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日本酒古酒・熟成酒飲み比べ(福島県会津若松市 末廣酒造株式会社 流転)

今日は、和歌山県新宮市の地酒みゆきやさんで購入した、福島県会津若松市 末廣酒造さん「流転」を飲み比べ。

左から、
長期熟成酒 流転 純米酒(1986年)
長期熟成酒 流転 本醸造酒(1988年)
長期熟成酒 流転 純米大吟醸酒(1989年)
です。

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同じ酒蔵で、同じような醸造年度に造られた古酒・熟成酒なので、比べやすいと思います。
造りが違うので、色はそれぞれ違います。
「流転」という名前、ずっと移り変わっていく日本酒の熟成の可能性が、とてもよく表現されていますね。

ところで、「純米酒」「本醸造酒」「純米大吟醸酒」は、すべて特定名称酒です。

詳細を知りたい方は、次のサイトをご覧ください。

長期熟成酒 流転 純米酒(1986年)

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少し茶色がかった黄色。
香り
酸味と旨みが混じった香り。

最初は、程よい旨味でふっくら感があり、少しだけオイリーな感じがあったのち、スーと抜ける。
とてもまろやかです。
時間を置いてからいただくと、まろやかさは残りながら、しいたけのだしのような旨味がぎゅっと来ます。
余韻は、ほどよい苦味とほんの少しの苦味が残りますが、それほど長くないですね。
マリアージュ
揚げ物が食べたくなります、とんかつとかじゃなくて、天ぷらとか、唐揚げとか。

流転 純米酒 1986年
原料:米・米麹
原料米:会津産五百万石
精米歩合:60%
アルコール度数:15度
日本酒度:+3.0〜+4.0
酸度:1.3〜1.5
アミノ酸度:0.9〜1.1
酵母:協会9号
貯蔵:冷暗所・冷蔵庫
製造年月:2019年6月
価格:1,100円(税込)(300ml)

長期熟成酒 流転 本醸造酒(1988年)

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少し赤みがかった濃いめの茶色、少しもやっとした感じ。
香り
甘酢っばい、アプリコットのような香りが、スーと抜ける。

最初は、パッと甘みと旨味がありふっくらした感じがあるが、少しだけ苦味があり、ばっと抜ける。
なんとも心地よい、甘い夢からさっと覚め、その後も余韻にしばらく浸っていられる感じ。
最後はほんの少しだけ苦味が残り、余韻がじんわりと続く。
マリアージュ
これだけでもずっといただけますが、こってりとした料理、たとえば中華やデザートにも合いそうです。

流転 本醸造酒 1988年
原料 米・米麹・醸造アルコール
原料米:国産
精米歩合:70%
アルコール度数:15度
日本酒度:-3.5〜-4.5
酸度:1.9〜2.1
アミノ酸度:1.4〜1.6
酵母:協会7号
貯蔵:冷暗所・冷蔵庫
製造年月:2019年2月
価格:943円(税込)(300ml)

長期熟成酒 流転 純米大吟醸酒(1989年)

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茶色がかった琥珀色。
香り
少し黒砂糖のような甘みを感じるが、酸味も感じ、すっきりとした香り。

大吟醸だがフルーティーな感じはない。
最初は、少しだけ甘さがある旨みを感じるが(香りから想像するほどの甘さはない)、酸味のあと、苦味と渋みが残り、スッキリとした味わい。
苦味と渋みの余韻がじわっと続く。
マリアージュ
少しこってりとしたものや、甘いもの(例えばチョコレート)、チーズとかとも合いそうです。

流転 純米大吟醸 1989年
原料 米・米麹
原料米:会津産五百万石
精米歩合:50%
アルコール度数:16度
日本酒度:+1.4〜+1.6
酸度:2.0〜2.2
アミノ酸度:2.0〜2.2
酵母:末廣酵母
貯蔵:冷暗所・冷蔵庫
製造年月:2019年4月
価格:1,650円(税込)(300ml)

感想

純米酒は、本醸造酒や純米大吟醸酒より熟成期間が数年長く、また、酒蔵では3つとも同じ条件下で貯蔵・熟成されていたと思うのですが、どうして、純米酒の色が一番薄いのかな、と思いました。
通常は、純米酒の方が少なくとも純米大吟醸酒よりは、濃い色になると思います。

末廣酒造さんのサイトには、お酒のスペックが大変細かく書いてあります。
上記の瓶の裏ラベルの写真を見ていただくと、杜氏さんからのひとことが記載されていますが、杜氏さんからそれぞれの古酒・熟成酒についての言葉は、サイトにもありました。
ひとつひとつとても大切に造られていて、また、消費者思いだな、と思いました。

末廣酒造さんのサイト:

流転 純米酒 1986年

流転 本醸造酒 1988年

流転 純米大吟醸酒 1989年

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