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チラシで楽しむ春夏秋冬 | 「おちらしさん」のチラシまとめ①【おちらしさんアワード2022】

おちらしさんスタッフの臼田です。おちらしさんラジオのパーソナリティのななみんでもあります。ラジオでは、デザインから情報まで、チラシの魅力を徹底探究しています。

先日おちらしさんよりお知らせしました、公演・美術展チラシのNo.1を決める「おちらしさんアワード2022」、投票は12月15日(木)から始まります!皆さんの「推しチラシ」をお聞きできるのが楽しみです。

今回は、おちらしさんアワードの投票に先駆けて……2022年の舞台公演のチラシを振り返ってみます。舞台版のおちらしさんは毎月お届けしているので、1年で12回お送りしたことになります。(※2023年より、舞台版・美術版共に隔月の発送となります。)

私の「推しチラシ」はなんだろう……?
これまでのチラシを思い起こすべく、今年おちらしさんでお届けしたチラシを一面に広げてみました!

(※写真は10月号までのチラシです!)

なんと色鮮やか!!!
色もジャンルも様々なチラシの数々は、豪華な美術展を鑑賞しているようで、何時間でも見惚れてしまいます。観劇した公演のチラシは、そのときの想い出が一瞬にして思い返されて、さらに幸せな気持ちになりますね。

広げているうちに、私が特に気になったこと。
それは……

「チラシの四季」です。
四季の移ろいがはっきりしている日本では、チラシにも季節を感じやすいのでは……と思いました。季節を感じさせる場合、それをタイトルで表すのか、色で表すのかも、つくり手の想いによって様々に分かれてくるところだと思います。その点が興味深く、言葉や色などの複数の視点から、2022年におちらしさんでお届けしたチラシ・劇場で配布されたチラシより、四季を感じるチラシをまとめてみました。

「おちらしさんのチラシまとめ」春夏秋冬編

【春】ーーなんといっても「花びら」の季節!

ミュージカル「FLOWER DRUM SONG」

タイトル「FLOWER」の言葉の通り、ひらひらと舞う花びらの様子がとても鮮やかです。桜かな……と思っていましたが、よく見ると、ひとつひとつ異なる花びらのようにも見えます。
表面の出演者の顔写真は、ピンクと青で構成されていて、全体的な色のトーンも整っています。まるでチラシ自体が花びらのよう

オペラシアターこんにゃく座 創立50周年記念公演   オペラ『あん』

ドリアン助川さんによる小説『あん』が、寺嶋陸也さんの作曲・上村聡史さんの演出によってオペラとして上演されました。樹木希林さんが主演された映画でお話をご存知の方も多いのではないでしょうか。桜の季節に、どら焼き屋の「どら春」を舞台にして物語が進みます。
桜の「樹」をシルバーでデザインされている点が美しく魅力的。柔らかいイラストは、本当の桜に手を触れているかのよう!

【夏】ーー夏は暑い!そして熱い!

KAAT神奈川芸術劇場 Line up 2022-2023

こちらは公演ラインアップのチラシ。おちらしさん4月号でお届けしました。ラインアップ発表会が開催されたのは2月。どこに夏の要素が……??と、不思議に思われるかもしれません。しかし、よく見ると……!

爽やかな空にもくもくと浮かんでいる真っ白な雲!
横にまっすぐ文字が並ぶデザイン!


この明るさから、劇場の皆さんの熱い想いがたっぷりと届きます。夏の暑さで意気揚々となる雰囲気にも似ているなぁ……と、思ったのです。

新バージョンとして、9月からのメインシーズンの詳細が記載されたチラシも配布されています。こちらは、SNSとの連動企画によってチラシがオンラインでも繋がっています。おもしろそうです!


加藤健一事務所 vol.113『夏の盛りの蟬のように』

葛飾北斎、蹄斎北馬、渡辺崋山ら、絵師たちがお話の中心人物で、彼らのことを蟬に例えているようです。KAAT神奈川芸術劇場のラインアップチラシと同じく、青い空に白い雲が描かれています。

夏の朝も晩もずっと鳴き続けている蟬は、一生懸命生きているのだなぁと毎年元気を貰います。蟬に例えるということは、物語の絵師さんたちもきっと、全力で生きていたのでしょうね。」という文字から暑さと熱さの両方を感じる、夏らしいチラシです!

【秋】ーー枯葉の描き方は赤?黒?黄色?

★東京芸術祭2022 野外劇『嵐が丘』

池袋西口公園野外劇場のGLOBAL RING THEATREで、10月に上演されました。東京芸術祭のプログラムのひとつです。エミリー・ブロンテ原作のこの作品を、カンパニーデラシネラ主宰の小野寺修二さんが演出されました。

濃い緑の地に風のなびきを感じます。黒い流れは髪の毛を表しているようですね……。周りに舞っている黒や赤のイラストは、枯れた木の枝や葉っぱのように見えます。秋の寂しく枯れた雰囲気によって、チラシから既に『嵐が丘』の世界へ引きこまれていくようです。


KAAT×城山羊の会『温暖化の秋 -hot autumn-』

※こちらは「おちらしさん」ではお届けしていないチラシですが、劇場で見かけられた方も多いのでは……!?

タイトルのまま、お話も「秋」!!温暖化は環境問題ではなく心の状態のことを表しているそう。「秋」に揺れ動く人の心……どのように描くのでしょうか……。裏面は、黄色やオレンジ色の落ち葉がチラシの外まで溢れるような可愛らしいデザインです。

作・演出を務める山内ケンジさんのご紹介にも遊び心がたっぷり!

こちらは11月13日から上演されるので、ぜひ足を運んでみてください。

【冬】ーーあたたかい冬か、さむい冬か。

『冬のライオン』

クリスマスが舞台のお話。かつてイングランド国王であったヘンリー2世が登場します。タイトルもお話も、まさに「冬」ですね!イラストも美しい雪景色。キャストの方の表情は暗く、雪景色は魅力的なものの、どこか寂しさを感じ、より冬の寒さが際立ちます。

KERA・MAP #010「しびれ雲」
(※初日が延期となっています。詳細は公式サイトをご確認ください)

おちらしさん8月号でお届けしたチラシ。淡いクリーム色や紫色のデザインから、お盆に実家に帰省して家族と昔のお喋りをするときの懐かしさと似たような感情を抱きます。……と考えると、夏を感じるチラシにもみえるのですが、上演は11月。「しびれ」という文字の響きと淡い色合いの交わりは、冬の寒さを和らげる優しさにもみえるのです。実際の上演はどのようなお話なのでしょう……。気になります。

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春、夏、秋、冬と、2枚ずつチラシをご紹介しました。四季の捉え方によっても、選ぶチラシは変わりそうですね。皆さんの四季を感じるチラシも聞いてみたいです。

おちらしさんのパッケージは、花束のような贈り物として「おちらしさん」をお楽しみいただけるよう、チラシ一枚一枚を花に見立て、今年の9月にリニューアルいたしました。

最後に、春夏秋冬で集めたチラシを、花束のように飾ります!

1年のチラシを振り返りながら、おちらしさんアワード2022を一緒に楽しみましょう!

【おちらしさんアワード2022 詳細】

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