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年間大賞チラシはどの公演!? おちらしさんアワード2022~舞台版~

こんにちは。おちらしさんスタッフのしみちゃんです!

チラシ宅配サービス「おちらしさん」では、2020年より、その年に配られた舞台公演・美術展チラシの年間大賞を決めるイベント「おちらしさんアワード」を行っています。

<おちらしさんアワード特設ページはこちら>

今年の2022年版は、2022年12月15日~2023年1月8日までWEB投票を受け付けていました。ご投票くださった観客の皆さま、盛り上げてくださった公演・展示団体の皆さま、本当にありがとうございました!!

例年より多くの票数が集まり、ランクインしたチラシの数もグンと増えました……! その数はなんと舞台版で146種類!! 

こちらの記事では結果発表として、上位1~9位に輝いたチラシ11作品をご紹介します。どのチラシのどんな部分に多くのお声が集まったのでしょうか!? 投票の際にいただいた観客の方からのコメントや、公演主催団体・デザイナーの方からも受賞記念コメントをいただき、ご紹介しています。それでは、最後までどうぞお楽しみください!

▽「おちらしさんアワード2022~美術版~」結果発表はこちら▽


第1位 ミュージカル『キングアーサー』

■ <東京公演>新国立劇場 中劇場
2023年1月12日(木)~2月5日(日) 上演中
※1月12日(木)~1月15日(日)は中止
■ <群馬公演>高崎芸術劇場 大劇場
2023年2月11日(土・祝)〜12日(日) 開催予定
■ <兵庫公演>兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
2023年2月24日(金)〜26日(日) 開催予定
■ <愛知公演>刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール
2023年3月4日(土)~5日(日) 開催予定

見事、第1位に選ばれたのは、ただいま新国立劇場 中劇場で上演中のミュージカル『キングアーサー』です!! こちらのチラシは、一目見たときからカッコイイ! ミュージカルのチラシにありそうでなかった写真から物語が見えてくるデザインが特徴です。

表面には、メインキャスト11人が勢ぞろい。暗雲が立ち込める世界で彼らが躍動する物語が浮かび上がります。「上部にいるキャラクターは魔力で支配しているのかな?」「下部のキャラクターは剣で戦うのかな?」「ヒロインの顔の半分に影が差しているのは?」などなど、構図やコスチュームからストーリーが気になってきませんか……!?

一般的に海外ミュージカルの日本版チラシは、各国のカンパニー共通で使用されているロゴや、キャスト数人での写真が多いもの。版権等の制約があるためとも言われますが、作品自体のイメージだけでなく、キャラクターたちの光と闇、さらには物語の行方まで暗示させるようなデザインの『キングアーサー』チラシは目立ちますよね……!

裏面にもフルコスチュームのお写真が! 全身が観られるチラシも意外とない……! 皆さまからは「衣装、照明共に素晴らしい重厚感!」「ダークな陰影が荘厳でカッコいい」「アーサー王伝説の世界に気持ちが持っていかれます」といったコメントもいただきました。上演真っ最中ですので、チラシに描かれた壮大な神話の世界へ飛び込みたい方は、どうぞお早めに劇場へ足を運んでみてください!

第2位 ぽこぽこクラブvol.8 『光垂れーる』

■ 紀伊國屋ホール
2022年3月3日 (木) ~6日 (日)

第2位に選ばれたのは、紀伊國屋ホールで上演されました、ぽこぽこクラブvol.8 『光垂れーる』です。こちらはA4サイズの2つ折りチラシ。つまり開くとA3サイズになるのですが……ご覧ください!! この圧倒的な密度!!!

拡大してもおもしろ可愛いですよ!

描かれているのは百鬼夜行でしょうか? 妖怪や動物、骸骨などがひしめき、三途の川沿いを行脚しているかのようです。背景のビビットな色合い、ドドンと置かれたタイトル文字からはポップなイメージが際立ち、彼らの活気ある雰囲気とマッチしていてなんだかワイワイと楽しそう!

ところが一転、裏面は真っ黒なんです!! キャストの顔写真も暗闇に浮かび上がっているようなデザイン。賑やかさと静寂のコントラストから、「生と死」という物語のテーマが伝わってきます。

「ビビットカラー同士なのに喧嘩せず、とにかくかっこいいと思った1枚」「イラストが細かく、いくらでも見ていられそう」というコメントもいたただきました。奇抜でありながら、計算し尽くされたチラシデザインです!

