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「パラサイト 半地下の家族」アカデミー賞4冠 ポン・ジュノ監督を小川キャスターが取材しました!!

去年5月、カンヌ映画祭で
最高賞のパルムドールを受賞。
そして、今月、アカデミー賞で
作品賞を受賞するなど、
4冠に輝いた韓国映画
「パラサイト 半地下の家族」の
ポン・ジュノ監督。
きのう、緊急来日した監督に
お話を伺いました。
奇想天外な物語に隠された
監督の強い思いとは・・・。
***2020年2月24日(月)放送***

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●小川キャスター
「NEWS23の小川彩佳と申します。
今日は、よろしくお願いします。」
●ポン・ジュノ監督
「よろしくお願いします。」

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韓国映画「パラサイト 半地下の家族」。
ソウルの半地下で暮らす失業中の貧しい一家
高台の豪邸に住む裕福な一家に入り込み、
奇想天外な展開をみせる物語です。

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今年のアカデミー賞で最高峰となる
作品賞や監督賞など4部門を受賞。
英語以外の作品としては、史上初の快挙です。

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●小川キャスター
「(カンヌ国際映画祭最高賞)パルムドームと
アカデミー賞4部門受賞、
大変おめでとうございます。」

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●ポン・ジュノ監督
「本当に不思議です。
うれしく光栄なことですが、
戸惑いもありました。“うねり”を感じた時は、
すでにそれに飲み込まれていました。
いつか
時間的な余裕をもって振り返ってみたいです。
今は、その“うねり”の真っ只中にいる感じです。
もちろんそのすべてが楽しいのですが。」

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●ポン・ジュノ監督
“半地下”は、いわば“半地上”です。
完全な地下に
なってしまいそうな恐怖がありながら、
まだ半分は地上にあって日差しも見える。
完全に地上に上りたい、
日差しが燦々と入ってくる
金持ちの邸宅に上り詰めたいが、
一歩間違えれば、半地下どころか
完全な地下に墜落
してしまいます。」

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映画では貧困の象徴のように描かれている
半地下という住まい。

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ポン監督の学生時代、
半地下に下宿する友人が何人もいて、
珍しい光景ではなかったといいます。

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映画のロケ地となったソウル市内の住宅街

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地上から階段を降り、
半地下の住宅を訪ねてみました。

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3年ほど前から、住んでいるという
80代の女性です。

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●今林記者
「地面の高さがこの位置にありますので、
外気が入ってくるのは
わずかな空間しかありません。

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以前住んでいた半地下の部屋よりは、
広いといいますが、

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晴れた日の昼間でも
電気を消すと真っ暗です。

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この部屋の月の家賃は、
約3万2000円。
女性の収入は生活困窮者向けの給付金だけで、
これ以上の負担は難しいといいます。

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1980年代の住宅需要の高まりから、
規制緩和によって、生まれた半地下の住居。
韓国の2%にあたる36万世帯が暮らし、
そのうちの6割がソウルに集中しています。

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一方、すぐ近くには家賃数十万円という
高層マンションが乱立。
韓国では、不動産価格の高騰が続き、
格差が広がっているといいます。

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●ポン・ジュノ監督
「半地下は韓国の独特な
住居形態ではありますが
そのような境遇に置かれている人は
世界中どの国にもいると思います。
映画的にうまく飾ったり、
甘い言葉で希望を与えたりするよりは、
そのままそれをすべて解剖してみようと。
はっきり真正面から見つめた時こそ、
それを克服できる道も
見つかるのではないかと思います。」

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劇中に描かれる雨は、韓国の貧富の差
象徴的に表しているといいます。

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●ポン・ジュノ監督
お金持ちのところから貧しい街へ
雨が流れてくる。逆流はありえない。

雨も同じ。若い主人公の息子が
階段で立ち止まった時、
彼の足の間を滝のように
流れてくる泥水は彼の家へ向かいます。
そこからくる凄然とした
悲しみがあると思いました。

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●ポン・ジュノ監督
「人間を掘り下げていくと、
属している社会的な背景が
同時に付いてくるものだと思います。
社会派になろうと目標を持って
生きているわけではないですが、
面白い映画を作りたいという気持ちで、
やっていると自然と
そうなっていくというような感じ
です。」

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●小川キャスター
「日本を舞台に映画を撮るとしたら、
どんな映画を撮りますか。」

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