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プロダクトも組織も学びも、本質はアンラーン 【プロダクトデザインリーダー 鳥居大】

デザイナーがデザイナーを紹介する企画「NewsPicks Designers」。
第5回目は、NewsPicks Product Design チームリーダーである 鳥居 大 さんです。プロダクトデザイン組織のリーダーでありながら、NewsPicksトピックス開発チームのPdMでもあります。プロダクトに対する想いや、デザイン組織について語っていただきました。

鳥居 大(とりい だい)
事業会社で新規事業責任者、デザイン組織マネージャーを経て、2017年に Quipper Limited へ入社。VP of Design として国内ではスタディサプリ、グローバルでは Quipper のデザイン組織を統括。 2021年10月に NewsPicks 入社。土日はバンド活動と子育てに勤しむ。
🕊Twitter: @daitorii

ー2021年の10月入社でしたが、実際はそれ以前から業務委託で関わっていらっしゃったんですか?

そうですね。同年5月から業務委託で関わっていて、週一回CTO/CPOの文字さんの壁打ち相手として会話してました。その後、NewsPicks トピックスの開発がスタートし始めたときにプロジェクトに参画して、ディスカッションとデザインディレクションに関わるようになりました。

実は2018年にUzabaseに入社する予定だったのですが、その時は色々あってお断りしまして(笑)3年後の2021年、稲垣さんから「最近どうですか?」と声をかけてもらって改めてやりたいと思い、入社した経緯があります。気になる方は次の記事を読んでいただければと思います。

ー ニューズピックスの役割についてどう考えていますか?

私があってほしい未来は、NewsPicksを通して学びを深められて、その人の成長に繋がっていくこと。受験勉強とは異なる「考える力」を身に付けるために有用なサービスであって欲しいと思います。

外から見たNewsPicksってすごくマッチョな印象で、たとえば「意識高い系」と言われたりもしています。実際そういう面もあると思うんですよね。ただ、みんながみんな前向きで、社会の動きをキャッチアップしたい意識を最初から持っているわけではありません。ユーザー層を見ると、社会の動きを知りたいと思っている人には届けられている一方で、社会の動きにあまり興味はないけど身の回りの役立つ情報なら知りたい人には届けられていないと感じます。

大抵の人の興味やきっかけって本当に僅かです。そんな僅かな好奇心を持った人に、マッチョな人に対する態度と同じように見せるんじゃなくて、

NewsPicksがつくる未来、NewsPicksから見える未来ってもっと明るく見えるよ。もし興味があったらどうぞ。

みたいな感じで、誰でも参加できるように間口を広げておきたいんです。私は常々「アンラーン」っていうんですが、時代は常に変わるから「いますぐ変わりたい」ほど強い意思がない人やその状況にない人を置いていかないのはすごく大事なんじゃないのかなと。

編集長の年頭挨拶就任挨拶パブリッシングの所信表明にある「希望を灯す」、そのニュアンスがしっくりきています。さまざまな人の視点があったり、いま知りたいことを独自の切り口で届けるコンテンツがあったり、そういうもので未来を拓くことが使命なんじゃないかと。

ー ニューズピックスでどんなことを実現したいと思いますか?

多くの人に届けるためにやることがたくさんあるのだろうと思います。たとえば、首都圏のビジネスマンは知ってるけど、地方にいる僕の友人はNewsPicksのことを知りません。その状態から脱さないといけないですね。

2013年からスタートしたNewsPicksも、これまでオーガニックの流入に頼って成長してきました。アーリーアダプター層が熱狂していた時代から少し落ち着いて、これからもう一段踏み込んだ成長するために、最初に「学びが得られる」という体験を提供できている状態をつくれないとダメなんだろうなと思います。

ー鳥居さんはその中でどんな役割を担っていきたいと考えてますか?

最終的にやるべき役割は、デザイン組織を強い組織にしていくことだと思います。強い組織は何かっていうと、ニューズピックスのデザイン組織があるからニューズピックスが伸びている、という状態をつくり出すこと。

たとえば、コンテンツデザイナーはサービスの成長に比例するコンテンツを生み出している感覚があります。インフォグラフィックスやコンテンツバナーなど、彼らが生み出しているものが "NewsPicksといえば” の印象を与えるブランディングになっています。

プロダクトがより強いものになっていくためにプロダクトデザイナーがいる、という状態になっていれば役割を果たせたといえそうです。

ー UIデザインだったユニット名をプロダクトデザインユニットに変えた想いについて教えてください。

「プロダクトデザイン」と表現することで、もっともっと関わる範囲を広げたい想いがあります。画面上のインターフェースだけをつくってもユーザー体験や価値、印象を変えることはできません。なぜなら一気通貫のプロダクト体験をつくるには、各部署と調整したり、オペレーションを改善したり、CSと連携してユーザーコミュニケーションの仕方を変えたりする必要があるからです。

自分たちの関わる範囲をギリギリのところまで広げていって、足りないなら人を配置して円の外形をどんどん広げて、新たな機会が生まれてメンバーそれぞれの得意領域ができてくるとデザイン組織として強くなるし、結果プロダクトが強化されると思っています。もしかするとカバー領域が広がったときに「UIデザイン」っていうのができるかもしれないですね。でもそれは今ではないと思います。

ー プロダクトデザインが「よい状態」って具体的にどんな状態なんでしょうか?

