【note連載版】ライトノベル回顧2023|レビュー:『じょっぱれアオモリの星』 佐々木鏡石 著(角川スニーカー文庫)
Twitterでバズったことをきっかけとして満を辞してスニーカー文庫から発売されたアオモリアドベンチャーコメディ。本作の特徴はズバリそのツガル弁と満載の東北ネタ。なろうの目次ページや書籍の目次を見れば本作の魅力は十分に伝わるでしょう。何せ主人公の名前からして「オーリン・ジョナゴールド」ですからね。見れば分かる、逆に見ないとわからない魅力が多すぎてレビューに書けることが少なくなっています。
作者曰く本格ファンタジーを意識して書いたものなのだとか。確かに、ふんだんに散りばめられた「東北ナイズされたなろう系あるある」を除いて見ると、主人公の言動やストーリーラインは(本格ファンタジー談義は置いておいて)確かに本格っぽいそれ。特に2巻にはこの作品を単なるコメディとして消費するのは許さないという強い意志を感じます。2巻の最後なんか久しく忘れていた何かを思い起こさせられました。異世界大喜利が流行してからというもの一発ネタを最後まで引っ張るのがすっかり風潮になっていますが、本来一発ネタは掴みに使うくらいがちょうど良いのです。
(はじめまこと)
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