見出し画像

学びのシェア:AIがビジネスやマネジメントに及ぼす7つの変化(シン・ニホン)

NEWONE小野寺です。

AI。いまではインターネットや電気のように仕組みは分からないけど、なんだか便利ですごそう、流行ってるというイメージではないでしょうか。少なくとも私はそういうイメージです。

でもちょっと分かっておきたいですよね!

今回は、2020年発刊以降大変話題の『シン・ニホン(安宅和人)』の主に第一章「データ×AIが人類を再び解き放つ」からAIとは何か?AIがビジネスをどう変えるのか理解が進んだので、学びをシェアしたいと思います。

<本記事の問い>
・AIによって人類は再び解き放たれる?
・AI=計算機×アルゴリズム×データ
・AIがビジネスやマネジメントに及ぼす7つの変化

AIによって人類は再び解き放たれる?

過去100万年に渡る人類の生産性の推移を調べた人がカリフォルニア大学バークレー校にいる。彼によるとローマ時代の2000年前から産業革命が始まる頃まで、人間の生産性は2倍くらいにしかなっていない。しかし、そこから200年ぐらいで50~100倍に上がっている。ここから数十年でこれがもう一段跳ねる瞬間を僕らは生きている可能性が高い。

シン・ニホン(安宅和人)

上記の通り、人類が再び解き放たれるとは、産業革命に次ぐAIによる生産性革命のことを示しています。

具体的にはどのような未来が来るのでしょうか。

当書では、以下のような未来はすでにきていると書かれている

・機械が壊れることを1か月以上前に予測する
・複数言語に対し、ほぼ人間レベルの翻訳を瞬時に行う
・レアな遺伝病を顔写真だけから診断する
・歩き方から人物が誰か、認知症に罹患しているかどうかを判定する

シン・ニホン(安宅和人)

いかがでしょうか。すでにきている未来だけでも、驚くようなサービスや仕組みが生み出されていますね。もはや今後、様々な想像を超えるようなサービスが生み出されても、AIだからと言われたら、AIならそれくらいできるよねと思ってしまいそうです。

ここまでAI、AIと書いてきましたが、AIとはそもそも何なんでしょうか。

AI=計算機×アルゴリズム×データ

「AI」とは、「Artificial Intelligence」の略で、Artificial=人工的な、Intelligence=知性・学習し続ける能力で、よく人工知能と略されますが、筆者いわく知能は頭の能力を表すので、人工知性の方がイメージが近いようです。

データとAIは表裏一体なのだ。日本の新聞などのメディアはAIと連呼しているがミスリーディングであることが多いと言わざるを得ない。

シン・ニホン(安宅和人)

どれだけ早い計算ができる計算機があって、目的に対して適切なアルゴリズムがあったとしても、データ量が少ないと本領を発揮できない。チェスのプロにAIが勝った!などと話題になりますが、これは計算機やアルゴリズムに加えて、人間が到底記憶できないほどの膨大なデータを持つから成せる業なのです。そのため、AI=計算機×アルゴリズム×データといえるのです。

ではこのAIはビジネスやマネジメントにどのような変化をもたらすのでしょうか。

AIがビジネスやマネジメントに及ぼす7つの変化

①すべての産業はデータ×AI化する
②意思決定の質とスピードが上がる
③状況把握から打ち手まで1つのループになる
④集合知的なAIを作れるかのゲームになる
⑤マッシュアップエコノミーの時代になる
⑥事業及び収益構造が二重になる
⑦ヒューマンタッチがより重要になる

シン・ニホン(安宅和人)

本書では、AIによって上記7つの変化が起こると示されています。
それぞれ簡単に整理していきます。

①すべての産業はデータ×AI化する

今起きているデータ×AI系のテクノロジーは、人間や家畜しかできなかったことをキカイがやれるようになるタイプの典型的な「産業革命型」の技術革新だ。

シン・ニホン(安宅和人)

先進的な産業だけでなく、上記のように生活の基盤となる産業、例えば、「繊維・アパレル産業」「小売産業」「農業」の最古の3つの産業もデータ×AI化しているようです。

例えば、「小売産業」では、POSシステム、物流システムだけでなく、顧客から見える商品タグもスマホなどで読み取ると、その商品の生産者情報など常に最新の情報を見ることができるし、「農業」でも、米Plentyでは、壁に野菜を植え、LED照射と肥料を野菜ごとに適した条件を整えながら、栽培するサービスがあるようです。

まさにあらゆる産業に革命を起こす、「産業革命型」の変化が、AI×データによって起こっていますね。

②意思決定の質とスピードが上がる

これは戦術レベルでも、戦略レベルでも起こる

シン・ニホン(安宅和人)

◎戦術レベルの変化
日常オペレーションの判断をキカイに任せ、人はより難しい問題に向き合うことができる

◎戦略レベルの変化
これまでは人がかなりの時間をかけなければいけなかった(または時間をかけても抽出が難しかった)、経営に関わる情報やデータがリアルタイムに近い形で可視化できるようになるため、意思決定の質が上がる。

③状況把握から打ち手まで1つのループになる

1.サービスの価値があがる
2.よりユーザーが集まる、利用者が増える
3.データが増え、状況把握が進む
4.アルゴリズムの性能が上がる
5.打ち手の質が上がる(→1に戻る)

シン・ニホン(安宅和人)

このようなサイクルがAI×データシステムによって無限に回り続けるため、正のスパイラルが効きやすい。なので、1.先行者利益が効きやすく、学習優位性を築くためにも早く始めることに価値がある(どんどんAIが学習してくれるため)2.この系(サイクル)そのものをチューニングする(とってるデータはあっているか、アルゴリズムは適切かなど)ことが大事ということです。

④集合知的なAIを作れるかのゲームになる

前述の通り、AIの性能はデータ量に依存するため、いかにデータホルダーや技術(アルゴリズム)ホルダーが連携し集合知的なAIを作れるかが価値の高いAIを作れるかどうかに直結するということです。

どこよりもデータがつながりやすくして、データ利活用の地平を切り開く国や市場が、人類の未来を生み出す場となる可能性が高い

シン・ニホン(安宅和人)

⑤マッシュアップエコノミーの時代になる

データ×AIの時代において、すべてを自社で作りこむという考え方ではなく、自社オリジナルのここぞの部分以外は、効果的なマッシュアップが求められる。
例えば、Uberでもサービスのコアである配車システムは自社オリジナルだが、地図、決済システム、通話などは他社のシステムを活用しているようです。

⑥事業及び収益構造が二重になる

産業の多くが、複合機、エレベーター、オフィス用エアコンのようなどに近い事業モデルになるということだ。

つまり商品の提供だけでなく、そのメンテナンスやアップデートからも収益を得られる構造になるということです。これは、あらゆるものがIoT化するとリアルタイムでメンテナンス、顧客対応が可能になるためです。

⑦ヒューマンタッチがより重要になる

人ならではのこだわりが感じられるヒューマンタッチが付加価値となるため、AIにできることはAIとデータにまかせ、ヒトならではの温かみを生み出していくことがビジネスの勝負所になるということです

まとめ

ちょっと知っておきたかったAIの面白さを垣間見ることができました。まだまだ分からない部分も多いですが、AIって何?って聞かれたときに、AI=計算機×アルゴリズム×データだよ、って格好良く答えられるようになったので、大満足です。


この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?