木×仏像展

大阪市立美術館で開催されている、木×仏像展を見に行って来ました。
飛鳥・奈良〜江戸まで幅広い時代の仏像が見れるというので楽しみにしてました。
唐招提寺・薬師寺の代表的な仏像から(これだけでももうお腹いっぱい)
円空のミニマルな仏像、どでかい四天王像大集合までいろいろ見れて満足!

もうね、まずチラシのこのインパクトよ…。

京都の西往寺に所蔵されている宝誌和尚像。
顔が縦に裂け、中から十一面観音が現れたという故事に基づいて作られたそう。
発想がもうぶっ飛んでる…!
(いや本当だったのかもしれないけど。)

今から1300年も前に、こんな仏像を作ってしまっているという事実。
なんというか、和尚像自体よりも、その事実に興奮する。
(和尚さんごめんなさい…)


何で歴史が好きなのかといえば、人間の営みの跡を辿ることが好きだからで、仏像とか神社仏閣は時代を超えてそういう軌跡を垣間見れるからすごく面白い。
十一面観音も、何で頭の上にちっちゃい観音さまの顔いっぱいのっけようと思ったんやろうとか、こういうこと妄想し出すと止まらないです。

宝誌和尚像も、この割れてる感じがモーゼの葦の海の神話みたいやな…と。
目の前の窮地を突破して救済に現れる感じが。
(個人のかなり勝手な妄想です)

でも実際美術館で見たとき、通路を介して入った展示室の入口の真ん前に立っておられて、荘厳な立ち姿に吸い込まれそうになりました。
しばらく立ち止まって眺めてしまった。

他にも唐招提寺の薬師如来立像とか、新薬師寺の阿弥陀如来さんとか、有名なものが集結していて、そのパワーというか存在感には圧倒されてしまった。

この仏像たちが作られてから今まで、本当にたくさんの人々が手を合わせてきたんだろうなあ。
その時代時代で、人々は何を想いながら仏像の前に立っていたんだろう。
そしてこの悠久の年月の中で、仏様たちはどれだけの想いを受け取ってきたのだろう…。
そんなこと考えるだけで、もう、圧倒。
おつかれさま、本当にありがとうって、私もまた手を合わせたくなる。

仏様はほぼ360度周って拝めたので、横顔、後姿もばっちり見れました。
平安以前のは1本の木で作ってたりするので、厚みがすごく薄かったり、背中が丸くなってる坐像の後姿がかわいかったり。
11面観音や四天王さんたちに勝手にアテレコして遊んだり。ひとり美術館の醍醐味です。

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