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自己紹介⑩ 借金で心が貧しくなり他者依存にも限界が来た人生ドン底時代

2008年3月20日、僕はセミナー講師としての人生を歩み始めました。その1か月後に父の会社を辞め、セミナー講師として起業します。引っ越しもしました。山手線沿いの家賃8万8千円の部屋は、起業したてでお金を稼げるかどうかも分からない僕にとって分不相応。しかし、少しでも成功しているイメージを持った方が良い、というポジティブ思考のアドバイスを真に受け、その部屋で暮らすことにしたのです。

起業して最初の一年は、バンド時代のつてを頼り、テレアポの仕事をしながら、夕方からはセミナー講師として活動していました。生活にそれほど余裕があったわけではないですが、男一人暮らしていくのに不自由ないくらいには稼いでいました。セミナーもある程度は集客ができていて、月5万~10万円ほどの売り上げはあったのです。一番最初は、3000円のセミナーを少しずつ値上げ。2時間セミナーを1日セミナーに拡張。最終的に、

3000円のフロントセミナー
 ↓
20000円の1日セミナー
 ↓
90000円のコーチングセッション(3か月)

という導線を作り、コーチングセッションまで受けてくれる人もちらほらいました。

これならいけるかも!

そう期待したのですが、それは大きく外れます。次第にフロントセミナーの参加者が減っていきました。その理由は、『リスト枯れ』。つまり、その時に持っているリストには、もう僕のセミナーに参加する人はいなくなったということです。

その当時の僕は、通っていたコーチングスクールの運営を手伝い、トレーナーとしてメイン講師の代わりに講義を務めるようになっていました。その時の受講生たちが僕のセミナーに参加することがほとんど、というか全員だったんですね。結局僕は、そのコーチングコミュニティの中でしかセミナーに来てもらえず、コミュニティの外側からお客様を連れてくるということをしていませんでした。僕のセミナービジネスは、そのコミュニティに完全に依存していたのです。

誰もセミナーに参加しなくなりました。そこから僕は、いろんなセミナーに参加します。その時の僕は、

セミナー参加者が減っていった理由は、僕のセミナーのコンテンツが飽きられたからだ!

と勘違いしていたので、いろいろなセミナーに行って、コンテンツを仕入れてこようと考えたのでした。アンソニー・ロビンズのセミナーを受講しに、オーストラリアやアメリカに行きました。もちろん借金をしてです。その甲斐もあって、日本ではまだ学べないコンテンツも学ぶことができました。そこでまた、コーチングコミュニティでセミナーを販売します。少し売れます。でも、すぐに売れなくなります。値段を下げて販売してみます。売れません。最終的には、フロントセミナーを無料にしましたが、だれも参加しませんでした。

その頃の借金は数百万に上っていました。しかし、働いていたテレアポの仕事も契約が切れ、無職。セミナーも売れない。収入がありません。毎月88000円の高い家賃が重くのしかかります。携帯が止まることもしばしば。家賃滞納で大家さんに怒られ、毎日、督促の電話とポストの督促状。それでもなんとか、セミナーを売って生活を立て直そうと思いますがうまくいきません。偉そうなことを言って父の会社を出た手前、親に相談もできない。やがて、コーチングスクールの友達に借金するようになります。もちろん返す当てはありません。潜在意識に問題があるだと思い、潜在意識をクリーニングする音楽を聴きまくります。公園にいってアファメーションを声に出して唱え続けます。なにも変わりません。家にあるものをヤフオクやブックオフで売り、少しでもお金を作りました。それでも足りない。食べ物を買うお金がないので、海外のセミナーに行って貯めたマイルをコンビニで使えるEdyポイントに換金。そのポイントで100円のパスタを買って食いつなぎます。

お金が欲しい……

心がドンドン疲弊していきます。自動販売機を見かけては、お釣り口に指を突っ込んだり、機械の下をのぞき込みます。振る舞いがドンドン惨めになっていきました。

お金が欲しい……

道を歩く子どもや老人を襲って、金品をぶんどってやろう、という衝動にかられます。さすがに実行には移しませんでしたが、それだけ僕の心は追い詰められてました。この状況から逃れたい。その一心でたどり着いたのが、神社です。神頼みになっていきました。パワースポットと呼ばれる神社に行って、瞑想し、パワーを貰う。そんなことを始めたのです。パワーストーンに興味を持ち始めますが、もちろん買うお金はありません。こうして僕は、セミナー依存、コミュニティ依存に続いて、スピリチュアル依存になっていったのです。

そんな依存体質だった僕にも、限界が来ます。

もう甘えたことやってる場合じゃねぇ!

しっかり働いて、お金を稼いで、生活を立て直しすることにしました。セミナービジネスをすることに執着してもどんどん惨めになるだけだし、ここは一回、生活を立て直して、セミナービジネスを仕切り直そう。そう心に決め、仕事を探し始めました。そして、しばらくセミナーの自主開催をすることも止めました。誰かのセミナーの手伝いはしても、自分のセミナーはやらない。そう決めたのです。

職探しを始めて間もなく、仕事が決まりました。その会社は、オフィス文房具をメインに取り扱っているのですが、オフィス家具も取り扱っています。サービスのひとつとして、オフィスの間取りの中にオフィス家具を置いたCGが見れるというのがあるのですが、このCGを作成するのが僕の新しい仕事でした。この仕事、オフィスの平面図を読みCGにしていくのですが、父の会社を手伝っているときに平面図は嫌と言うほど見てきました。なんだったら、平面図を見るだけで、その部屋の雰囲気を頭の中で構築できるくらいです。そのスキルが、ここにきて役立てることができたのです。人生は、面白いものです。

結局僕は、この仕事を2年半ほど続けるのですが、この仕事は生活を立て直してくれただけではなく、のちに僕のビジネスを大きく育ててくれることに繋がっていきます。

続く



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