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むしろ「新鮮」ノスタルジックをディグりたい若者たち #ヘップサンダル

奈良で1952年創業の川東履物商店、四代目のむねです。

今、一番注目している履物は問答無用でヘップサンダルです!

さて。

アルゴリズムに抗って、自らノスタルジックをディグる若者が増えた感じがしていますという話をしたいと思います。

■日本のノスタルジックを求める若者

ここ数年、日本の昔からあった文化が、再び注目される様な場面によく出くわします。

日本の古くからある文化への関心の高まり(ブームみたいなもの)は、以前からしばしばあったと思います。

ですが、ここ3〜4年くらいで関心が寄せられていることは「ハレとケ」で言うところの「ケ(=褻 / 日常)」に寄っているのかなと感じます。

「ハレ(=晴れ / 非日常)」っていうのは、お祭りとか一張羅の着物とか、そういうのです。

上記ツイートにも記載がありますが、純喫茶や銭湯、横丁の世界観をわざわざ求めにいく感じは、自分自身にもあります。

たとえば今ちょうど、本格的な寒さに備えて暖房器具をネットで探しているのですが。。。

上記この2種類だったら、なんとなく写真下の商品にぼくの気持ちは傾きます。

機能性とか、そういうのを詳しく調べる前の段階です。

■レコメンドにちょっと疲れた

話は少し変わるのですが。。

ここ最近、アルゴリズムに支配されてる感じがめちゃめちゃあります。

このnoteを書くために、amazonと価格.comで深めに暖房器具を再度調べたわけですが、明日から眺めるぼくの(スマホの)視界には、”最新の暖房器具”や”ぼくの部屋の畳数をおおよそ推測したオススメ家電”が並ぶことになります。

レコメンドエンジンですね。

ユーザーそれぞれにアルゴリズムが組まれています。

毎日スマホをさわっていると、プログラミングに詳しくなくても、それにぼくたちは薄々気づき始めている。

そして敏感な人たちは、それにへきへきとしている節がある。

自分が能動的に発見・開拓したと思ったコンテンツが、結局受動的なものだったりすることがあります。

(自ら見出したと感じていた個性と、マーケティングで作られたものの一致を悟った塩谷舞さん)

指(スマホ)を使って開拓したコンテンツは特に顕著で、結局の所、アルゴリズムが自分の気持ちいいところへ誘ってくれたに過ぎない場合があります。

その”指を使って開拓した”というアクションを、ある意味一旦忘れることができるのが”足を使って開拓した”と思わせてくれる体験ではないでしょうか。

つまり、前途した純喫茶に入ることや、赤ちょうちんの並ぶ横丁へわざわざ足を運ぶことも、「過去の日本の日常」という世界観も相まってか、レコメンドによって導かれてたことから一旦距離を置くことができる。

■市場とコア

多くの企業が市場を分析(マーケティング)して、新しい商品やコンテンツを日々、世の中に投下していきます。

平たくお客さんの満足度を獲りたければ”市場”に寄ったものづくりをすれば良いわけです。

けれども、それだけだとあまりにも味気ないものに成りかねない。
それって、その企業やブランドが伝えたい”コア”みたいな部分が欠落しています。

なので、ものづくりをする人は、”市場とコア”の間を行ったり来たりしながら足掻きます。実際にぼくはそうです。

ふたつの重なり合うピンの打ちどころを、限られた予算や時間の中で見つけているのです。

締切のないアート作品でも無い限りそうです。

■古いは「新鮮」

ぼくは平成元年生まれで、昭和の時代を過ごしたことがありません。

知っているのは情報としての昭和だけで、昭和時代の空気を1秒も吸った事がない。

なので日本の古き良き時代のコンテンツは、肌感覚で「ああ、なんだか懐かしいな」と感じられると同時に、かなり「新鮮」だったりします。

それってつまり、大資本がマーケティングによって生みだす新商品たちと同じで、「日本の古き良き時代」はぼくにとっては新しいコンテンツです

繰り返しになりますが、大資本がマーケティングによって生み出す商品は、いろいろ最適化され過ぎていて(?)わくわくしない。

新しいものに出会うはずの買い物に、ときめきがないと言うか、アドベンチャー感が無いと言いますか。。

ただし。

その一方で、全くわからない物にお金を払うことは、あまりに怖いしリスクが高く、人は確認作業でしか動かないという側面があります。

ですが、若い世代は日本の古い時代のことを歴史や田舎で、なんとなくイメージは掴んでいます。

それが上手く交差する点が、「日本の古き良き時代」のモノやコンテンツなのかもしれません。

これが、アルゴリズムに抗って、自らノスタルジックをディグる若者が増えた感じがしている理由です。

この仮設を履物の例でないかと、探してみました。

3つ例を上げてみたのでご紹介します。

■アサヒ 快歩主義

こちらはHenderScheme(エンダースキーマ)、2021年リリース予定の新作。

元ネタがアサヒシューズ社の快足主義M003とされている模様です。

見つけられた発信者さんの興奮ぶりが伝わってきます。

たしかに、デザインは似ています。

※とても古くからあるスニーカーだと思っていましたが、快歩主義は2000年発売でした。

■DUNLOP スニーカー

続いて、BALENCIAGAとダンロップのスニーカーを、対比させたツイートを見つけました。

投稿が2018年と少し前ですが、当時は「ダッドスニーカー」がトレンドに上がっていました。

■ニシベケミカル ダンヒル

さいごに、ニシベケミカル社のダンヒル、通称ベンサン。

こうしたベンサンやギョサン、フィッティングと呼ばれる一体成型のサンダルを買い求める人が増えています。

過去には公共施設や病院の御手洗い、銭湯で多く見られた昔懐かしの雰囲気が非常に感じられるサンダルです。

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■ブームか文化か

以上、ただただ最近思ったことを書きなぐった感じになりました。

ぼくの事業は、日本の古き良き時代の文化、それも日常の生活道具を、現代の人たちにも面白がってもらえないかという発信・提案です。

ただ、「日本の古い生活文化を残して、それがどうなるんだ」と問われても良い応えが出来ないときがあります。

けれども、それを求めている現役世代(主に高齢者)も居るし、新鮮だと感じて発掘してくれる世代(主に若者)もいます。

残す活動はとても尊いです。

けれどもどういった形であれ、価値を感じてもらってお金を落としてもらわないと続かないです。

なので試行錯誤しています。

既成概念に囚われず、高級にしたり、ポップにしたりする(ブランディング)と、同業の人たちにめちゃめちゃ怒られたりします。びっくりします。

それでも、まずは世の中に見つかって、お金を落としてもらわないと下火になっていく一方です。

明日もがんばります。


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奈良で1952年創業 川東履物商店 四代目 ヘップサンダル専業ブランド 「HEP」ディレクター / ヘップ / ヘップサンダル / サンダル ■生活拠点 奈良→Sydney→京都→岡山→東京→Kuala Lumpur→奈良(今ココ)

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