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【小説】続・エモいデザートはワインの後に(後編)

◾️前回までのストーリー

トリカブトが導く心のままに、僕はお城へと入った。

いつも思うがこのお城は誰でも自由に出入りできてセキュリティが甘い。今度王様に友達の警備員か格闘家でも紹介してみよう。

トリカブトが導いた先にはいかにもというようなドアがあった。

まがまがしい雰囲気を醸し出している。

間違いない。猿時さんはきっとこの先にいるはずだ。

待ってて下さい。今すぐあなたの元へ向かいます。

僕は光に包まれ、ドアの中へと吸い込まれた。

※※※

扉の先は、怪しい闇が渦巻く空間だった。

すると、遠くから聞き覚えのある声がした。

あっ、、あれは、、さっ、、、猿時さん!

私の視線の先には、スキンヘッドで半裸の化け物と1人戦うスキンヘッドの猿時さんがいた。

奴の名は闇時(やみとき)。イーノットを超える真の魔王らしい。

どうやら闇時のせいで、イーノットも復活したようだ。

今すぐ助けに行かなくては。

もう僕を置いて去ってしまった過去なんてどうでもいい。ただあなたを守りたい。


2人の愛の力で、体中に力がみなぎってきた。

しかし、2人の愛を嘲笑うかのように、闇時はエアロ●ミスのあの曲を口ずさみ、空から流星を降らせてきた。

ぐぐっ、、今まで対峙した事のないくらい強力な攻撃だ。

しかも目からは協力なビームを放ってくる。

更には下僕まで召喚をして来た。

思い出のボジョレーで回復しつつも、このままではジリ貧だ、、

「ニューノくん、、このままでは埒があかない、、、あの日の事を思い出そう、、、」

「えぇ、思っていたよりキツいですね、、あ、、、あの日ってまさか、、?」

「そう、あの日とはエモデザの思い出だ。俺のヘラクレスだけではきっと闇時には太刀打ちできないだろう。だけど、2人のヘラクレスの力を融合(意味深)させればきっとイけるはずだ。どうだい?久しぶりにヤらないか?」

「で、、でも、、、僕、、恥ずかしいです///」

「怖がらないで、力を抜いて。」

「すぅー、はぁー。」

僕は呼吸を整えた。

すると猿時さんは優しく僕の上着を脱がして来た。

「さぁ、久しぶりのミンツの味はどうかな?」

ナメクジの様に、ゆっくりとじわじわとねちっこく、僕の浮島周辺を這う、、、

「あぁ、、やだ、、焦らさないで、、、」

「相変わらず可愛い声で鳴くじゃないか。そんな事されると、やっぱり焦らしたくなっちゃうな。子猫ちゃん。」

「もう、、、猿時さん、、こんな時までイジワル、、、」

猿時さんは私のミンツを、こっくりさんのコインのように、ゆっくりとゆっくりと指先でなぞって行き、舌先でツンツンと刺激した。

ビビッ!!ビクン!!

全身に稲妻が走った。

「ああああああああああっ❤️❤️」

僕のヘラクレストリカブトは完全覚醒した。

猿時さんのヘラクレスオオカブトももちろん真っ直ぐと天を向いている。

「今だ!ニューノくん、2人のカブトを合わせよう!カブト合わせだ!」

猿時さんの優しい手のひらに包まれ、二匹のカブトムシは、互いの勇ましさを競うかの様に、ツノとツノを突き合わせた。

くっぷくっぷ、、、、、ぎしぎし、、、、しゅこしゅこ、、、

「あぁ、ニューノくん、1年会っていない間にすごく成長したんだね。君のカブトは更に刺激的になったじゃないか。“キレイなツノには毒がある“そんなことわざがあったっけど、その通りだ。」

「だって、、猿時さんに会えなくて寂しくて寂しくて、、でもその時間が、僕のカブトを成長させてしまったのです。あぁ❤️このままだとおかしくなりそう❤️」

1年ぶりに出会ったカブトたちは、空白の時間を埋めるべく、激しさを増し、眩い閃光を放った。

「奥義!ダブルヘラクレス!」

「あぁ、ニューノくん、さすがだよ。今日は俺も骨抜きにされそうだ。いや、角抜きとでも言おうか、、」

「ううっ、、、」

「あっ、、、」

ヤヤヤヤヤヤヤヤヤらないか!?

ドゥピュ!ドゥピュ!ドゥピ!