ぽこぽこクラブさん よりコメント

デザインに勝ち負けなんてありませんが、認められる事は…めっちゃくちゃありがたいし嬉しいです。
ぽこぽこクラブは今年で10周年を迎えます。
いろんな出逢いがある中で、滋賀県にある、やまなみ工房さんの鵜飼さんと出逢い、初めてコラボレーションして作ったチラシです。素敵な絵画を物語によせていく。芝居を見る前に見たチラシが、芝居を見終わった後に見ると違った意味に感じるチラシになったので、いろんな縁や運命の中でできた作品だと思います。

第3位 2022年 劇団☆新感線 42周年興行・秋公演
SHINKANSEN☆RX 薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-

■ <富山公演>オーバード・ホール
2022年9月9日(金)~11日(日)
■ <新潟公演>新潟県民会館 大ホール
2022年9月22日(木)〜25日(日)
■ <大阪公演>フェスティバルホール
2022年10月5日(水)〜20日(木)
■ <東京公演>新橋演舞場
2022年11月1日(火)~12月6日(火)

第3位に選ばれたのは、新橋演舞場ほかで上演されました、劇団☆新感線 『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』です。公演期間の終了後にも映画館でディレイビューイングが行われ、ご覧になった方も多いのではないでしょうか? 

こちらもA4サイズの二つ折りチラシ。大航海時代の地図を彷彿とさせる表面を開くと、主演の古田新太さん・天海祐希さんのお二人が登場!!!

思わず手を止め、惚れ惚れとしてしまうこと間違いなし。ピンクを基調とした華やかさがありながら、懐かしのハリウッド映画ポスターに通じるハードボイルドな雰囲気も感じられます。まさに“スタア集結”といった様相。裏面も表のタイトルと同じく気品溢れる金のインクが使われ、劇団☆新感線らしい謳い文句が気持ち良く踊ります……!

部屋に飾っています!」「これぞ薔薇サム!」「大好きな二人がそこにカッコよくいるだけで最高」といったコメントもいただきました。ファン待望の続編への期待をさらに上回る、素晴らしい1枚です!

第4位 演劇企画集団Jr.5「ねじ廻る」

■ ウエストエンドスタジオ
2022年12月21日(水)~26日 (月)

第4位に選ばれたのは、ウエストエンドスタジオで上演されました、演劇企画集団Jr.5「ねじ廻る」です。“とある港町にある小さな町工場”が物語の舞台とのことですが、まずはタイトルロゴをご覧ください。ネジだ!!!!!

「じ」の濁点はスパナに、「る」はメジャーでしょうか? チラシ裏面の公演スケジュールにも船の舵やナットが登場し、細部まで作品のモチーフが散りばめられています。愛らしく親近感があるこだわりですね!

しかし一番コメントが集まったのは表面の写真。ほとんどのキャストが同じ方向を見つめる中、中央の男性だけが別の方向を向いているのです……! どうして!? この謎に気づいてしまったら、もう観に行くしかないでしょう!

1人だけ反対方向を向いている意味深なチラシ」というお声と、「実際に観劇したらチラシ全体のイメージとピッタリ合致した」というお声まで。私もストーリーへの想像が膨らみ、今ものすごく気になって気になって仕方がありません……。劇場でこの謎を解き明かしたいと思わせる仕掛けにあっぱれです!!

大嶽典子 さん よりコメント(宣伝美術)

数あるチラシの中から『ねじ廻る』を選んでくださり、ありがとうございます。私は普段、役者として活動していまして、ひょんなことから今回初めて宣伝美術を担当しました。デザインソフトをダウンロードするところから始まったこのチラシが、まさかこんな評価をいただけるなんて夢にも思わず、嬉しさのあまり小躍りしてしまいました。ちょっぴり調子に乗りました。本当にありがとうございます。

『ねじ廻る』をご覧になった方はお気づきかと思いますが、チラシのキャストの衣裳は作品にまったく関係ありません(笑)。チラシ撮影時にはタイトルも内容も決まっていなかったので、カメラマンさんの力をお借りし、さまざまなバリエーションで撮影しました。寒い中、撮影に協力してくれたキャストの皆さんにも感謝です。

