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「正しい」日本語とは!?

接客業などに従事していると、「バイト敬語」はやめましょう、「正しい」日本語を使いましょう、「正しく」尊敬語、丁寧語を使い分けましょうという話は耳にタコができるくらい聞いたことがあるでしょう。

そうでなくとも、テレビやYouTubeでマナー講座がなされたり、スラング、俗語が問題視されることもありますし、最近の新人は言葉遣いや礼儀がなってないという話も耳にします。国語の授業でも敬語は学びます。
スラングを書くとテスト的には「❌」になります。

↑YouTubeでされるマナー講座の例。エンタメ的に消費されている部分もあります。

今回は、バイト敬語を例にあげます。正しいと「される」言葉は以下のようになります。

❌こちらコーヒーになります
⭕こちらコーヒーです。
→コーヒーは化けない、不変というのが理由だそうです。

❌千円の方お預かりします。
⭕千円お預かりします。 
→「方」は余計な一言だそうです。

❌こちらの用紙にご記入いただく形になります。
⭕こちらの用紙にご記入ください。
→「形」が余計で記入には形はないという考えです。

❌こちらでよろしかったでしょうか
⭕こちらでよろしいでしょうか
→今、確認しているのに過去形はおかしいとのことです。

このように例示しましたが、今回は正しい日本語、敬語を学びましょうという趣旨の記事ではありません。

これらは本当に「正しい」日本語なのかと疑問を呈したいのです。

なぜ、疑問に思うのか。理由の一つは正しいとされる言葉は常に変化し続けているからです。

枕草子の書かれた平安時代ですら、目上や目下の人の言葉遣いについて嘆かれています。
いつの時代でもおこりうる事象だから細かく指摘しすぎても不毛であると考えます。

そもそも枕草子などの古文で書かれた文章を読んだり、古語で話したりすることは現代ではありませんし、伝わりにくいし、不自然でしょう。

古文と一言で言っても、平安時代と江戸時代でも異なります。
マタ、近代ノ公的文章ハ、ひらがな表記デハナク、カタカナ表記デス。

つい、数年や数十年前には、若者言葉やスラングとされる、KY(空気読めない)やナウいなどはすでに「死語」とされています。

つまり、バイト敬語でも浸透すればそれは敬語となりうる訳です。「なります」が必ずしも「変化を示す」のではなく、丁寧な言い回しになった訳です。

「正しい」日本語を知っておくにこしたことはありませんが、あくまで今、現時点で正しいと「されている」ことに過ぎないと考えます。

丁寧な言葉づかいでも嫌味らしく聞こえたり、逆に乱暴な言葉づかいでも相手を想う気持ちが伝わることもあります。

色々勉強したり、環境や地域が変わると細かい言い回しや訛りを気にしてしまうものです。

しかし、必要以上に目くじらをたてて、不快感を表に出す必要はないですし、深く気にせず、思いが伝わればえーやんくらいの寛容な気持ちで充分だと思います。

ビジネスシーンや接客、プライベート関わらず、色んな人がいるので、「正しく」、丁寧な応対にこしたことはありませんが、本来は言葉遣いそのもの「だけ」で苦情いれて問題視するのもどうかと思ったりもします。

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