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【コラム】夏と吹奏楽と平和

こんにちは!代表です!

 今年も暑すぎる夏が始まりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?


 吹奏楽経験者の方々は、「夏」と聞くと、中学高校時代の吹奏楽コンクールを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。何を隠そう私もその一人です。

 朝から夕方まで、たった2曲(または1曲)に真剣に向き合いひたすら練習する、あの季節をたまに懐かしく思います。


 が、今回はそんなイメージとは少し違った切り口で、「夏」と「吹奏楽」を見つめてみようと思います。


 私、代表が育った広島県広島市は、毎年夏になると、街全体の雰囲気がある一つのトピックに向かっていきます。それは「平和」です。

 太平洋戦争末期の1945年8月6日、広島市に原子爆弾が投下されたことは、小学校の社会科の授業で習ったことと思います。

 たった一発の爆弾によって、同年末まで14万人以上が犠牲になったこの出来事は、市民の心と身体に深い傷跡をつくるとともに、平和への強い願いを生みました。


 原爆投下から80年近くが経とうとしている今も、毎年8月になると、市内各所で平和への願いを込めたイベントやワークショップ、演奏会などが開催されます。街全体が祈りの雰囲気に包まれます。



 そしてその祈りの集大成が、8月6日の朝、平和記念公園で行われる平和記念式典。ここでは、毎年厳しい暑さの中、市立高校の吹奏楽部員が式典音楽隊として演奏をします。


 広島県の吹奏楽コンクールは毎年8月10日前後と、地区大会のない都道府県の中では、比較的遅めの時期に設定されています。
 そのため、音楽隊の吹奏楽部員は、式典に向けて大会直前にコンクールの曲以外を何時間も練習し、そして8月6日の朝には、暑い屋外で何十分も演奏するということになるのです。

 当時、私立高校に通っていた私は、毎年練習に出かける前にテレビで式典を見ながら、画面の中で演奏する彼ら彼女らの姿に、心から尊敬の念を抱いていました。


 私の父親も市立高校の吹奏楽部出身で、かつて音楽隊として式典で演奏した経験があります。当時のことを振り返ると、暑さ、そして年によっては雨にさらされながら、やはりとても過酷な環境での演奏だったといいます。


 それでも、戦時中の子どもたちと、吹奏楽に取り組むことができる今の自分達の環境を比べると、とても文句を言うことなんてできなかった。むしろ、ああいう場で演奏できたことは、かけがえのない大切な経験だったと、父は話しました。


 私も毎年この時期は、陳腐な言葉かもしれませんが、当たり前のように音楽ができることの素晴らしさを感じながら楽器を演奏しています。これは、高校を卒業して関西に来てからも変わりません。


 想像しても分からないかもしれない、発信しても届かないかもしれない。けれど、平和に向かう気持ちだけは忘れずに持ち続けていたい。そうすればきっと、79年前に生まれた平和への願いを、自分もつないでいくことができるから、そう思っています。


先日訪れたとある練習場所


 今年もジリジリと日差しの照りつける中、楽器を背負って練習場に向かう季節がやってきました。当たり前のように楽器を吹いて、当たり前のように仲間と一緒に演奏ができることに感謝して、今年の夏も音楽を楽しみたいと思います。


以上、代表がお届けしました!

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NEW-S Wind Ensemble
2025年1月11日(土)夜公演
西宮市民会館アミティ・ベイコムホール


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