尊敬する役者の先輩が「お客さまがチラシを手に取ったときから演劇は始まっている」と仰っていました。私も今回チラシを一から作ってみて、改めてそう思いました。チラシも演劇作品の一部です。今後も、想像を掻き立てられるチラシ作り、作品創りを劇団として目指して行けたらと思います。またお会いできますように…!ありがとうございました。

第5位 KERA・MAP #010「しびれ雲」

■ <東京公演>下北沢 本多劇場
2022年11月6日(日)〜12月4日(日)
※11月6日(日)~12日(土)13時公演は中止
■ <兵庫公演>兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2022年12月8日(木)〜11日(日)
■ <北九州公演>北九州芸術劇場 中劇場
2022年12月17日(土)〜18日(日)
■ <新潟公演>りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
2022年12月24日(土)〜25日(日)

第5位に選ばれたのは、本多劇場ほかで上演されました、KERA・MAP #010「しびれ雲」です。こちらのチラシを手にして真っ先に気になるのは、触りごこちでしょう。表面はパルプの繊維を感じるような柔らかい仕上がり。ほわんとしたやさしい色味と相まって、懐かしくホッとするような雰囲気です。

一方で、二つ折り部分を開いた面は、つるっと光沢のある質感。昔のデパートの包装紙のような雰囲気とでも言いましょうか。オフホワイトの地に、青いインクでの印刷がなんとも古風でイカしています……!

のんびりとした世界観が伝わるチラシ」「劇場でも表のベージュの版画が配られ、大事にとっています」「観劇できなかったのが悔しい……」といったコメントもいただきました。

キャストの扮装写真や縦書きの文字、そして広い海を臨む写真まで。構成するすべての要素が絶妙にマッチして独特の雰囲気を作り出し、「チラシはひとつの作品」であると納得の1枚です!

榎本太郎 さん よりコメント(デザイナー)

地味〜〜?なチラシへの評価、ありがとうございました。
一緒に作ってくださったKERAさん、キャスト・スタッフのみなさまありがとうございます。
以下、公演パンフレットのコメントより抜粋です。
KERAさんからはオンラインのミーティングにて、「なんでもない感じ」「がんばった感じにしたくない」といったことを伝えられました。
いろいろあれこれとほかにもお話はしましたが、要するに、「なんでもないものに」…と。
かねてからマークしておりました青木鐵夫さんの版画を使うことをご提案しましたら無事にOK、
あとはもう、できるだけノンビリ、淡々と。おじいちゃんのデザイナーが普通に普通にいつもいつもやってきたみたいに。余計なことは一切しないよう、心がけました。
自分の気配がスッカラカンに消せて、うまくいった……のかも、と振り返ることができます。誰がやってもこうなった、誰がやったか気にもならない。
チラシの用紙ですが、なにがなんでも表裏差があった方が良いと判断しまして、当初在庫ナシ・ご用意不可、とされた紙をどうにか手配してくださった大熊整美堂さん、ご担当の小島さんには感謝しかございません。なんとかしてくれてありがとうございます。

第6位 新国立劇場 開場25周年記念公演
『レオポルトシュタット』

■ 新国立劇場 中劇場
2022年10月14日(金)~ 31日(月)

第6位に選ばれたのは、新国立劇場 中劇場にて上演されました、新国立劇場『レオポルトシュタット』です。今年に入ってからナショナル・シアター・ライブでの上映も人気だというこちらの作品。ユダヤ人一家が辿った激動の56年を描いた歴史物らしく、タイトルの箔押しが重厚な雰囲気を醸し出します。イラストで描かれた立派なソファも、ずっとそこにあるかのようで象徴的ですよね。

二つ折り部分を開くと、あらすじやキャスト写真とともに地図と家系図が。 家系図下に書かれたセリフからも脈々と続いてきた家族像が伝わってきます。ユダヤ人居住区であるレオポルトシュタットも見えますでしょうか? 「金×黄色×紫」という色の組み合わせも高貴で、お金持ちのような雰囲気です。

チラシ上部の地図にはレオポルトシュタットが!
5代に渡る家族、総勢25人が劇中に登場。
「私たちが立ってるこの台地にはもはや旗はない」との
セリフがニスの透かしで入っています。

