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【エッセイ】声の高さを変えられる芸当について『佐竹健のYouTube奮闘記(86)

「声どうなってるの?」

 最近Youtubeでこんなコメントが来たから話そうと思う。

 実は私は、ボイスチェンジャーを使わずに声の高さを自在に変えられる。低い声も高い声も自由自在に出せるのだ。だから、高い声で話したり歌えたりできる。最近では、この高い声もコントロールできるようになってきたので、歌える曲の幅が広がってきた。古参の視聴者は既にお気づきであろうが、書いているものしか読んでいない人に言っておく。


 このしょうもない芸当の才能があると自覚したのが、中学生の時だったか。

 なんとなくではあるが、このときから自分の声が高いのは自覚していた。周りから声が高いと言われていたし、合唱コンクールの練習で、

「もっと声を低くできないか」

 とよく叱られていたからだ。このころから、もう高い声を出す芸当の素地があったのだ。

 それを本格的に自覚したのが、高校生のころだった。

 日曜日になると、よく地元の友達とカラオケへ行っていた。そのときに私は女性アーティストの歌を歌えることに気がついた。それも、普通に85点を超えていた。ものによっては90点を超えていた。これについては、心底びっくりしたものだ。特に点が良かったのは、浜崎あゆみの『Dearest』、BoAの『Every Heart─ミンナノキモチ─』の二曲。この二曲はいつも90点を記録していた。7年経った今でも、この二つは高得点の常連である。

 いきなり声が変わるから、聴いていた地元の友達は、少し驚いていた。だが、さすがに毎週のように聴かされると、

「また歌ってるよ」

 みたいな感じのリアクションになっていたが。


 2年くらい前にこのキーで話せるという事実に気がついた。これも無意識の間にできていた。だが、この声の調子を保つのには不十分だと考えていたので、本格的にこの業を使おうとはせず、地声で語ることにしていた。

 練習は日々のカラオケでやった。点数はどうでもいいから、いろんな曲を歌って出せる音域を少しでも広げようと考えた。努力を重ね、昨年に今よりも稚拙ではあるが、高い声で話す技術をより洗練されたものへ昇華させた。


 声の高低を自在に変える芸当を、他の同性の人にもやらせてみたこともある。自分以外にも、この芸当ができる誰かがいるのではないかと思ったからだ。

 やらせてみた結果、ある人はある程度高音を出せていたが、音域の上がるところでいつも失敗していた。またある人は、高音の「こ」の字すら出せない有様だった。

 このことについていろいろ考えを巡らせた結果、もしかしたら私はかなり高い声を出せるのではないか? という考えに行き着いた。そうでなければ、私がカラオケで高得点を取っている歌がそこそこ高いことや、他の同性の知り合いや友達ができない理由の説明がつかない。

(具体的にどこまで高い声が出せるのかな?)

 気になった私は、その道の専門家に見てもらうことにした。

 見てもらった結果、女性アーティストの平均的な高さまで出せることがわかった。専門家の人曰く、

「いろいろ歌ってたら音域上がったんだろうね」

 ということだった。

「女性アーティストの平均的な高さ」

 これに関しては、私もびっくりした。何となく出していたが、まさかここまでだったとは思いもしなかった。思い返してみれば、90点以上取れる曲は結構キーの高い曲が多い。特にベスト5のうち2つか3つは女性アーティストの曲である。ベスト10に入っていない物でも、スピッツと初期の嵐、という例外を抜かせばそこそこの数になる。反対にキーの低い曲はどうも苦手で、最近でも90点を取れた例がない。

 声を変えられるということがわかった私は、この技術を本格的に動画に取り入れていくことにした。そして、動画で出している声と地声を別人が出していると勘違いさせるくらいに成長させた。結果、

「七色の声を出せる人」

「セルフボイスチェンジャー」

 というあだ名がついた。

 こんなあだ名がつくくらいに高い声を出しているので、声どうなってるの? と疑問に思ってしまうのも少しわかる。高い声からいきなり低い声になったり、反対に低い声から高い声になったりするのだから。

 これからもいろいろあると思うが、この才能というか技を活かして、動画制作やカラオケの全国順位にぼちぼち励んでいこうと思っている。そして、高い声を出せるという芸当を活かし、新しいことにも挑戦したい。今度は、朗読や演技なんかもしてみたい。もちろんド素人なので、クオリティに関しては言わずもがなといったところであるが。


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