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茨城県北の協力隊たちの活動現場① ソーシャルビジネスに取り組む「KENPOKU PROJECT E」たち

今日から県北地域で活動する隊員たちの詳しい様子を、テーマごとにリポートしていきます!
 
茨城県は、「KENPOKU PROJECT E(起業型地域おこし協力隊)」が、地域資源の活用や地域課題の解決、持続可能なビジネスを創り上げることで、魅力的な人が集まる地域を目指しています。
なかでも今年度に着任したばかりで、日立市を拠点に活動している3人の隊員は、地域課題を解決するソーシャルビジネスに取り組んでいます。

茨城県のサイトより


農作業中の赤羽悠斗さん

新しい特産品「ひたちアボカド」をつくろう!

その一人、赤羽悠斗さんのビジネスプランは、日立市に新たな特産品「ひたちアボカド」を生み出し、それにつながる豊かなまちづくりを目指す、というものです。
「僕はアボカドが大好きなんです」と語る赤羽さん。南国のアボカドを、自分が移住する日立の特産品にするという斬新なアイディアのなかには、県北地域の耕作放棄地を活用し、さらに自分だけでなく、県北に新たな農家を増やしながら、いずれアボカド産地にすることを目指していくという大きなビジョンを掲げています。
現在はクラウドファンディングで資金を獲得し、今年中のハウス完成と本格的な栽培開始を目指し、耕作放棄地のビニールハウスを改修中です。さらにクラウドファウンディングでは一緒にハウスの整地を行うリターンを用意したり、また市内の中学校でSDGsの授業を行うなど、地域の人たちがこの事業について、楽しみながら関ってもらえるように活動を進めています。

日々の活動はinstagramでも発信中


学生時代かかわった映画祭での一コマ。インタビューを行う永松裕士さん

ローカルメディアをたちあげる!

永松裕士さんは映像を用いた行政広報や企業ブランディングの企画・制作を軸に、茨城県北地域を「もっと、おもしろく」したいと考えています。
「学生時代に住んでいた南アフリカはラグビーが盛ん。スポーツを通じて、企業や行政、地元民らが連携して、社会を変えていく素晴らしさを知った」という永松さん。現在は社団法人化したばかりのラグビーチーム「日立SunNexus茨城」と協働。地域に愛され、応援されるチームにするべく広報コンテンツを提供中。その他、自治体のプロモーションや、県北企業のブランディングをプロデュース・企画・制作に取り組んでいます。「エンタメ×ビジネス」を意識した広報事業を展開していくことで、茨城県北をアメリカのシリコンバレーの様に、活気溢れる地域にしたいと考えています。
永松さんが目指すもう一つの社会連携は、地域の学生たちとの協働。東京やニューヨークで過ごした学生時代、映画祭や映像制作に関わりながら、学生が企業と連携してビジネスに取り組むことのおもしろさを体験してきたそう。現在は茨城大学と連携してゲスト授業を行いながら、学生たちとのネットワーキングを構築中です。

事業内容を公式サイトで発信中


県北地域の協力隊の拠点、メゾン・ケンポクで「プチマルシェ」を開催する小佐野志保さん

地域課題は自分ごと

小佐野志保さんは長年働いてきた東京の企業を早期退職し、両親の住む地元の日立市にUターンしてきました。小佐野さんが掲げるのは、「動く道の駅」をコンセプトとした移動販売を通じたまちづくり。
小佐野さんが生まれ育った日立の西側は坂が多く、車がないと不便なエリアであり、免許返納などで移動や買い物が困難となっても、暮らしやすいまちづくりが課題となっています。小佐野さんは地域の課題を自分ごととして、シニア層と現役世代を結ぶ、豊かな暮らしのサービスの仕組みづくりを模索中。さらに小佐野さんは日立周辺で頑張っている農家の取り組みにも着目。「地域の農家さんが頑張っていることを、みんなに知ってもらいたいし、せっかくだから新鮮なおいしいものを食べてもらいたいですよね」と小佐野さん。現在は県北地域各所で、中里地区、十王地区、高萩市などの農家がつくった作物や花をテスト販売しているところです。

日々の活動はアメブロで発信中。


茨城県北生涯学習センター主催の「地域エキスパート養成講座」で講師を務めた協力隊員たち

協力隊はワンチーム

3人に共通するのは積極的に地域の住民や関係者と、そして隊員同士で関わり合い、地域課題を確認しながら、試行錯誤を繰り返しているところ。つい数ヶ月前に日立市にやってきたばかりの3人ですが、すでに彼らの活動に対して興味を持ち、サポートの手を差し伸べてくれる人たちや関連団体も少なくありません。最近では「県北生涯学習センター」や「日立女性フォーラム」との協働も始まっています。
 
「日立の協力隊はワンチームですから!」と笑顔で語る赤羽さん、小佐野さん、永松さん。
これからの3人の活動にご注目ください。
そしてこれを読んで、3人の活動を一緒に手伝ってみたいな……と思った地域のみなさんや学生のみなさん、お気軽に「ネットワークKENPOKU」(茨城県北地域おこし協力隊マネジメント)までお問合せください。
 

(執筆:松本美枝子)