ところがこのチラシに詰め込まれた家族や家、財産といったモチーフはまさしく一家が劇中で失うもの。観劇後に見てみると、築いてきたものを理不尽に奪われた彼らの切なさと哀しみが感じられるようです。「チラシのゴージャスな世界がだんだん崩壊していく様が舞台で語られ、いっそう印象的でした」というコメントも寄せられました。

第7位 トラム、二人芝居
『建築家とアッシリア皇帝』

■ シアタートラム
2022年11月21日(月) ~ 12月11日(日)

第8位は同率で2つのチラシをご紹介します! 1つ目は、シアタートラムで上演されました、トラム、二人芝居 『建築家とアッシリア皇帝』です。縦横の目地が見える油絵のカンバスのような紙に、アッと目を惹かれる鮮やかな極彩色。そしてタキシードの黒。その鮮烈さに「きっととんでもない二人芝居に違いない」という第一印象が今、脳に刻み込まれましたね……。

それもそのはず、この作品は一言でいうとまさにカオス!!! 二人きりの島で“皇帝”と“建築家”がひたすらに喋り、ありとあらゆるものを演じるという観た人にしか通じないであろう物語と世界観なのですが、チラシからもカオスが伺えます。まずはタイトル部分。「建築家」「と」「アッシリア」「皇帝」で4種類のフォントがバラバラに使われています。一見スタイリッシュなようでこんなおかしな題字、見たことがありますか!?

チラシ裏面上部にある解説にも注目すると、漢数字は太さがすべて均一なゴシック体、ひらがなやカタカナにはアンチック体のような丸い雰囲気の文字に。この使い分けはマンガのセリフ部分で見かけるものです!

ネジ巻きのついた脳みそ、一つ目の太陽、ビル群とガレキ、バラの花。そして岡本健一さんの影には、被っていないはずの王冠。あらゆるものが詰め込まれた様はゴチャゴチャなおもちゃ箱のよう常識を超えた混沌の世界をいかに楽しめるか。そんなメッセージも感じます。「表面と裏面の服装から、写真の二人は同一人物なのではないかと思った」というコメントもいただきましたが、果たして……?

秋澤一彰 さん よりコメント(デザイナー)

戯曲に向かいあって途方にくれましたが、演出家と言葉を交わし、プロデューサー、芸術監督からのアドバイスを頂き、撮影時はキャスト2人の表現力、宣伝チームに助けて頂きました。
あの世ともこの世とも解らない孤島(世界)が、私達の世界とどこかで繋がっていると感じられるヴィジュアルにしようと決めました。
撮影からデザインに落とし込むまでは、ワクワクとドキドキの連続でした。楽しい時間をありがとうございます。(この時間はデザイナーの特権ですね。)
このヴィジュアルが皆さんの世界と舞台を繋ぐものであったのなら幸いです。

第7位 ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』

■ <東京公演>帝国劇場
2022年2月3日(木)〜19日(土)
※2月3日(木)~9日(水)は中止
■ <大阪公演>梅田芸術劇場メインホール
2022年3月11日(金)〜3月13日(日)
■ <福岡公演>博多座
2022年3月18日(金)〜28日(月)

第7位の2つ目は同率で4つのチラシをご紹介します! 2つ目は帝国劇場ほかで上演されました、ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』です。こちらの作品は韓国で初演され、日本では昨年が再演となったミュージカル。韓国ミュージカルはゴシック的なビジュアルのイメージが強く、退廃的な美しさを目指したものが多い印象。日本での初演の際にもそれに準じたようなチラシでしたが、再演版で際立つのはむしろキラキラとした透明感!!

チラシの表面では吹雪を思い起こさせるさせる白い布と雪に反射したきらめきが見え、冬の澄んだ空気まで感じるようです。2月という上演時期にもぴったりで素敵ですが、そのあたりもガラッとデザインを一新させる一因となったのでしょうか……?

チラシ裏面の主役・グウィンプレンを演じる、浦井健治さんのお写真にも「横顔が儚くて好きです」「雪が降るとあのポーズを思い出します」とのコメントが。「初演とまた違う感じのチラシで、おおっと思いました」とのお声もあり、一度観た人もまた観たいと感じる新鮮さが多くの方の心を惹き付けたようです!

