旅のつばくろ
この記事をご覧いただきましてありがとうございます。
今回の題名について、2020年に発売された沢木耕太郎先生のエッセイ集「旅のつばくろ」であります。
世界を旅する紀行小説「深夜特急」でお馴染みの沢木先生による、JR東日本新幹線の車内誌「トランヴェール」で連載されていた国内旅エッセイを収録した書籍になります。
その後、2022年には「飛び立つ季節-旅のつばくろ」が出版され、現在同シリーズはこれらの2冊が展開されています。
そして、この本こそが、私のペンネームである「つばくろ」の由来であり、その後の人生に大いに影響を与えたのです。
この本を読んだことで、人生が90°変わりました。180°ではないのが肝です。だとしたら、私は今頃バックパッカーとして世界のどこかに行っているのでしょう。
今回、書籍の具体的な内容説明は省略しますが、
"自由に、気の向くままに、行きたい所に行き、歩きたいところをただ歩く、幼き日の旅の再構築、旅先での出会い、旅の性善説…"
そんな著者の様子に私はとにかくワクワクし、次第に私もそんな人生に憧れを抱くようになりました。
今振り返れば、あまり深く考えずにとりあえず行きたい場所に行ってみようという持ち前のフッ軽マインドは、この本を読んだことで形成されたのかも知れません。
あまり海外に興味がない私にとっては、この国内旅エッセイというのがちょうどいいスケール感で気楽にスルッと読めたのも、この本の魅力に惹かれた理由の1つです。
もっと言うと、2023年3月、私がまだ仙台に住んでいた頃、青森県は津軽半島の最北端である「竜飛崎」に交通機関を乗り継いで訪れたことがあります。
この場所もまた、沢木先生が著書の中で訪れていた思い入れの強い場所のようであり、それ故に私もずっと気になっていて、東北を離れる前に一度行ってみようと思い、遠路遥々訪れたという経緯があります。
読んでいるだけでも旅をしているかのようなワクワク感を味わうことができますが、実際に足を運ばせてしまう誘導力もこの書籍は持ち合わせています。
*
「旅のつばくろ」の影響は、その後の私の人生にも大きく影響していきます。
私が長年勤めてきた会社を辞め、将来の目標を実現させていく過程で、好きな場所である尾道に移り住んだという流れは、これまでにもnoteへ書いてきた通りです。
細かい経緯は幾つかありますが、何よりも、もっと自由に人生を送っていいのではという事を、この本から学んだような気がします。
前職に勤めている間も、休日を利用して遠くに旅行をしたりなどで足取りは軽いほうだと思っていましたが、いざサラリーマンというしがらみがなくなると、こんなにも自由なのかと。
行きたい所に行き、やってみたいことにどんどん挑戦し、会いたい人に会って、出会うべく人と出会う。
それらに付随して、尾道に移住したことで未開の地であった西日本に足を踏み入れたことにより、東は京都、西は福岡、南は高知、北は島根まで行くことができました。
フリーになったことで行動範囲が大きく広がったことは紛れもない事実であり、小さい頃から旅が好きだった私にとってはこの上ない喜びです。
もちろんサラリーマン生活も楽しかったですし、メリットも沢山あります。正直今でも、サラリーマンの方が収入も気持ちも楽だよなと思うことがあります。
ですが、人によって向き不向きがある中、私はどうやらフリーのほうが向いているようです。
サラリーマンを辞め、尾道へ移り、フリーターとして過ごしてきたこの1年間、収入以外の全てが私の周りにはありました。
きっと、どこかのタイミングで、サラリーマンを辞めたことへの後悔がのしかかると思っていたのですが、結局それは一度もありませんでした。
つまりは、そういうことなのかなと。
*
当初の予定では、尾道には数年居ようと考えていたのですが、結果として1年で出ることになってしまいました。
その結論に至った背景は、これまでnoteに書いてきていますので、今回は省略いたします。
決して尾道が嫌いになったわけではなく、むしろこの1年間でもっと好きになりました。
尾道に限らず、広島やしまなみ海道といったエリアの自然・文化・人が好きになり、ここから離れたくないという想いもあります。
ですが、今はプロのバリスタになるという夢がある以上、それを叶えられる場所があるのであれば、心を鬼にしてそちらを優先します。
その想いの裏にも、きっと「旅のつばくろ」を読んで感じたような、場所を選ばない自由な心が私の中にあったのでしょう。
側から見れば、心変わりの激しい自分勝手で飽き性な人間に見られているかもしれません。
多分、昔の自分だったら、そういった周りの目に萎縮していたかもしれません。でも、今は不思議と何も気にならなくなりました。
恐らく、今の私の周りにはいい意味でゴーイングマイウェイな人が多いから、自然と私も影響を受けているのかなと。やはり人は周囲の環境で大きく変わります。
ありのままの自分で居続け、あくまでも自由に気の向くまま、その時々のご縁を大切にどこへでも行ってみようと思っています。
もちろん、尾道にはとてもお世話になりましたし、また帰ってきたい街です。
私なりに尾道との関わりしろを探しながら、少しでも立派になって、お世話になった恩を返すために戻ってきます。
というわけで(どういうわけ?笑)、これまで何とか頑張って続けてきたnoteについて、記事作成を一旦終了します。
元々は、移住における私なりのプロセスを紹介しながら、その時々の心境や身の上話などを書いてきましたが、今後移住が人生の主軸にならなくなる以上は記事作成を継続する必要性がなくなると考えたからです。
もちろん、noteを書く時間はとても楽しかったのですが、今後はその時間を次の目標のために当てたいと思います。
とはいえ、1年以上も継続して記事を書き続けたという素晴らしい習慣が身についた故、また何か書きたくなったら投稿しますね。
そして、みなさんの投稿は引き続き楽しく読ませていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします🙇♂️
では、一旦さようなら👋
乱筆にて
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?