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自律神経失調症と、共に生きる(前編)

今回も、今の自分について記事を書いてみようと思います。

タイトルの通り、私は「自律神経失調症」を患っています。

まず前置きとして、「自律神経失調症」は正式な病名ではなく、自律神経の乱れや不調によって起こる身体症状の総称を指すようです。

私の場合も、医者から「自律神経失調症のような症状が出ているね〜」と言われましたが、正式に「自律神経失調症」と診断されたわけではありません。しかし、実際に全身が不調でかなりしんどく、いちいち説明するのも面倒くさいので、周りには端的に「自律神経失調症」と言っています。

一番症状がひどかった時期から数年が経過し、当時よりは幾分快方しているものの、いまだに体調が不安定であり、今振り返っても苦しい日々でした。

正直、思い出すと辛いものがありますが、病気を患ってから現在までを振り返り、この記事に記録したいと思います。同じく「自律神経失調症」で苦しんでいる人がこの記事を読んで、辛いのは自分だけじゃないよ、一緒に頑張ろう、と思ってもらえたら嬉しいです。

なお、非常に長くなってしまうので、前編と後編に分けて投稿したいと思います。

前編は、症状が出てから心療内科に辿り着くまでの奮闘記になります。



体だけは丈夫と思っていたのに、何かがおかしい…

記憶のある限りでは、これまで大きな怪我や病気を一切したことがありませんでした。ちょっとしたことでは体調を崩さず、テニスをガチで取り組んでいたこともあり体つきは筋肉質なほうで、食欲も旺盛でした。

今から3年前の初夏だったと思います。食欲はあるものの、なぜかすぐお腹がいっぱいになるようになりました。そのときはなにも心当たりがなく、すぐに良くなるだろうと気にしていませんでした。

しかし、次第に食後の胃もたれや吐き気までするようになり、それが常に何日も続きました。市販薬を服用しても回復せず、流石におかしいと思い、通っていたクリニックへ行きました。

人生初の胃カメラをした結果も大きな異常はなく(見た目の異常はないが、若干の胃酸過多でした)処方された薬を服用しながら様子を見ることになりました。

それから約2ヶ月間は、症状がよくなったり悪くなったりの繰り返しで、改善しているようには全く思えませんでした。十分な食事がとれず、周りにも心配されるほどでした。

こんなことは初めてだったので次第に不安になり、自分でも症状について調べるようになりました。その時はいわゆる「機能性ディスペプシア」なんだろうと思い(その後クリニックの先生にも正式に診断されました)自分なりにも症状を緩和するための食事制限や運動などをしていました。それでも、症状がよくなる気がしませんでした。

生きている心地がしなかった

症状が現れてから3ヶ月ほど経ったある日、夕食後に急に吐き気がし、戻してしまいました。これまで具合は悪かったものの、ここまでひどいことはありませんでした。

翌朝、水を一杯飲んだだけでもひどい胃もたれと吐き気が起こり、これはヤバいと思い、クリニックに行きました。

一度検査してもらったほうがいいと、地域の総合病院を紹介してもらい、その日のうちに血液検査やレントゲン、CTをとったりと様々な検査をしました。

その日先生に診断された病名は「上腸間膜動脈症候群」簡単にいうと、腸の上にある動脈が腸を圧迫して流れを悪くすることで起こる諸症状のことです。体脂肪が少ない痩せ型の人にみられる病気だそうです。

心当たりはないものの、病名が分かり一時はホッとしました。しかし、問題はここからです。

この病気は、太れば治ると先生は言うのです(腸と動脈の間に、クッションとなる脂肪がつけば症状が緩和する)

いやいや、水もろくに飲めないのにどうすればいいんだよ。少しキレて、そのまま言った記憶があります。

すると、「ラコール」という結腸栄養剤を2週間処方されました。飲むカロリーメイトの医療用みたいなものです。

ちなみに、結腸栄養剤はカロリーや味などで様々な種類があり、「ラコール」のカロリーでは不十分とのことで、さらにハイカロリーな「エンシュア」に変えましたが、体に合わず腹を下したので最終的に「イノラス」になりました(専門的ですいません。そして、飲まないほうがいいです)「イノラス」のヨーグルト味だけは、今だに鮮明に思い出せます。