言ってしまうと「UIは無味無臭」で「コンテンツが主役」であるべきなんです。ネガティブな方向に引っ張らないように、期待通りの動作を期待通りに振る舞う。それをつくるのがUIデザインだと思っています。

「内情すごい複雑なんだけどめちゃくちゃシンプルに見えてる」っていう状態が最高のUIデザインを届けてる状態なのかな。正直実現するのはめちゃくちゃ難しいです。こんなに複雑なサービスだと、UIで帳尻合わせしてるところがたくさんあります。たとえばDribbleとかで見るような綺麗なデザインって、情報もなければ複雑な事情もないものが多いと思います。実際のプロダクトは「これとこれとこれを入れなきゃいけない、どっちを優先するか」とか「このユーザーの場合はこうですね」の連続だと思うんですよ。

ー デザイナーのキャリアについて考えていることを教えてください。

組織を率いていく身としては、最大限の機会提供をしたいと考えています。見て聞いて覚えるだけだと何も身につかないので、インタビューや分析、エンジニアリング、PdMといった領域で新しいことにチャレンジする機会を提供するということです。仮に市場価値として特別でない場合でも、本当にワクワクしたり、やりたいと思うのであれば突き詰めるべきだと思うんです。そもそも選択肢がなかったら何にワクワクするのかもわからないので、キャリアパスの選択肢を拡げるために機会を増やさなきゃいけないのだろうなと。

私自身に置き換えると、昔は「⚪︎年後の自分像」を考えたりしてましたけど世の中が変わりすぎるから正直わかんないんです。何を一番重要視しているか改めて考えると、自分がありたい姿として信頼している人や尊敬している人に対してダサくない生き方をしたいと気づいたんですよね。

もし、こうありたいという道筋の中に「プロダクトデザイナー」があるなら、その中でつくっていくべきだと思います。テクニカルな話をすれば結果を出せる人が評価される世界だと思うので、どういうプロセスでやってきたか、スキル面、コミュニケーションも磨いていって市場価値を上げていくっていうのが、いわゆるキャリアの作り方なのかなと思います。でもこれってテクニカルな話なので、どうにでもなるものかもしれません。

ー 入社してすぐにプロダクトデザイナーのコンピテンシー・クライテリア(評価基準)を変更されました。その理由を教えてください。

今後もし転職するときに、入社当時とスキルが変わらなかったり、入社当時より低い給料もしくは同じくらいの給与になるのは、お互いにとって良くないことですよね。

一番望ましいのは、成長した結果たくさんスカウトが来る人材になっていて、それでもこの会社にいたいと思える良い条件や働く意義を享受し続けられている状態です。そのためには会社の努力も必要だし、その人自身のスキルアップも必要。

タイトルを決める立場には、非デザイナーの上司、経営メンバーもいます。彼らに対して「なぜこの人はこのタイトルなの?」と説明するために妥当性を持てる項目とセットで説明するのが1番お互いにやりやすくなります。そこも意識してコンピテンシー・クライテリアをアップデートしました。

10年前にないスキルセットってどんどん出てるし、ツールも、考え方もアップデートされるので、少しずつでも評価マップは変えていかないとここでしか生きてこれないデザイナーになってしまうんじゃないかという感覚があります。もし10年後も同じだとしたら、その組織はやばいんじゃないかな(笑)

ー 最後に、一緒に働きたいデザイナーはどんな方でしょうか?

他責にしない、コミュニケーションができて建設的に考えられる人、そして素直な人。そうでないとそもそもユーザーベースのバリューになじまないんです。この会社、すごい景色交換をしますから。

そういう人であれば、たとえ他者と意見が違っても対話し続けて、結果どこかに着地する。もしくは、解像度高くイシューを持って人を巻き込んでいく。そしてそれを一緒にやろうよっていうところまで持っていける。スキルも大事ですが、そういうバリューマッチを大事にしたいなと思います。

ー 終わりに

NewsPicksでは異能溢れるデザイナーを募集しています。
お気軽にご応募お待ちしています。

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インタビュー・編集:吉川亜香音都筑智子

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