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憎悪が覆い尽くす大統領選 米民主主義は修復不能なのか


共和党の第1回討論会で露呈した
うわべだけの「DEMOCRACY」

 米国では8月23日、2024年の大統領選挙に向け立候補した共和党候補者による初めての討論会がウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された。共和党全国委員会が設定した世論調査の支持率などの基準を満たした8人が登壇。世論調査で支持率断トツのドナルド・トランプ前大統領は討論会に参加せず、事前に収録したインタビュー動画を討論会に合わせて公開する異例の展開となった。この討論会の内容を厳しく批判したのが、ワシントン・ポスト紙の「共和党討論会の壁に掲げられた‘民主主義’の文字。だが討論の中では完全に欠落(‘Democracy’ was on the wall at the GOP debate. It was never in the conversation.)」(8月26日付)である。

 大統領選の争点として討論会場のバックに掲示された「DEMOCRACY」は見せかけで、2時間にわたる論争の中で民主主義が真剣に議論されることは一度もなかった。「8人の候補者もホスト役のFOXニュース(保守系メディア)も、トランプ支持者を怒らせまいとして、刑事被告人のトランプ氏が前回大統領選後にしたことや、それが米国の将来にどんな意味を持つかを掘り下げようとする意欲がまったくなかった」と書く。

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