第9位 パルコ・プロデュース2022『幽霊はここにいる』

チラシのお写真は、公演HPにてご覧いただけます↓↓

■ <東京公演>PARCO劇場
2022年12月8日(木)〜26日(月)
■ <大阪公演>森ノ宮ピロティホール
2023年1月11日(水)〜1月16日(月)

第9位は同率で3つのチラシをご紹介します! 1つ目は、PARCO劇場ほかで上演されました、パルコ・プロデュース2022『幽霊はここにいる』です。このチラシは白・黒・銀で構成された、モノトーンなデザインが珍しい1枚。引っ掻いて書かれたようなタイトル文字、チラシ中央にあるキャストの顔写真を集めた人形(ひとがた)が、白昼夢かのような不気味な雰囲気を醸し出しています。

キャスト写真部分は動きがブレているかのように銀のインクが重ねられ、チラシをチラチラ動かすと残像が見えるんです。これがなんとも怖ろしい!!!! 作品は喜劇的戯曲とのことですが、夜中にこのチラシを見たら背中がゾワッとしてしまう人が大半でしょう。白い余白部分もぽっかりと空いた不安感を誘うようです。「ゾワゾワする感じ」「顔がはっきりと映っていないのが怖い」とのコメントも寄せられました。

実はこの怖さ、もっと前から積み重ねられていました。本チラシより先に配布されていた仮チラシがこちら。

まず真っ先に読んでしまうのは、“死者の写真 高価買います”の文字。劇場でチラシ束をめくっていてこれが目に入ったなら、途端にゾッと体感温度が冷えること間違いなし。怖いものほど一度目にしたら気にかかってしまうものですから、公演のことも頭から離れなくなるかもしれません……。

榎本太郎 さん よりコメント(デザイナー)

シュールでナンセンス だけど どこか夢夢しい
というキャッチコピーに似合った感じに作れたかな、と思います。
本番の舞台は美しく、すばらしかったです!
ヌーっとした神山さんのシルエットはウルトラセブン「ダーク・ゾーン」のヤツです。

第9位 虚構の劇団 解散公演『日本人のへそ』

■ <東京公演>座・高円寺 1
2022年10月21日(金)〜30日(日)
■ <大阪公演>近鉄アート館
2022年11月4日(金)〜6日(日)
■ <愛媛公演>あかがねミュージアム あかがね座
2022年11月12日(土)〜13日(日)
■ <東京凱旋公演>東京芸術劇場 シアターウエスト
2022年12月1日(木)〜11日(日)

第9位の2つ目は、座・高円寺 1ほかで上演されました、虚構の劇団 解散公演『日本人のへそ』です。こちらのチラシは第7位の『建築家とアッシリア皇帝』ともまた違った、しっちゃかめっちゃかさがパワフルな1枚。

タイトルの通り、真ん中に見えるのは「へそ」。そして日本らしさを連想させる刀、盆栽、東京タワー、カラフルな卒塔婆、丸めがね、毛筆で力強い題字!! なんだかよくは分からないけれど、それでもアイデンティティと言いますか、自分ごとのひとつとして捉えてしまう身近さを感じるのが不思議です。

ドーンとめいっぱいに大きく迫るようなデザインは、見ているだけでどこかワクワクした気持ちになり、元気までも湧いてきませんか!? 「雑多な感じが混沌とした世の中のようで、衣を着ていない女性までもがその中で生き抜いている様が良いと思った」というコメントもいただきました。

劇団の解散公演でもあった今作。16年間で積み上げられてきたパッションとインスピレーションが爆発し、ドカーンと大きな花を咲かせる。そんな力強さも伝わってきます!

