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仲田プロがオーラス大逆転優勝のラリアット【WRC-Rリーグ】

 麻雀プロの試合で今年、劇的なオーラスの逆転が相次いでいます。

 Mリーグ2023-24開幕戦のレギュラーシーズン第1戦で、渋谷ABEMAS・松本吉弘プロがオーラスに倍満ツモ。3着目からトップを獲得しました。

 麻雀最強戦2023のファイナル進出を決める大会では、赤坂ドリブンズ・鈴木たろうプロが四暗刻をツモったほか、TEAM雷電・本田朋広プロが跳満ツモ、日本プロ麻雀協会・浅井堂岐プロが満貫をあがり、いずれもオーラスの一撃で逆転優勝しています。

 今年のタイトル戦で特に印象に残っているのは第1期JPML WRC-Rリーグの決勝オーラス。日本プロ麻雀連盟・仲田加南プロがトップ目からの直撃で大逆転優勝を決めた跳満です。

 仲田プロらしい黙聴からの強烈なラリアットでした。

 決勝はいずれも日本プロ麻雀連盟の仲田加南プロ、香野蘭プロ、奈良圭純プロ、塚田悠介プロが対戦。

 WRC-Rリーグの決勝は4戦の総合ポイントで初代王者が決まります。

 オカはなく、順位点が1位30ポイント、2位10ポイント、3位-10ポイント、4位-30ポイントです。

 4回戦(最終戦)は香野プロ、仲田プロ、塚田プロ、奈良プロの並び順。

 南4局を迎え、持ち点は南家・香野38900、西家・仲田38100、東家・奈良24800、北家・塚田18200。

 ここまでの総合ポイントは奈良80.6、香野72.3、仲田33.6、塚田-186.7。

 総合ポイント1位の奈良プロはリードを守って親を終えれば優勝です。

 逆転優勝の条件は2位の香野プロが1600、3200のツモあがりか、仲田プロから12000点の直撃(倍満と三倍満は奈良プロが2位に浮上するので不可)のほか、塚田プロから12000点以上、奈良プロから4500点以上の直撃です。

 3位の仲田プロは三倍満ツモか、香野プロからダブル役満、塚田プロから役満、奈良プロから満貫以上の直撃です。

 4位の塚田プロは満たす条件がありません。

 仲田プロの逆転条件はハードルが高く、奈良プロか香野プロのどちらかが優勝すると思っていました。

 ところが、大逆転劇が繰り広げられました。

 仲田プロの配牌。場風の南がトイツで筒子のホンイツに向かいました。

 仲田プロは3巡目に白を重ねました。

 4巡目に急所の3筒を引き入れました。

 一方、親の奈良プロにも赤ドラ2枚のリードを広げるチャンス手が入っていました。6巡目に5索を重ね、イーシャンテンです。

 仲田プロは6巡目に絶好のカンチャンの5筒をツモ。こちらもイーシャンテンです。

 7巡目に白を暗刻にしました。筒子の伸びがすごく、3筒・6筒・9筒待ちで聴牌です。

 仲田プロはホンイツ・白の満貫確定の手です。奈良プロからの直撃狙いで黙聴に構えました。

 奈良プロは8巡目に7筒をチー。中の後付けの5索・中のシャンポン待ちで聴牌しました。

 この加点を狙った選択が裏目となりました。

 奈良プロは9巡目に9筒をつかみ放銃。仲田プロはホンイツ・一気通貫・白の12000点です。厳しい条件を乗り越え、栄冠に輝きました。

 最終結果は仲田65.8、香野52.3、奈良48.6、塚田-166.7。

 大逆転の直撃を決めた仲田プロ。喜びもひとしおだったと思います。

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