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W杯の勝者「中東マネー」、テスラはエンスト寸前 侵攻もエネルギー危機もメルケルの「負の遺産」?アディダス「名経営者」はなぜ、転落したか

メッシとロナルド
サウジは世界最速成長

 正月早々、ブラジルの首都、ブラジリア。前大統領の支持者が大統領官邸や国会、最高裁周辺を襲撃し、1500人が拘束された。前年末のW杯でベスト8敗退となったイライラが募ったのか、と思ったら、今度はペルーで前大統領の逮捕に抗議するデモ隊と武装警官が激突し、1月中旬時点で40人以上が死亡。

 かと思えば、W杯で優勝を飾ったアルゼンチン。英雄メッシの凱旋を100万人が出迎えたが、メッシは大統領官邸への訪問を拒否し、大統領はメッシに賞賛の言葉を贈ることさえ叶わなかった。アルゼンチンのインフレ率は100%に達し、現地通貨のペソは崩落。副大統領には汚職で有罪の判決が下った。

 年頭、サッカーに強い南米が世界の新たな火薬庫であることがハッキリした。

 対照的に、眩いばかりの光を放っているのが、W杯の開催地、中東だ。主催国のカタールはW杯招致に数十億ドル(数千億円)使ったが、元は取った。サウジアラビアがトーナメント戦でアルゼンチンに勝った時、全アラブが狂喜したことに象徴されるように、W杯でアラブの結束が蘇った。

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