末吉亮 さん(図工ファイブ)よりコメント(デザイナー)

虚構の劇団 解散公演「日本人のへそ」フライヤーにご投票いただきありがとうございます!
「虚構の劇団」解散公演とのことで、最後の大花火に相応しく、作品の舞台となった時代や場所から「明るくてダサくて優しくて哀しかったあの頃の日本人の祭り」をイメージしてあれこれ掻き集めて撮影&デザインしました。
コロナ禍で開催中断を経ましたが、無事幕が上がって感無量でした。
撮影に使った盆栽は、その後も我が家で大切に育てております。

虚構の劇団 制作スタッフさんよりコメント

この度、15年間続いた「虚構の劇団」の解散公演として、井上ひさしさんのデビュー作「日本人のへそ」を上演させていただきました。
このフライヤーは、おもちゃ箱をひっくり返した様なエネルギーあふれる混沌とした作品に、劇団の総力をあげて挑む気合をデザイナーの末吉さんに伝えて作成して頂きました。
今回投票いただいた皆様をはじめ、15年間劇団を支え・応援して頂いた全ての方に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

第9位 新国立劇場 演劇 2021/2022シーズン シリーズ
「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」Vol.2『ロビー・ヒーロー』

■ 新国立劇場 小劇場
2022年5月6日(金)~ 22日(日)
※プレビュー公演 2022年5月1日(日)~2日(月)

第9位の3つ目、最後にご紹介するのは、新国立劇場 小劇場で上演されました、新国立劇場「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」Vol.2『ロビー・ヒーロー』です。高層マンションのロビーを舞台に、4人の人物が登場する会話劇なのですが、すごいのはチラシを見るだけでそれが瞬時に分かってしまうこと。なんとアメリカのコミックのようなイラストで、物語の設定がそのまま描かれています

コマが進むと向かいの建物の電気が消えていたり、ロビーにいる人が変わっていたり……。セリフも普段の会話のようで親しみやすさがありますよね。チラシ裏面では「正義」がテーマとの説明も入っていますが、初めて劇場に行ってみたいと思っている人や、翻訳劇にチャレンジしてみたい人でも楽しく観られそう!!

(右)チラシ上から1コマ目/(右)チラシ上から2コマ目

ちなみに今まさに描き途中のコマを描いている手は、戯曲の作者であるケネス・ロナーガンさんの写真を元に描かれているそう! 細部までこだわりがたっぷりです。

実はこのチラシ、シリーズ「声」として3つの作品のチラシがセットでデザインされていたうちの2作目。3作すべてを並べてみると、さらに細かい設定に気づくことができるんですよ……! 「1枚でもかっこ良くて、シリーズで3枚揃えて並べても素晴らしい」というコメントもいただきました。気になる方は、おちらしさんWEBで特集した記事も読んでみてくださいね!!


以上、9位までチラシ11点をご紹介いたしました! おちらしさんアワードは今回3度目の開催となりましたが、年々右肩上がりで多くの投票をいただいています。皆さまと公演チラシを話題に盛り上がれましたこと、本当に嬉しい想いです! お気に入りのチラシへ票やコメントを寄せてくださった観客の皆さま、盛り上がりを作り、ご協力くださった公演団体の皆さま、本当にありがとうございました!! 

2022年は残念ながら公演中止・延期となってしまう作品も多くありましたが、それでもチラシは作られ、観客の皆さまのお手元へ渡っています。おちらしさんでは、チラシに込められた作品への想いやメッセージを大切にお預かりし、これからも公演団体の皆さまと観客の皆さまとをお繋ぎしていきたいです。

さて、惜しくも9位までにランクインしなかったチラシも、たくさんの投票をいただきました。 お名前の挙がったすべてのチラシをご紹介します!

おちらしさんアワード2022~舞台版~
全チラシご紹介

第1位 ミュージカル『キングアーサー』
第2位 ぽこぽこクラブvol.8 『光垂れーる』
第3位 2022年 劇団☆新感線 42周年興行・秋公演 SHINKANSEN☆RX 薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-
第4位 演劇企画集団Jr.5「ねじ廻る」
第5位 KERA・MAP #010「しびれ雲」
第6位 新国立劇場 開場25周年記念公演『レオポルトシュタット』
第7位 トラム、二人芝居 『建築家とアッシリア皇帝』
第7位 ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』
第9位 パルコ・プロデュース2022『幽霊はここにいる』
第9位 虚構の劇団 解散公演『日本人のへそ』
第9位 新国立劇場 演劇 2021/2022シーズン シリーズ「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」Vol.2『ロビー・ヒーロー』


