権者を白けさせることが実現できたため、低投票率を実現した。そのため子分の樋口高顕(ひぐちたかあき)氏を千代田区長選挙で勝利させることが出来たのである。
ただ、チダイズム【選挙ウォッチャー】 千代田区長選2021・分析レポート。によると、樋口高顕氏は千代田区内での知名度が高いとのこと。何故知名度が高いのか、そして今後都民ファーストの会はどういう選挙をする予定なのかについて知りたいお方は、レポートを買いましょう。
知名度の高さが何票の獲得につながったかは選挙プランナーなら推量できるのだろうか。しかし知名度が高いことで、「あの人を何が何でも当選させたい!」という人が多ければ、投票率は前回から大幅に下がることはなかったとは言える。

選挙の特徴として複雑なのは、自民党国会議員が不正をすれば自民党有利に働くが、東京と大阪では自民党が与党ではないため、その2地域では自民党に不利に働くということである。しかし自民党は今後も積極的に不正を働き、全国の有権者を洗脳し続けるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?