国内事情で台湾包囲の演習 本音を見抜いていたバイデン政権

現在の力では台湾武力併合の可能性は少ない
孫氏曰く見せびらかした戦は本物ではない

 ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問に「激怒」した中国が、8月上旬に台湾を包囲する形で軍事演習を行った。その直前、中国の習近平総書記はバイデン米大統領と行った電話会談(7月28日)で、「火遊びをすれば必ず焼死する」とかつてない強硬な警告をしていたため緊張が走った。

 日本では「中国の本格的な台湾威嚇が始まる」という危惧の声も聴かれたが、米バイデン政権は冷静であった。これは同政権が習近平の本音を事前に知っていたためであろう。

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