(以下、順不同)
「Forever Plaid」
「進撃の巨人」-the Musical-
『血の婚礼』
『血は立ったまま眠っている』
『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』
『女の友情と筋肉 THE MUSICAL』
2022年劇団☆新感線 42周年興行 春公演 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』
20歳の国『ホテル』
CAT-A-TAC Presents「CAT-A-TAC SHOW」
CAT-A-TAC Presents「ふじたよしひろのオノマトペの国」
COCOON PRODUCTION 2022 DISCOVER WORLD THEATRE vol.12『みんな我が子 -All My Sons-』
COCOON PRODUCTION 2022『ツダマンの世界』
COCOON PRODUCTION 2022『ツダマンの世界』仮チラシ
COCOON PRODUCTION 2023『シブヤデマタアイマショウ』仮チラシ
cube 25th presents 音楽劇「夜来香ラプソディ」
EPOCH MAN『鶴かもしれない2022』
GORCH BROTHERS2.1 『MUDLARKS -マッドラークス-』
iaku『あつい胸さわぎ』
JACROW#28『鶏口牛後』
KAAT2022年度 メインシーズン「忘」シーズンチラシ
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』
Manhattan96 Revue~白昼のグリーンジャーニー~
MURDER FOR TWO
NODA・MAP 第25回公演 『Q:A Night at the Kabuki』
NonoNote. 旗揚げ公演「ある母の記録」
PARCO PRODUCE『粛々と運針』
SePT独舞 Vol.23 スズキ拓朗『GHOST』
TACT FESTIVAL 2022『もつれる水滴』
THE BOY FROM OZ Supported by JACCS
TRUMPシリーズ最新作 ミュージカル『ヴェラキッカ』
Yoshiki Yamamoto Solo Musical『ロートレック』
conSept ヤングアダルト・シリーズ #1『アーモンド』
アガリスクエンターテイメント第29回公演『SHINE SHOW!』
アガリスクエンターテイメント番外公演『ナイゲン(2022年版)』
イキウメ『天の敵』
キ上の空論 狂愛と共生の三部作 第二弾 #16『ピーチオンザビーチノーマンズランド』
グッドディスタンス-風がつなげた物語-『月と座る』『珠子が居なくなった』
グッドディスタンス風吹く街の短篇集 第六章『仮説に、ゆれる』『犬も食わない』
熊川哲也 K-BALLET COMPANY Autumn Tour 2022『クレオパトラ』
ゴジゲン第18回公演「かえりにち」
コトリ会議 2022年ツアー『全部あったかいものは』
こまつ座 第145回公演『吾輩は漱石である』
シアターキューブリック結成20周年記念公演第二弾『葡萄酒いろのミストラル』
シアタークリエ 『4000マイルズ~旅立ちの時~』
シアタークリエ ミュージカル『リトルプリンス』
シス・カンパニー公演『奇蹟』
シネマ歌舞伎『桜姫東文章』
ジョンソン&ジャクソン「どうやらビターソウル」
新国立劇場 演劇 2022/2023シーズン 海外招聘公演『ガラスの動物園』
すみだ平和祈念音楽祭2022 下野竜也&新日本フィルハーモニー交響楽団
世田谷パブリックシアター『夏の砂の上』
タカハ劇団 第18回公演『ヒトラーを画家にする話』
ディミトリス・パパイオアヌー『TRANSVERSE ORIENTATION』
ぱぷりか『どっか行け!クソたいぎい我が人生』
パラダイス
パルコ・プロデュース 2022『セールスマンの死』
パルコ・プロデュース『裏切りの街』
パルコ・プロデュース2022「2020 ニーゼロニーゼロ」
パルコ・プロデュース2022「てなもんや三文オペラ」
パルコ・プロデュース2022『ロッキー・ホラー・ショー』
パルコ・プロデュース2022『凍える FROZEN』
舞台「もはやしずか」
ぽコラボ第1弾 ぽこぽこクラブ×西沢栄治『不動の衆』
星屑の会 演劇 リハビリ 公演 『王将』~2026 年『星屑の町 ~忘却篇』に向けて
ほろびて『苗をうえる』
マチルダアパルトマン アパルトマンシリーズ vol.2「サブマリン」
マペプロ『ティンカーベルの悪夢』
ミュージカル「The View Upstairs -君が見た、あの日-」
ミュージカル「スワンキング」
ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」
ミュージカル『アルジャーノンに花束を』
ミュージカル『ガイズ&ドールズ』
ミュージカル『キングアーサー』仮チラシ
