【今日の小さな挑戦#54】「眠れる森の美女」的な幸せを考える。
ディズニー「眠れる森の美女」は、大前提として物語の展開が王子に甘過ぎる。
森の中で落馬して池ポチャの王子登場シーンでは、冒頭から冴えなさを露呈している。
濡れた衣服を乾かしている最中、オーロラを見かけ一目惚れ。速攻お声がけ。
前に夢で会いましたよね?
一国の王子にしてこの陳腐なセリフ。
まだ未熟な青年であることが伺えよう。
オーロラもオーロラだ。
人との交流を避けて育てられ、箱入りが過ぎて世間知らずが過ぎます。
王子のナンパを警戒することもなく、腕を組みダンス。
次の逢瀬を求める王子に、オーロラは無防備過ぎる大胆発言。
今夜、森の中の小屋に来てね。
そんなこと言って大丈夫か。
一緒に暮らす妖精達がどれほど仰天するか、ちっとは考えないのか。
あまりの危機管理意識の低さに軽く目眩がする。
当然、舞い上がる王子は一目散に小屋へ。
待ち伏せていた魔女に呆気なく捕まる。
結果的に魔女を倒すものの、それは妖精達による多大なるお力添えの賜物であることを忘れてはならない。
魔法で手錠を解除してもらい、
魔法の剣と盾を作ってもらい、
降ってくる矢は薔薇の花に、落ちてくる岩はシャボン玉に変えてもらう。
魔女を倒し、凛々しいドヤ顔でオーロラにキス。
ここでもまた、オーロラもオーロラよ。
目覚めて、微笑み、結婚。
面倒なことは全てぐっすり寝てる間に解決済み。
お目目を覚まして末長く幸せに暮らしましたとさ。
男の人は王子しか見たことがないという極度の視野の狭さで、深く考えることなく人生の重要な決断をするあたりに稚拙さを感じる。
こんな主体性に欠ける幸せで良いのかと、つい斜に構えたくなるのは歳のせいか。
多様な見方ができる物語。
ディズニーが伝えたかったことは何か、思いを巡らせるのが楽しい。
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