見出し画像

メメント・モリ〜死を想え〜

「メメント・モリ」 私の座右の銘です。

メメント・モリ(羅: memento mori)は、ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘るな」「死を忘ることなかれ」という意味の警句。芸術作品のモチーフとして広く使われる。
(Wikipediaより)

私の中では、藤原新也先生の写真集「メメント・モリ」のサブタイトル「死を想え」という直訳が一番腑に落ちています。

とはいえ、決して暗い意味では捉えていません。

私自身は、「人間いつ死ぬか分からないんだから、日々生きている喜びを噛み締めていこう」「どうせ死ぬなら自分のしたいことをしよう」という前向きな解釈で捉えています。


私が最初にこの言葉を認知したのは、Mr.Childrenの楽曲「花 -Mémento-Mori-」です。

子供の頃から親の影響でMr.Childrenは聴いていて、この楽曲もよく聴いていました。ですが、いつも聴いていたベストアルバムの収録曲「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」「名もなき詩」「終わりなき旅」などのほうが印象が強く、この楽曲自体の印象は薄いほうでした。

社会人になってもMr.Childrenは相変わらず聴き続けましたが、25歳頃にふとこの曲を聴いたときの衝撃は忘れません。


当時、仕事や人間関係がうまくいかず、相当悩んでいました。また、このまま会社員生活で何もせずに人生過ごしていいのかと日々思い悩んでいた時期でした。

そんな時にこの曲を聴き、歌詞の内容と当時の思いがリンクしていて、この曲は今の自分のことを唄っているのだと衝撃を受けたことを覚えています。

この楽曲のことが気になり調べると、サブタイトルの意味や、桜井さんが藤原新也先生の写真集「メメント・モリ〜死を想え〜」に影響をうけて制作されたことを知りました。

なお、この「メメント・モリ〜死を想え〜」には、私の大好きなバンド「andymori」のボーカルである小山田壮平さんも影響をうけたそうです。(バンド名のmoriは、メメント・モリから文字ったようです)

言われてみれば、andymoriの楽曲にも似たような死生感を感じる楽曲が存在します。


その後、たまたま図書館で藤原新也先生の「メメント・モリ」を見つけたので内容を拝見しました。

記載されている写真や言葉は衝撃的なものが多く、見ていて一瞬目を逸らしたくなるものもありました。

しかし、読み終えた後に思ったのが「死」は決して目を背けてはいけないものであり、「死」を感じることで日常に深みが出てくるのだということです。

一見衝撃的な内容ですが、そういったメッセージ性が込められていて、それが読者にしっかり届いているからこそロングセラーになっているのだと思いました。

同時に、村上春樹先生の『ノルウェイの森』にも「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」と書いてあったことを思い出しました。両方とも似たような死生観を感じます。

私自身も、「死」は身近にあるものだという死生観には共感できるところがあります。


私は高校2年生の夏休みに、突然友人を亡くしました。

その友人とは同じクラスで仲が良く、休み時間や教室移動ではいつも一緒で他愛もない話ばかりしていました。

夏休み中に会うことはありませんでしたが、夏休みが終わればまた普通に会えるのだと思っていた矢先、その友人は海難事故で突然亡くなってしまったのです。

TVニュースでそのことを知ったので当時の衝撃は大きく、そのショックから3日間はなにもする気になれませんでした。

その後はなんとか立ち直り、今でも毎年命日近くには墓参りに行っています。

その度に思うのが、人間いつ死ぬか分からないなということです。

当たり前のように何気なく日々を過ごしても、もしかしたら終わりがくるかもしれない。何気ない日々を過ごせているということは実はとてもありがたいことなのだと、墓参りの度に思い出させてくれます。


そういった経験を経て、20代中盤の色々と悩んでいた時期にMr.Childrenの「花 -Mémento-Mori-」を聴いたことで、自分はなんてことで悩んでいるんだ、生きたくても生きられなかった奴がいたじゃないか、もっと自分らしく生きてみようと思うきっかけになりました。

そう思えたことが、私のこれからの目標につながりました。

座右の銘である「メメント・モリ」には、そういった思いが込められています。

序盤にも書きましたが、決して暗い意味で捉えていません。

「人生、死ぬまでの暇つぶし」という名言(?)もありますが、「メメント・モリ」と根底は同じだと思っています。

どうせ一度きりの人生なら、しょうもないことで悩まずに、自分らしく生きようという前向きな捉え方ができるかなと思います。


それでも悩んでしまうような時は、Mr.Children「花 -Mémento-Mori-」の歌詞を思い出して、一度立ち止まって深呼吸でもしてみます。

「ふと自分に 迷うときは 風をあつめて 空に放つよ 今」


乱筆にて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?