2匹のヘラクレスは互いの勇ましいツノを競い合い、下僕達を一掃した。

しかし、闇時は倒れていなかった。

「愚かな人間どもよ、いや、昆虫?そんなのはどっちだっていい。そんな攻撃ではこの闇時を倒す事はできない。」

「なんてことだ、、、」

「さぁ、遊びの時間はおしまいだ。この世界と共に滅びるのだ。猿時よ、このワタシを復活させてくれた礼に命乞いの時間をやろう。ワタシが数字を数え切った時がお前達の最後だ。」

「ふっ、復活?!どうゆうことですか?猿時さん?!」

「ニューノくん、黙っててすまなかった。実は闇時は俺が復活させてしまったんだ。」

「では、カウントを始めよう。ロック・オン!100000000、、」闇時のカウントが会話をカットインした。

「なぜ?どうして?」

「あれは君と結ばれた日の事だった。俺はそれまで誰彼構わずムシキングバトルを申し込んでしまう、とんでもないアバズレだったんだ。君に対しても最初はそうゆう感情だった。」

「そっ、、そんな、、、」

「だけど君とのムシキングバトルを通じて、俺は本当の愛を知ってしまったんだよ。」

「・・・///」

闇時:「999999997、、、」

「だけどこんなアバズレに君を愛する資格はないと思った。だから邪念を払うため、俺はあらゆる手を尽くしたんだ。」

「そうだったんですね。」

「そこで俺は、いつしか滝のヌシと出会い、全ての邪念を解き放って貰ったんだ。」

「滝のヌシ様、、夢で会ったあの人だ!あの人は実在したんですね!」

「君も会っていたのか。そう、滝のヌシに邪念を払ってもらい、ようやく君に会いに行けると思った矢先、解き放たれた俺の負のエネルギーが闇時を復活させてしまったんだ。」

「そんな事が起きてたなんて、、」

「闇時は俺の負のエネルギーを吸収し、パワーを増幅させ、なぜか見た目も俺に似てしまったんだ。」

「だから敵ながらちょっと気になるイケメンだったんですね。」

「余談だが、滝のヌシにはバトルを申し込まれてしまったから、ヘラクレスを放ってやったんだ。だから、彼も目覚めてしまったんだ。」

「だから滝のヌシ様も僕に誕生日を、、」

「ん?誕生日?」

「いや、何でもないです!続けて下さい!」

闇時:「999999991、、、」

「その結果、闇時の力でイーノットやかつての魔族達もが復活してしまった。だから俺はこの責任を取るために闇時を倒す事を決めたんだ。」

「そんな、、猿時さんが1人で責任を負うことなかったのに!」

「イーノットに関してはニューノくん達が倒してくれるだろうと信じていたから、俺はひたすら闇時の手かがりを探していたんだ。そして、闇時を見つける鍵は、時のグリンピースにある事を知ったんだ。」

「あのグリンピースにそんな秘密が、、、」

「だが、時のグリピースはニューノくん達が先に手に入れてしまったから、俺は“強くてコンテニュー“でアイテムをそのまま引き継いで2周目をスタートさせたんだ。主人公はもちろんモンキータイムを選んで、そのまま一直線で扉へと向かった。」

「えっ?2周目、、?何のことですか?」

「いや、まぁ一種のタイムリープみたいなものだ。それはこっちの話しだからニューノくんは気にしなくていい。そして、全ての元凶である闇時を倒すため、今ここにいるってわけだよ。君の目の前から何も言わず去ってしまった挙句、こんな戦いに巻き込んでしまって本当に申し訳ない。」

闇時:「999999986、、、」

「何言ってるんですか!猿時さん!猿時さんをそうさせてしまった責任は僕にもあります!だから2人で闇時を倒しましょう!大丈夫!もう一回、ダブルヘラクレスを放てばきっと倒せます!」

「もうダメなんだ、、、」

「えっ、、、どうしてですか?!」

「俺は君ほど若くはない。言わば今は賢者タイムと呼ばれる時間だ。年を取ればとるほど賢者タイムだけで終わってしまうんだ。」

「そんな、、なんとか、、なんとかしないと、、、そうだ!」

僕は城に向かう途中、フリーザさんに出会ったのを思い出した。

※※※

「よっノシニューノマンさん 珍しく凄い形相してるなwま、理由は聞かねーよ。これ持っていきな。きっと何かの役に立つだろ。」

ニューノマンはフリーザから“キンキンに冷えたピスタチオ“を貰った!

※※※

キンキンに冷えたピスタチオは、別名ピス勃チオとも呼ばれ、TP(勃ちパワー)を大幅に回復させる効果があるらしい。

なんでもファイ●ー社の某薬品の100倍の効果があるそうだ。

これを使えばきっと、、

「猿時さん、これを丸呑みしてください!」

ヒュッ!

パシッ!