引用元 https://www.otsukakj.jp/med_nutrition/dikj/menu1/hoso/000938.php


先生からは1週間経てば良くなると言われ、希望をもってなんとか耐えたものの、全く良くなりませんでした。

そこから約1ヶ月間は固形物が一切とれず、流動食のみで生きていました。体重が10kg落ちてしまい、筋肉もほとんどなくなり、今思い出しても地獄の日々です。

ただ、面白いもので、人間は経腸栄養剤を飲むだけでも生きていけるみたいです。少なくとも、私は約2ヶ月間生きることができました(笑)

なんとか食事ができるように努力し、重湯や擦りおろしりんごなどをとるようにしました。少しずつですが固形物をとれるようになり、年末には昭和初期みたいな量の食事(想像にお任せします笑)が出来るまでには回復しました。

ですが、年が明けてしばらくたっても元の体調には戻らず、少食レベルの食事はできるものの、胃もたれや吐き気がたまにあり、一向によくなる気がしませんでした。病院の先生に相談しても、いずれ良くなると言うだけでこれといったことはなく。

思い返せば、食事ができない人に対して食べれば治ると言ったり、ヘロヘロなのに栄養剤の入った段ボールを何箱も持たせたり(結構重いんです)、1週間で良くなると言って良くならないともう2週間と無責任なことを言ったりと、次第に先生のことを信用しなくなっていました。

また、食事がまともにできず具合が悪い時期が約半年も続き、不安とストレスがハンパなかったです。

なんとかしないとという思いで、自分でも色々と調べました。特に、初期に診断された「機能性ディスペプシア」がどうもひっかかり、かなり細かく調べました。

調べると、「機能性ディスペプシア」はストレスや体質も大きく関係しているとあり、原因や症状をみると心当たりがいくつもあったので、藁にもすがる思いで、自宅から一番近い、総合病院とは別の心療内科のクリニックを受診することにしました。

病院はしごの末、心療内科へ

結果として、心療内科を受診して正解でした。

心療内科の先生曰く、自分のこれまでの症状について、総合病院の診断もあるかもしれないが、上腸間膜には自律神経に関わる部位がたくさん通っていて、自律神経の不調によって影響を受けることがあるとのことでした。

これらのことは自分で調べても一切書いていないことだったので、先生の言うことを聞いて、なるほどなと思いました。

また、症状が長く続くことにより、ストレスや不安、気持ちが沈んでいる自覚があることも告げたうえで、少しずつ良くしていこうと声をかけてくれました。とても物腰が柔らかく親身に話を聞いてくれる先生だったので、選んだクリニックも正解だったなと安心しました。

主に心に作用する薬を処方してもらい、心療内科に通う生活が始まりました。

薬を服用しながら、積極的に運動をし、十分な睡眠をとり、健康的な食事をし、とにかく体に良い生活習慣を送り続けました。上司にもかなり心配されていたので、心療内科を受診したこと伝え、仕事を少しセーブさせてもらうことにしました。

その時々は実感しませんでしたが、次第に症状が安定し、春頃には人並みの食事ができるようになるまで回復しました。

初期に比べれば胃腸症状は格段によくなりましたが、昔のようにたくさん量を食べることはできなくなり、今でもたまに胃もたれや吐き気があることがあります。

また、その後は全身に症状が現れるようになり、結果的に現在まで医者に通い続けることになるのでした。

思い返せば、きっかけはあった

初期症状が出るまでの何ヶ月間かは、とにかく無理をしていました。平日は一生懸命働き、休日は毎週のように仲間と遊んだりテニスをしたりライブ遠征などで県外に行っていたため、全く休んでいませんでした。自覚はありませんでしたが、実は身も心も疲弊していたのかもしれません。

また、初期症状が出る約半年前に感染性胃腸炎になり、何日も寝込んでいたことがありました。調べると「機能性ディスペプシア」は感染性胃腸炎が引き金で発症することがあるらしく、因果関係も否定はできません。

さらに、小学校の頃にも似たようなことがあったのを思い出しました。食後の吐き気が何日も続き、食事が十分にとれず、病院で点滴を受けたことが何回もありました。その時は、気がつくと症状がすっかりなくなっていて、最近までそんなことがあったことも忘れていました。
心療内科の先生にそのことを伝えると、自律神経が過敏に反応する体質だと、定期的に症状が出ることがあるとのことでした。

自分の症状について不明確な部分が多かったのですが、日常生活の負荷、引き金、体質が重なった結果、このような症状を引き起こしてしまったのだと腑に落としています。

それがまさか、2年経った現在まで尾を引いているとは…


続きは、後編で。


乱筆にて


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