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日本美術をポップに楽しく!福田美術館『トラ時々ネコ 干支セトラ』

こんにちは。おちらしさんスタッフの水口です。
先日、福田美術館で開催中の企画展『トラ時々ネコ 干支セトラ』に行ってきました!
今回、初めて行ったのですが、「美術館そのもののおしゃれさ」と「企画の親しみやすさ」の両方を併せ持つ素敵な美術館・企画だったのでご紹介したいと思います!

福田美術館について

福田美術館は、京都の嵐山エリアに2019年にオープンした美術館です。
嵐山の中でも有名な渡月橋から、桂川を上流側へ歩いて少しの所に位置しています。

京都内でも有数の観光スポットの嵐山、その中でも特に有名な渡月橋。ここから徒歩3分のところに福田美術館があります。

福田美術館の外観は、伝統的な日本建築のエッセンスを含みつつもガラス張りになっており、洗練されたおしゃれな印象です。

福田美術館の外観。

企画展『トラ時々ネコ 干支セトラ』

今回の企画展は、2022年が寅年であることに加えて、先日2022年2月22日が「スーパー猫の日」だったこともあっての企画です。虎や猫にまつわる日本絵画のパートと、十二支が描かれた日本絵画を一堂に会したパートの2本立てとなっておりました。
チラシのビジュアルについては、「おちらしさんラジオ」でしみちゃん・ななみんの二人も紹介していましたね。

「トラ時々ネコ 干支セトラ」のビジュアル

また入口には、「ねこ様用顔はめパネル」なるものが…!!
ご家族のねこ様が、応挙の描いた虎とコラボ出来るなんて素敵ですよね。
ちなみに、「ねこ様用」なので、我々人間にはちょっと小さいので無理矢理はめないようにお気を付けください!

ねこ様用顔はめパネル。館内では「ねこ様用顔はめチラシ」もあったので、お留守番しているねこ様へお土産代わりに持って帰るのもおすすめです。

さて、展示会場に行ってみると、まず驚いたのが、一部の撮影NGの作品を除き全館写真撮影OKということ!良いと思った作品を撮影してもOKというのは有難いことです。撮影・録画・録音NGなことが多い観劇に行くことがメインなので新鮮に思いましたが、美術展は最近そのような試みを行うところも多いのでしょうか…?

さて、企画の中身を紹介していきましょう!

面白いキャプションボード

まず、気に入ってしまったのが、作品のキャプションボード
美術展などで作品のタイトルや制作したアーティスト、制作時期などを記載したものになります。
今回の展示では、キャプションボード内に作品のキャッチコピーが記載されていたのですが、そのキャッチコピーの言葉のチョイスが面白い!
実際の作品と併せて紹介いたします。

『仔虎図』大橋翠石

大橋翠石『仔虎図』。虎というよりも猫のようで可愛いです。

まずは、明治・大正・昭和にかけて活躍した日本画家、大橋翠石の『仔虎図』
二頭の子どもの虎が愛らしく描かれた作品です。
この作品のキャッチコピーですが…

『仔虎図』のキャプションボード

「しょうらいはもうじゅう」

場内で笑いを堪えるのに必死でした。
この、平仮名で書かれているのが、描かれている二頭が喋っているような感じを思わせますし、まだまだ「もうじゅう」らしさが全くないことも伝わってきますよね。

『馬図』画 伊藤若冲・賛 無染浄善

『馬図』画 伊藤若冲・賛 無染浄善

江戸中期に活躍し、現在も高い人気を誇る伊藤若冲が描いた『馬図』
馬の顔や前脚を横から見た様子を墨で描かれており、脚は力強く、たてがみは柔らかそうな様子があり、馬の愛らしさが感じられますね。
さて、この作品のキャッチコピーは…

『馬図』のキャプションボード

「馬ニンマリ」

良いですねぇ。もう、この馬がニンマリしているようにしか見えなくなってしまいますもん。馬というと、個人的にはどちらかという凛々しい印象がある動物ですが、なんだか笑っているように見えてしまいますね。

このように、各作品に付けられたキャッチコピーが、くだけた印象のものも多く、作品名や画家の名前は思い出せなくても、作品とキャッチコピーのインパクトでどの作品かを覚えてしまう感じがありました。

トラ人気投票

「トラ人気投票」

そして、「トラ人気投票」というものも開催されていました。
アイドルの総選挙やキャラクター大賞のような感覚で、「推し」のトラを選んで会場内ボードで投票を行うというもの。トラの絵画が多い企画展ならではですよね。
さらに、以下のWEBページからも投票可能とのこと!

結果は福田美術館のHP・SNSで発表されるとのことですので、是非チェックしてみてください。
ちなみに会期前半の結果は、以下からご覧いただけます。

グッズ・カフェも素敵

展示の鑑賞が終わった後は、館内のショップやカフェにも足を運びたくなりますよね。
ミュージアムショップでは、今回の企画展に併せた図録やグッズだけでなく、可愛らしいオリジナルグッズも展開されていました。
特に、イラストレーターのてらおか なつみさんが手掛けるグッズが、本当に可愛いんです…!
速水御舟の『猫(春眠)』をてらおかさん風にアレンジし、猫の代わりに白くてふわふわな犬が描かれた『てらおかなつみの春眠』というポストカードは、一目惚れして購入しました。職場のデスクに飾って、今この記事を書いている最中も、時折見ながら癒されております。

『てらおかなつみの春眠』
ポストカードなので、誰かに送るもよし、自分のお部屋・デスクに飾るもよし

また、カフェは「パンとエスプレッソ」が手掛けており、ここでしか食べられないオリジナルメニューがあるほか、ガラス張りなので渡月橋と桂川を一望できるようになっております!!今回はタイミングが合わず入れなかったのですが、次回行く際は絶対に行こうと思います!

最後に

今回は、福田美術館と企画展「トラ時々ネコ 干支セトラ」について書きました!
嵐山の近くという歴史と自然の両方が合わさった場所で、その場の空気感に溶け込みながらもおしゃれな建物の福田美術館。観光地にあるためか、京都観光に訪れた方が、「美術は詳しくないけど、ちょっと面白そうだな」と思える気軽さや、実際の展示も「なんか美術って面白いんだな!」と思える工夫が随所に施されていて、とても素敵な美術館でした。
「トラ時々ネコ 干支セトラ」は4月10日までと開催終了まで1ヶ月を切っておりますが、近々、嵐山に訪れる予定がある方は是非、足を運んでみてください!


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