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日本酒古酒・熟成酒飲み比べ(愛知県津島市 割田屋酒造 「超然」 1994年・1993年)米の作況指数違い

長期熟成酒研究会が運営する、東京・新橋の「熟成古酒処」で、オススメだった、大吟醸酒を、醸造年度違いで飲み比べてみました。

お酒は、愛知県津島市の割田屋酒造さんの「超然」。
純米酒、精米歩合40%、アルコール度数16度以上17度未満です。

1994年ものと、1993年ものの、たった一年違いですが、さて、どれくらい差があるでしょうか。

原料米が収穫されたのは、醸造年度の前年だったようで、つまり、93年と92年なのですが、実は、この2年、米の作況指数が大きく違っていたのです。

なので、作況指数が良くないと、香味ももうひとつなのかな、と予想しながら、試してみました。

さぁ、飲み比べ!

「超然」94年ものが右、93年ものが左

まず、1993年収穫のお米を使った、94年もの。

収穫時の作況指数は、愛知が94、兵庫が96でした。
これは、大変な米不足だったことを示していて、ニュースでタイ米の輸入が報じられたのを覚えている方も多いのでは。

外観は、べっこう飴のように黄色っぽい。

キンモクセイ、くり、はちみつ、ご飯の香りがありました。

いただくと、甘旨味のあと、ほどよい渋味があります。
まろやかで、とろみも感じるおいしさでした。

次に、1992年のお米を使ってた93年もの。

作況指数は、愛知が105、兵庫が103で、平均の100より高く、お米がよく収穫された年でした。

外観は、琥珀色で、94年ものより濃く、きらきらしています。

チョコレート、黒砂糖、マカデミアナッツ、椎茸の甘煮のような香りがありました。

程よい甘味に旨味と酸味が加わり、とりわけ旨味がひろがりつつ、渋味と苦味が続きます。
全体的にさらっとして、94年もののまろやかさとは、また別種のおいしさでした。

ちなみに、どちらも、12度から20度くらいの常温で、お酒屋さんの酒蔵で瓶熟成されていたそうです。
原料米は山田錦だろう、とのことでした。

「だろう」と推測なのは、造られた当時のことを酒蔵さんに聞いてみたかったのに、残念ながら廃業されてしまったからです。

なので、新酒のときどうだったかも、今となっては不明です…

まとめ

作況指数の良し悪しは、日本酒の香味の良し悪しにはどうも関係なく、どちらでもおいしい日本酒は造れるようです。

先に書いたように新酒のときのことは不明なのですが、少なくとも、古酒熟成酒であれば、そう言えるのでは。

ただ、味わいはやはり違っていて、「超然」の場合は、作況指数が悪い年の酒米ではまろやかなもの、作況指数が良い年の酒米ではすっきりしたものになっていました。

醸造年度によっても、自分の好みが選べるのが、熟成酒の魅力ですね!

とても興味深い飲み比べでした。

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