『優等生』

長年、悩んでいる事がある。それがAC特有の悩みであると認識したのはつい最近の事。

『人前で自分を取り繕ってしまう』

どの場面でも、その場の『優等生』であろうとしてしまう。完全に無意識である。

人前で自分の弱点や、ダークな部分を出すことができない。本当に面白味のない人間だと自分でも自覚している。

人から好かれやすい。‘接しやすい人だ’、と。

相手が好みやすい行為・表情を即座に判断し実行しているのだから当たり前のことだ。

ただ、『それだけ』なのだ。ただの『いいこちゃん』なのだ。

長く続くような交友関係にはなりにくく、存在感がまるで薄い人。

昔付き合っていた人に言われた衝撃的な言葉で、今でも覚えているのは

『俺のこと本当に好きなの?』

私がどんなに相手を想っていて好きでも、相手にとって私は`素をだしてもらえていない’‘信用されていない’‘何を考えているのか分らない’となってしまう。

とても悲しい。

どうしたら相手に自分の気持ちがきちんと伝わるのかが全く分からなかった。

過去形で書いてはいるが、今付き合っている彼氏にもきちんと気持ちが伝わっているのか、正直今でも心配ではある。

話は『優等生』に戻るが、結局人は優等生には魅力を感じない。

つまらないのだ。

学校の先生が良い例だ。

授業態度はよく、テストの点数もよい、挨拶もしっかりする大人しい子。

そりゃ多忙な先生からみれば『楽』だし内申点も高くつけてくれる。

でも、果たして先生の『記憶』に残るのか?

残るわけがない。

よく、卒業した後に『母校に遊びに行った』という同級生がいたが、とても驚いた。

先生が卒業後も自分のことを覚えていてくれている自信なんて、一体どこから湧いてくるの?と。

私なんかきっと、先生に街中で会っても絶対に反応してくれない自信がある。

もしも何かで母校にいく機会なんかがあれば、恥をかく前に絶対自ら自己紹介をしてしまうだろう…それも『優等生』の笑顔で…

親に『優等生』『いいこちゃん』であるよう、強制的に育てられた子どもの現在の姿は実に哀れなものだな、と自虐してしまう。

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