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お城のおそうじやさん #15

大臣の部屋にある椅子を使い、

シャンデリアに括りつけられた魔法の杖を取り外すと、

カラは窓の外で待ち構えていたフィンの背中におんぶされ

7階の女王の部屋へと降りました。


カラの到着を待っていたレオノール女王。

カラに感謝の言葉を伝えると、魔法の杖を手に取り呪文を唱えます。

醜い姿の獣は、一瞬にして紫色の煙に包まれました。

数秒後、煙の中から元の人間の姿へと戻ったレオノール女王が現れました。

気品と威厳を兼ね備えたその姿は、誰の目にもそれが女王であるとわかる

オーラを纏っていました。

程なくしてヤヌー大臣が部屋に入ってきました。

「しまった!」

「ヤヌー、お前とアビドラの悪事は許さない。

これから国中にお前たちの悪事をばらし厳しい罪を科す。

ここまでだ観念しろ!」


その時です。

女王に向かってヤヌーが襲いかかりました。


バシッ!

乾いた音とともに大臣が床に倒れました。

扉の外で待ち構えていたレジーナが、

ほうきでヤヌーの頭をたたき気絶させたのです。

「やったわ!」

レジーナが満面の笑みでカラと女王を見ます。

カラは緊張の糸が解けたのか、涙を浮かべヘナヘナと床に座り込みました。

「ありがとう。本当にありがとう。あなたたちのおかげです。

ここからは私の出番。

勲章授与式の場で、私の身に起こった真実を話してきます。

そして弟のアビドラを捕まえてきます。

本当にありがとう。このお礼は必ず」

そういうとレオノールは、背筋を伸ばしカラたちに一礼すると、

大広間へと向かって行きました。


「よかった。私たちが女王を救ったんだ!」

「ええそうよ。このお城に勤めて50年、一番ドキドキしたわ!

最高の気分。あなたの勇気のおかげね」

「みんなの力ですよ!」

カラは涙目に笑みを浮かべます。

「じゃあ、あとはレオノール女王にまかせて、

私たちは、そうじかかりの部屋に戻りましょうか」


つづく

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