「ん?この豆は?わかった。君を信じるよ。」

猿時はピス勃チオを丸呑みした。

「うっ!なっなんなんだ?この全身にみなぎるエナジーは、、、?おおおおおお」

猿時さんのヘラクレスオオカブトは再び勇ましく天を仰いだ。虫の王たる所以を僕はそこに感じた。

闇時:「999999961、、、」

「猿時さんにリードされっぱなしにしてはいられない!猿時さん、僕のさやにそのヘラクレスオオカブトを納めて下さい!」

「今のヘラクレスオオカブトでそんな事をしたら、君だってどうなるか、、、」

「闇時を倒すには純粋な攻撃だけでは倒せません!トリカブトの毒で弱体化させた上でヤらないと!」

「わかった、ニューノくん、じゃあいくよ。後ろを向いて。」

「でも、、やっぱり、、ちょっと怖い、、」

「大丈夫、ゆっくり呼吸をして、リラックスして、、。」

猿時さんのヘラクレスが、私のさやの中へと納められようとする。

「いっ、、、痛い、、、」

「大丈夫だから、、力を抜いて、、、」

私が力を抜いた瞬間、、

カシャーーン!!

猿時さんのヘラクレスオオカブトは僕のヘラクレストリカブトのさやへと納められた。

猿時さんは激しく上下運動を繰り返し、パワーを充填していく。

スコスコスコスコ!!

スコスコスコスコ!!

スコスコスコスコ!!

ウィーーーン!!

「あぁ、なんて刺激的なんだ、サイコーだよ!ニューノくん。」

「はっ、、、はい///僕も幸せです///」

激しい上下運動の末、フルパワーになったヘラクレスオオカブトはさやから抜かれた。

猿時は名刀・極大英雄双頭剣(ごくだいえいゆうそうとうけん)を装備した!!

「ニューノくんに貰ったこのパワーで、闇時を葬るぞ!喰らうんだ、究極奥義・ヘラクレス・ポイズン・スペルマ・スプラーッシュ!!(和訳しないでね)」

猿時さんの溜まりに溜まった白く輝くスプラッシュは、激しく闇時の顔面に降り掛かった!

バッシャアアアアアアア!

「うっ、、うわぁああああああああ!なっ、、なんだ、、、?!この特濃のスプラッシュは?うわぁあああああ!」

闇時の顔面は、スプラッシュの衝撃で崩れていった。

「ふぅ、君とのムシキングバトル、良かったよ。」

「見事だ、人間達よ、いや昆虫か?そんなのはどうでもいい。愛の力とはこれほどまでとはな。恐れ入った。もうワタシが復活する事はないだろう。お前達が愛を忘れぬ限りはな。」

「闇時!猿時さんと僕の愛は砕かれるものか!」

「そうか、、愛とはお前らのようにゆるがぬ気持ちの事を言うのか、、ふふっ、、その愛に敗れたのなら仕方あるまい。」

そうして闇時の体は跡形もなく闇へと消えていった。

終わった。これでやっと終わったんだ。

こうして僕たちは、セイシをカけた戦いの末に闇時を倒し、Barへと戻っていった。

※※※

Barに戻ると仲間のnoter達がそれぞれの時間を楽しんでいた。

かこさんは案の定、ホメルマンにメロメロだった。

「あら、ニューノさん、お帰りなさい(´∀`*)ウフフ ホメルマンさんたらホントお上手なんですよ。」

「かこちゃん、僕は本当の事しか言ってないからね。君が素敵すぎるのがいけないんだよ。」

「まぁ(´∀`*)ウフフ あら、ところでそちらのお方は少し前にすれ違った方かしら?」

「はい、猿時さんと言います。」

「はじめまして。俺はニューノくんの彼氏の猿時と言います。」

「さっ、、猿時さん///」

「あら、お二人はラブラブなんですね(´∀`*)ウフフ私も負けていられないですわ。」

闇時とのバトルの事は、猿時さんが罪悪感を感じている手前、みんなに話す必要はなかった。2人だけの秘密だ。

「マスターお帰り〜(*´艸`*)ちょっと、どこ行ってたん?お客さんめっちゃ来てるから頼むわ〜!」

「ごめんごめん、あっちゃん!不在の間接客ありがとう!すぐ戻るよ!」

 Barにはいつもと変わらない日常が流れていた。

一つだけ変わった事言えば、猿時さんと僕が更に深い絆(意味深)と愛で結ばれたという事だ。

これからも変わらぬ愛で、猿時さんとこの先の人生を歩んでいこう。僕はそう誓った。

「猿時さん、、もういなくならないで下さいね///」

「一生離れないためにも、今晩はムシキングバトル、楽しみにしてるよ。」

「もう、、、///」

「ちょうど一年前の今日、君のもう一つの誕生日だったね。もう一つの誕生日(1歳)に乾杯しよう。おめでとう。」

奇しくも今日はあの日から一年経った日だった。

僕と猿時さんは1年越しにボジョレーで乾杯をした。

エモいデザートをワインの後に残して。

【小説】エモいデザートはワインの後に
the end

物語の最後の最後にありがとう、親愛なるウィリアムさん。

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