見出し画像

自己紹介⑫ 自分の理想のためコミュニティから参加者を追い出した

お金が欲しい……

借金まみれで首がまわらなくなり、ついには自己破産手続きを開始した僕。新しい仕事も見つかり、ようやく人生の立て直しが始まりました。平日朝9時から夕方18時まで派遣社員と働きながら、空いた時間に友人のセミナーを手伝います。自分のセミナーは一切やらない。未来のために力を貯める。そんな充電期間が1年半ほど続きました。

実はこの充電期間に、セミナー講師になることをやめようと思ったことが何度かあります。というのも、この期間の心の安定感が半端なく心地よかったんですね。素敵な職場で、仕事も楽しい。安定してお給料もいただける。自分のセミナーはやっていないけど、友人のセミナーを手伝っているし講師もやっている。この状態があまりにも心地よかった。心地よすぎた。だから、このままでも良いかな、って思ったんですね。でも、なんだかんだ言ってやっぱり自分のセミナーをすることをやめることはできませんでした。シンガポールの世界トップスピーカーが僕に与えたあの衝撃。僕が彼らのようになるのをやめることはできませんでした。

僕の充電期間も1年半で終わりを迎えました。東日本大震災と派遣契約の終了が重なり、2011年6月でその仕事を終了。その後、友人のセミナー運営を2か月間の短期サポート。お給料もいただけることになりました。しかし、2か月後にはまた収入がゼロになってしまいます。さて、どうしたものか? またどこかに派遣社員として雇ってもらうか、それともいよいよ自分のビジネスを再スタートさせるのか? そろそろ自分のビジネスをしたい気持ちもありますが、以前のようにお金に困り、心まで貧しくなりたくはありません。どうしても以前の苦しみが、フラッシュバックで蘇り、心がキュッっと苦しくなるのです。もう二度とあんな苦しみは味わいたくない。でも、そろそろ前に進みたい。そんな葛藤が続き、答えが出せずにいました。

そんなある日、以前お世話になったコーチングスクールのメイン講師の方から連絡を頂きました。久々に登壇してみないか? というお誘いです。以前の僕は、このコーチングスクールのコミュニティに依存していました。だから、自分の生活を立て直す時に、ここのサポートを一切やめたんです。ですから、メイン講師の方とのやり取りも久しぶりだし、登壇となると2年ぶりくらい。これもなにかのご縁ということで、トレーナーとして登壇させていただくことになりました。これが、新しいビジネスへの大きなきっかけとなったのです。

2年ぶりの登壇。すごく楽しかった。受講生はみんないい人で僕を温かく受け入れてくれたし、講義も真剣。懇親会でも積極的に僕に声をかけてきてくれました。受講生たちと色々な会話をしているうち、僕はあることに気が付きます。

セミナー講師になりたい人が多い

そこに気づいてしまった。で、僕は考えます。セミナー講師になりたい後輩たちに、僕が何かしてあげられることはないか? ここ数年の僕の歴史を振り返ると、セミナーに関する経験値、知識というのは相当なもの。そこで、彼らにセミナーをつくるためのセミナーをすることにしたのです。参加費は、2時間で1万円。これまでにやったことがない価格設定です。内心ドキドキしながら後輩たちにセミナーの案内をしたところ、申し込みが殺到。東京だけではなく、名古屋、博多でも開催することになり、3か所合わせて約40名ほどの方が参加してくれました。

どんなに頑張っても、これほどの反応はこれまでに一度もありません。正直、3,4名くらい参加すれば良いかなと思ってたのですが、ふたを開けてみれば想像の10倍以上の反応。頭が追い付きません。でも、でも、とても嬉しかった。調子に乗った僕は、バックエンド商品を販売することにチャレンジすることにしました。ワンデーセミナーで10万円。これまたデカく出ました。しかし、東京会場の参加者18名中17名が申し込む事態となりました。事件です! これは事件です! 僅か2時間のセミナーで売上170万円! バックエンド成約率87%! これまで体験したことのない成果に、自分でも驚きが隠せません。でも、これは紛れもない僕に起きた出来事でした。

その後、僕は、後輩たちがセミナーのつくり方を学び、講師デビューできるように『セミナービジネス実践会』という勉強会を毎月開催し、コミュニティにしていきました。すると少しずつ参加者が増え、多い時には20名ほどが参加するまでになりました。以前のようにリストが枯れないよう、コーチングスクールのコミュニティの外側にもアクションを起こすようにしたのですが、あまりうまくいきません。よくよく勉強会を観察してみると、コーチングスクールのメンバーが多くいて、仲間内が多く、ビジターがあまり入り込めない雰囲気になっていることに気が付きました。さらにひどいことに、セミナー講師になるつもりが全くないのに、懇親会に参加するために勉強会に参加してる人もいました。その人は、仲間と一緒に酒を飲む口実として勉強会に参加していただけ。これでは、セミナー講師になる勉強がしたくて参加した人が、その後に定着しないのも無理はありません。それもこれも、僕のコミュニティ運営の甘さからきたものです。なので、僕は勉強会を作り直すことにしました。

セミナー講師になるつもりがない人は、もう来ないで欲しい

そう伝えたところ、次の月から参加者はゼロになりました。これまでずっと参加し続けてくれた人も来なくなりました。厳密にはゼロではありません。勉強会の立て直しを手伝ってくれる友人が2人いたので、僕合わせて3名だけが残り、それ以外の人は参加しなくなってしまいました。

かつては20名以上参加していた勉強会も、今は運営関係者以外ゼロ。でも僕は、それでも良いと思いました。だって、あの勉強会は僕の目指した勉強会じゃないから。僕が目指すのは、セミナー講師になりたい人たちが互いを刺激しあい、高めあえるコミュニティであり、勉強会です。例え参加者が増え、お金が稼げたとしても、僕の望まないことをし続けたら、やがて苦しむことになるのが分かってましたから、早いうちに勉強会を作り直すことにしたのでした。

こうして、ようやくお金が稼げるようになったのですが、僕自身の理想のために自らの手で収入を減らしていくことになったのでした。しかし、ここがビジネス発展の大きなポイントになるのでした。

続く


この記事が参加している募集

いただきましたサポートは、火星でセミナーをするための研究開発に大切に使用します! あたたかい応援、よろしくお願いします!