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人生リブート指南(16)静岡県の「熱海市」なのに最寄り駅は神奈川県の「湯河原町」という地区がある話
わりに有名な話ですが、JR山手線の「目黒駅」は品川区にあり、「品川駅」は港区にあります。
巨大バスターミナル「バスタ新宿」や「新宿高島屋」も、JR新宿駅と直結しているくせに所在地は渋谷区です。
このような不条理的立地が、実は静岡県と神奈川県の境目にも存在します。
人生リブートのための現地リサーチとして最初に湯河原へ行った時、いつものように私は駅からぶらぶら歩きだしました。
全く知らない土地だから、新たな発見を楽しむべく、あえて地図も見ることナシのノープランで、ざっくりと方角だけ決めて。
私が進んだのは奥湯河原の温泉街方向でした。
「へ~、こんな風になってんだ。こんな施設があるんだ」と新鮮に驚きながら歩きながら、ふと道端の住所表記を見ると「静岡県熱海市」。
そう、私はいつの間にやら「神奈川/静岡の県境」を越えてしまっていたのでした。
地図で見てみると分かるのですが、熱海市というのは市の東西が山で隔てられているんです。
市の殆どは山の西側にあるんですが、「泉」という地区だけはなぜか山を隔てた神奈川側にあって、その最寄り駅は「湯河原」。
イメージとしては「飛び地」ですね。
だから泉地区在住の熱海市民が新幹線駅などのある中心エリア(皆さんがテレビで見ているアノ熱海の町)に行こうとしたら「車で山を越える」か「湯河原駅まで出て電車に乗る」ことになります。
熱海市内なのに「自宅から熱海駅」のほうが遠くて「湯河原駅が徒歩圏内」だなんて、かなり倒錯的ですね。
ちなみに山越えは歩きでも可能で、私もやってみたことがありますが、海沿い道路の傾斜はたいしたことはありません。
ただし相当な遠回りになるので、湯河原⇔熱海のウォーキングは健脚自慢の私でも70分はかかりましたね。
まぁ、相模湾を見下ろす山道の景色はとても良いのでそれを楽しみながら行けば楽しく歩けるます。
でも、歩き慣れていない方は辛くなったら無理せず路線バスに乗ってください(湯河原駅⇔熱海駅で運行してます)。
ちなみに泉地区には、この辺りを走り抜けるバイカーに大人気の町中華があります。
店の前を通ると、数台のバイクが停められているのをよく見かけました。
そこの名物メニューが「カツ丼」です。
私も食べてみたんですが、初めて見るタイプのものでした。
普通のカツ丼のトンカツは「大きなロースカツを包丁で切ってタレで煮る」わけですが、こちらのものはあらかじめ小さく切られている肉を揚げた「ミニカツ」数個を煮るんです。
こういうレシピのカツ丼は他店では見たことないですね~。
食べ終わって一息ついて店の中を見回したら、壁に掲げられたご主人の調理師免許証が目につきました。
そこに書かれている交付者は神奈川県知事ではなく「静岡県知事」で、「湯河原の文化圏内だけど、ここはやっぱり静岡県なんだなぁ~」と妙な感心をしてしまいましたとサ。
ちなみに湯河原町と熱海市、つまり神奈川県と静岡県の境界線は「千歳川」という河川で、それを知らずにここにかかる橋を渡っていたので、私はいつの間にか越県しちゃってたわけですね。
山で区切れば飛び地も生まれず分かりやすいのに、為政者のやる事には「?」が多いなぁ。
画題「湯河原駅で降りてから『さぁこれから熱海市までカツ丼食いに行こか』と言うと怪訝な顔をされますよ」
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