たろうプロ奇跡の大逆転 オーラスに四暗刻でファイナル進出【麻雀最強戦】
オーラスに奇跡の大逆転が繰り広げられました。
2023年6月18日(日)の「麻雀最強戦2023 骨肉の争い」の決勝です。
南4局にラス目の赤坂ドリブンズ・鈴木たろうプロが四暗刻をツモって優勝。12月に行われる「麻雀最強戦2023 ファイナル」に進出しました。
赤坂ドリブンズ・村上淳プロがトップ目で大きくリードして迎えたオーラス。2着目のEX風林火山・松ヶ瀬隆弥プロが国士無双、ラス目のたろうプロがツモり四暗刻をそれぞれ聴牌し、3着目のEX風林火山・勝又健志プロがツモり四暗刻のイーシャンテンになりました。
大逆転を目指す3人の手に汗握る役満対決を制したのはたろうプロです。土壇場で四暗刻をツモり、ラス目から一気にまくる「ゼウスの奇跡」を起こしました。
Mリーグのチームメイトによる骨肉の争いには、A卓で赤坂ドリブンズ、B卓ではEX風林火山のMリーガーが対決しました。
赤坂ドリブンズ・園田賢プロが「麻雀最強戦2023 Mリーグスペシャルマッチ」で優勝してファイナル進出を決めているので、代わりに日本プロ麻雀協会・大塚翼プロが出場しました。
A卓で村上淳プロ、鈴木たろうプロ、丸山奏子プロ、大塚翼プロ、B卓では勝又健志プロ、松ヶ瀬隆弥プロ、二階堂瑠美プロ、二階堂亜樹プロが対戦。村上プロ、たろうプロ、勝又プロ、松ヶ瀬プロが決勝に進出しました。
決勝はたろうプロ、松ヶ瀬プロ、勝又プロ、村上プロの並び順。
村上プロが巧みな打ち回しで優位に試合を進めました。南4局を迎え、持ち点は東家・村上45500、西家・松ヶ瀬26400、北家・勝又16400、南家・たろう11700です。
2着目に19100点、3着目に29100点、4着目に33800点の差をつけているラス親の村上プロがこの局をノーテンで終わらせるのは必至。
一局勝負となる中、大きくリードされている松ヶ瀬、勝又、たろうの3プロが大逆転の役満を狙う展開となりました。
松ヶ瀬プロは国士無双、勝又プロとたろうプロはツモり四暗刻を目指しました。
松ヶ瀬プロは7巡目に南をツモり、イーシャンテンになりました。
8巡目に南を重ね、1索を切りました。
一方、八萬を暗槓していたたろうプロは10巡目に3筒を暗刻にしました。ツモり四暗刻のイーシャンテンです。
カンチャンの7筒待ちで聴牌していますが、もちろんこの手のままでは逆転できないのであがれません。
勝又プロも10巡目に一萬を暗刻にして、ツモり四暗刻のイーシャンテンになりました。
逆転優勝を目指す3人がそろって役満のイーシャンテンに構えました。これまでたくさんの公式戦を観戦してきましたが、初めて見る光景です。
優勝を目前にした親の村上プロは慎重に切る牌を選び、オリに回って流局を目指しています。
たろうプロが14巡目に4索を暗刻にして、6筒・8筒のシャンポン待ちでツモり四暗刻を聴牌しました。
松ヶ瀬プロも14巡目に九萬を引き入れ、西単騎待ちで国士無双を聴牌しました。
トップ目の村上プロにって、2人が大逆転の役満の手を聴牌する悪夢の展開です。
実況の日吉辰哉プロから「やばい、やばい」の絶叫が響きました。
たろうプロはなんと15巡目に6筒をツモりました。土壇場で四暗刻の一撃を決めました。8000、16000です。
日吉プロは「こんなのあるかよ」とさらに激しく絶叫しました。
最終結果はたろう43700、村上29500、松ヶ瀬18400、勝又8400です。
麻雀最強戦の歴史に残る大逆転です。「ゼウスの選択」の異名で知られるたろうプロは、「ゼウスの奇跡」を起こしました。
たろうプロはあがった直後、厳しい表情を崩さず、まさかの一撃をくらって優勝を逃した村上プロは唇をかみしめていました。