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心に刻む言葉 - Vol.3

神田明神で見つけた、お守り、『屹度叶守』(きっとかなう守り)。

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2012年の12月に入って、間もない頃だった。私は、クライアントのオフィスでフリーランサーとして仕事をしていた。

LINEからの電話で、東京の姪からだった。「おじいちゃんが、入院したんだけれど、ずっと意識がないまま眠ってる。」

気管切開の選択を、医師から訊かれていて、私の姉が、ニューヨークに妹がいる事を説明して、ひとまず私が来るまで待とう、という事にした。そう、姪が説明を付け加えた。

とても動揺しながらも、来るべき時が来たのかな、と思ったりしていた。それと同時に、今乗れる直行便は何時だろう?そんな事も考えていた。

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結果、当日の最終便を確保し、二匹の犬の面倒を見てくれる手段も見つけ、4時間少しで全てを、手配した事になる。今思えば、こういう事を「火事場の馬鹿力」というのだろうか、と思ったりする。

その後父は回復し、クライアントもとても協力的に、「家族より大事なものはない。」と言ってくれたおかげで、5週間少しを、家族のもとで過ごす事ができた。ほぼ、毎日の様に実家から父の入院先へ通い、一緒の時間を過ごした。とても感謝している。

こんな状態で、2013年を迎えて、あまりお正月らしい雰囲気もなかったけれど、姉夫婦が気晴らしにと、上野、谷中、神田へ案内してくれた。

神田明神へお参りした時に、この黒いお守りが目を引いた。表に書いてある、「きっと、」という文字が、何故かとても心地よく響いた。

「願っている事が、きっと叶うよ。」姉が側で言った。

私は、その時「父に、いつまでも元気でいて欲しい。でも、そんな勝手な事は、ありえない。」そう思っていた。

父の容態も落ち着き、私はその後、いったん、ニューヨークへ戻ったが、2週間も経たないうちに、再び日本へと帰ることになった。

1月23日、父の危篤の知らせを受けて、ひと月半ほど前と、全く同じ事をもう一度繰り返した。ただ違う事は、JFK空港へ向かう車の中で、父が息を引き取ったことを知った。

決して叶わないことが、自分の人生にはある。この世の中にもある。

悲しくて、切なくて、辛い。

どうしようもない事を、どうするのか?

それは、考えなければならない。乗り切らなければならない。吹っ切らなければならない。

そんな時、思い出したい。『きっと、・・・。』

どんな言葉を当てはめるのかは、自分で好きなように決めたらいい。

『きっと、叶う。』『きっと、うまくいく』

私は、このふたつが好きだ。


追記:読んで頂き、ありがとうございます。

他に2つの『心に刻む言葉』を書きました。お時間あれば、ご覧下さい。


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