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』
ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』
ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』
ミュージカル『ヘアスプレー』
ミュージカル『るろうに剣心 京都編』
ミュージカル・コメディ『恋のすべて』
ミュージカル・ショー『SEVEN-シンドバッド 7つの航海-』
ムシラセ 2022年本公演『瞬きと閃光』
ムニ新作公演『ことばにない』前編
モチロンプロデュース「阿修羅のごとく」
ヨーロッパ企画第41回公演「あんなに優しかったゴーレム」
ラヴ・レターズ~2022 Autumn Special~
りゅーとぴあ×世田谷パブリックシアター 『住所まちがい』
ロロ『ロマンティックコメディ』
ロロ新作本公演『ここは居心地がいいけど、もう行く』
阿佐ヶ谷スパイダース『老いと建築』
映画『トゥモロー・モーニング』
演劇集団円『ピローマン The PillowMan』
音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~』
果報プロデュース『あゆみ』
花組芝居 創立35周年記念公演 第一弾 花組ヌーベル『盟三五大切 -かみかけてさんごたいせつ-』
花組芝居 創立35周年記念公演 第二弾『鹿鳴館』
柿喰う客 新作本公演2022 『空鉄砲』
柿喰う客『禁猟区』
旗揚げ百周年記念公演 其のよん 中野坂上デーモンズ 第23回『十三月の混沌』
季刊誌 神奈川芸術劇場 「KAAT PAPER」 2022秋号
玉田企画『夏の砂の上』
劇団チョコレートケーキ「生き残った子孫たちへ 戦争六篇」
劇団マペヲ 再々々々結成 再々々々解散公演『西遊記ドラキュラ』
劇団晴天「捨て身のハンサム」
劇団扉座第73回公演『神遊(こころがよい)―馬琴と崋山―』
劇団扉座第74回公演『最後の伝令 菊谷栄物語 -1937津軽~浅草-』
劇団民藝2022年特別公演『破戒』
劇団民藝公演『グレイクリスマス』
彩の国シェイクスピア・シリーズ『ジョン王』
渋谷・コクーン歌舞伎 第十八弾『天日坊』
食む派 新作公演『ウインナ売り』
新国立劇場 演劇 2021/2022シーズン シリーズ「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」Vol.1『アンチポデス』
新国立劇場 演劇 2021/2022シーズン シリーズ「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」Vol.3『貴婦人の来訪』
新国立劇場 演劇 2022/2023シーズン【未来につなぐもの】Ⅰ『私の一ヶ月』
新国立劇場 演劇 2022/2023シーズン【未来につなぐもの】Ⅱ『夜明けの寄り鯨』
新作ミュージカル『COLOR』
深海洋燈 熱海殺人事件『売春捜査官』
世田谷アートタウン2022関連企画 カンパニーXY with ラシッド・ウランダン 『Möbius/メビウス』
青年団第96回公演 第22回鶴屋南北戯曲賞受賞作品『日本文学盛衰史』
中村蓉ダンス公演『花の名前』
帝国劇場 ミュージカル『エリザベート』
渡辺源四郎商店 第36回公演『親の顔が見たい』『コーラないんですけど』
日本総合悲劇協会Vol.7「ドライブイン カリフォルニア」
梅棒 14th WONDER『おどんろ』
梅棒 15th “RE”PLAY『シン・クロス ジンジャー ハリケーン』
舞台 『千と千尋の神隠しSpirited Away』
舞台「呪術廻戦」
舞台『M.バタフライ』
舞台『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』
舞台『ダイアナ』
舞台『テーバスランド』
舞台『野鴨 -Vildanden-』
平泳ぎ本店 第7回公演 『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』
宝塚歌劇団 花組公演『うたかたの恋』/『ENCHANTEMENT -華麗なる香水-』
妖精大図鑑「ASAKUSA THUNDER GATE」
流山児★事務所『ベンガルの虎』

(ランクインしたチラシの一部になります)

以上をもちまして、「おちらしさんアワード2022~舞台版~」の結果発表といたします。最後までお読みいただきありがとうございました! 美術版の「おちらしさんアワード2022」結果発表も、あわせてお楽しみください!!


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知れば知るほど面白い。チラシが手元に届くまで!
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