新米マーケターの「UXDってナンだ!?」#6
こんにちは!
玄関のドアスコープが壊されたことに気づかず、数か月間過ごしたことがある大野です。
通販でアクセサリーを購入したときのことです。
いそいそと開封すると、パンフレットには製作者の紹介と合わせて五円玉とメッセージカードが同封されていました。
カードを開いてみると「ご縁をありがとう」のメッセージとともに「大野さん、お誕生日おめでとうございます!」と書かれており、びっくり!
購入時の目的欄で「自分の誕生日用」という選択肢を選んだのを忘れていたのですが、おかげでステキなハッピーサプライズに!
製作者の気持ちと心のこもった接客は、通販でもちゃんと消費者に届くんだなぁと胸がいっぱいになった大野でした。
ネットイヤーグループでは・・
UX人材育成の取り組み
創業から21年、ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXD)をもとにクライアントのビジネスを支援しています。従来、UXデザインは専門家(UXデザイナー)が担当していましたが、2020年からはとくにUX人材育成に力を入れています。
未経験者はもちろん、経験が浅い人がUXの基礎を学べる講座、UXデザインに携わってきた人は、教える立場へステップアップできる講座など、レベルに応じて学ぶ機会があります。
第6回は「課題解決(アイデア発想)」
前回のヒューリスティック評価までは、実際のモノを考えるというよりは、ユーザーの体験にどのような課題があるのか?どのような要求があるのか?を考えてきましたが、今回からは、実際のモノ(ウェブサイト)のアイデアを考えていきます。
今回のアジェンダは6つ
0.オリエンテーション
1.チェックイン
2.講義のおさらい
3.テーマについて
4.解決アイデアの発想
5.発表・講評
1. チェックイン
今回は講義の後半でアイデアを考えるため、頭をほぐす準備運動です。「20年後のiPhoneにある機能は?」と題し、あると思われる機能、あってほしい機能を書き出します。
講師から「今から20年前はYouTubeもなかったし、iPhoneもなかった。そう思うと、20年後はすごいことになってそうですね。ぶっとんだ発想でOK!」と言われましたが、これがなかなかむずかしい。。
・思考で動く
・伸縮可能
・端末がなくて、目の前に映し出される
・パスポートが入ってて、役所の申請がすべてできる
・宙に浮いて自分についてきてくれる、置き忘れても大丈夫
・地図機能は、人がスマホを見るのではなく、体が勝手にその方向を向くようになる
みんなの発想を聞いているだけでワクワクしてきます!
講師は、「ぶっとんだアイデアを最初に出すことで、そのあとのアイデア出しのハードルが下がり、頭が柔軟になって量が出せるようになる。量からいいアイデアが見つかるので、グループワークで最初にくだらないアイデアを出した人はえらい!」と仰ってました。みんなの前でくだらないアイデアを出すのは勇気がいりますが、恥ずかしがらずに言えるようになりたいと思います。
2.講義のおさらい
・アイデア発想のポイント
ユーザーのUX視点の要求、本質的な課題が、ユーザーにフィットするアイデアの材料になる。
・解決アイデアの発想法
多くの発想法が存在するが、連想・リフレーミング・フォーカスを意識して発想するとよい。
・アイデアの方向性と飛距離
フォーカスや連想などは、対象物や課題に関連したものから発想するので実現性が高いアイデアがでやすい。新規性の高いアイデアを求めるときは、強制発想を取り入れたりするとよい。
例えば、アイデア出しの途中で、強制発想を用い、全く関係ないゾンビとの掛け合わせで発想してみる。ゾンビと直接掛け合わせたアイデアは難しいが、ゾンビを少し広げて捉えてみて、死なない、復活する、臭い(?)などと掛け合わせると、飛距離がある新規性が高いアイデアがでたりする。
・アイデアの発想は質より量
ひとりよりチームで取り組み、量を出す。先ほども書きましたが、くだらないアイデアは最初に。一人で行うときはフレームワークを使うと良い。
・アイデア発想のテンプレート
何かと何かを掛け合わせて発想する。
例えば、ユーザー視点のUX要求とビジネスの要求(客単価UP、リピート増など)を掛け合わせて発想すると、現実性のあるアイデアが出やすい。新規性の高いアイデアを出すときは途中で強制発想を用いると良い。
・アイデアの概要を具体化
アイデアを具体化する方法はプロジェクトによって変わるが、例えば、5W1Hを考えることで具体化することができる。
・アイデアと設計の間
アイデアをサービスやプロダクト等に落とし込むには、アイデア自身の目的はなにか?ペルソナに提供する価値はなにか?等、バリューシナリオ、アクティビティシナリオ、インタラクションシナリオにブレークダウンして考える。
3.テーマについて
第5回でも書いたとおり、このチームのユーザータイプは、「週末のレジャーとして年に1回くらいS水族館に行くユーザー」で、リピーターを増やすことがテーマです。テーマを念頭においてワーク開始!
4.解決アイデアの発想
まずは前回のヒューリスティック評価で書きだした課題のなかからリピート増に寄与しそうなものを4つ抽出し、どの評価シナリオの課題なのか紐づけます。
抽出した課題が、事象が書かれていないか、表層的でないかを見直します。例えば、「アクセス情報が整理されていないため、知りたい情報がすぐに見つけられない」は、事象なので、これによってユーザーがどう困るのか?、S水族館にどのような不利益が生じるのか?という視点で書き換えます。
この場合、アクセス情報が分かりにくく、行くことに不安を覚え、行く気がなくなることが本質的な課題になります。
目の前の情報を整理するだけではなく、行く気がなくなるのを防ぐためにどうするのが良いのか?どういう状態になってほしいのか?を考えると、他の部分での打ち手も考えられる可能性があります。
次に、書き直した課題についてアイデアを出していきます。制限時間は15分。アイデアだしに四苦八苦していたので、あまり耳に入ってきませんでしたが、動画を見返した際に、講師がポツリポツリと話していました。
「アイデアの発想力を伸ばすにはどうすればいいか?とよく聞かれるが、ユーザーやビジネスにどのような影響があるのか?という本質の部分を捉えることで、アイデアの質や量が変わる。
確からしい、質の高いアイデアを考えようとすると、固執してしまうので、1分に1つのペースで、アイデアをどんどん出していく。
技術的に難しい、運用が現実的じゃないなどの制約を取っ払って、課題にとことん向き合うと飛距離が伸びたアイデアがでやすくなる。」
動画で見返すと学びも深まります。
次に、改善のポイントを箇条書きで明文化します。1つ1つのアイデアに対して、どういうことを意図して、何をやるのか、「(起こしたい変化)~のために、~する。」という文章に当てはめます。
これを行うことで、課題に対してちゃんと成果がでそうなのか、もっとちゃんと考えないといけないのかの判断ができて、クライアントと話すときも何のためにするのかをブレずに議論ができるとのこと。
5.発表・講評
最後に、抽出した課題とアイデアを発表して、講師からレビューしていただき終了。
今回の講義での気づきはこちら。
・表層的な課題に対してはアイデアの幅が広がらない。本質的な課題を見出すとアイデアの幅も広がる。
・恥ずかしいや現実的ではないという考えは捨てて、思いついたアイデアを書き出してみる。くだらないアイデアは、そのあとのアイデア出しのハードルを下げてくれる重要な役割!
・関連発想と強制発想を合わせてアイデアを出すとよい。
他の参加メンバーも言ってましたが、子供のような突拍子もない発想ができなくて、柔軟性が失われていると痛感しました。これは年齢のせいなのでしょうか。。
次回は課題解決(ワイヤーフレーム)です。
一日一学。それではまた!