takeshi hadano| NESS LLC.

技能継承や技能五輪選手の育成を支援しています。専門は心理学と教育工学です。技能と記憶の…

takeshi hadano| NESS LLC.

技能継承や技能五輪選手の育成を支援しています。専門は心理学と教育工学です。技能と記憶の関係に注目して研究やコンサルをしています。心理学の基礎を名古屋大学で、臨床心理学を東京大学大学院で学びました。臨床心理士/公認心理師。HP→https://ness-kraft.jp/

マガジン

  • 認知負荷

    認知負荷のまとめ

  • ネスの図書室

    これまで読んだ本の中から、技能五輪、技能訓練、技能継承、人材育成に関係ありそうな本をまとめています。

  • 技能五輪の心理学

    腕を競う技能五輪は、実は頭を競っている。心理学で読み解く技能五輪選手の心理と、指導者に求められる知識、指導のヒントがここに!

記事一覧

パイソンで作ったランチャーアプリ

以下の書籍を参考にして作ったファイル・ランチャー。作業の開始時に毎回2つのファイルを開く。小さいけど面倒なその作業負荷を大幅に短縮できた。 RUNボタンを押すと、2…

起こった作業ミスの原因がわからない-ミス負荷

一言でいうと原因を突き止めるための認知負荷 何が負荷になるのか?作業ミスは何らかの原因があります。原因が何かを突き止めないと対処ができないので、過去の経験を思い…

時間的な余裕がないと感じている:時間の負荷

一言でいうと作業に使える時間が少ないと感じることで生まれる認知負荷です 何が負荷になるのか?例えば、普段3分で、5個のことをやる人がいるとして、それを1分でやらな…

全体的な難易度:競技課題(情報)の負荷:

一言でいうと競技課題の全体的な難易度です。2つの視点で捉えることができます。 1つは客観的な難易度です。多くの人にとって難しいと感じる難易度です。例えば、1時間で1…

工程の複雑さ:競技課題(情報)の負荷

一言でいうと競技課題の全体的な工程や、各工程内での工程などの複雑さです。2つに分かれます。 1つは客観的な工程の複雑さです。誰が見ても複雑だと感じる内容のことです…

要素の複雑さ:競技課題(情報)の負荷

一言でいうと競技課題がワーキングメモリに与える認知負荷の内、要素の複雑さの負荷です 競技課題の作業や、扱う道具・部材・機材などの複雑さです。2つに分かれます。 1…

工程の量:競技課題の負荷

一言でいうと競技課題がワーキングメモリに与える認知負荷の内、工程の量の負荷です。 競技課題の全体的な工程数や、各工程内での工程数などの量でで、2つに分かれます。1…

要素の量:競技課題(情報)の負荷

一言でいうと競技課題がワーキングメモリに与える認知負荷の内、要素の量の負荷です。 競技課題の作業量や、扱う道具・部材・機材などの量です。2つに分かれます。1つは客…

抜き出しメモ:Mind in Motion 身体動作と空間が思考をつくる

1. 身体動作や空間認識が思考力を作る根拠となる研究は? 発達的な視点 因果性:感覚と動作の連動性(押す、押される=動作と結果の因果性の理解) 予測性:つかむ動作の…

本:世界はシステムで動く-いま起きていることの本質をつかむ考え方

1.この本で知りたかったこと・システム思考ってなに? ・システムはどうやって動くの? 自分が学んできた心理学のアプローチの中に、システムズ・アプローチという考え…

転載:場数と見方

yahoo!ニュース個人に2014/9/21に投稿した記事です 今読み返して思うことを3つ ■「良い場数の踏み方」を増やすには、どんな視点に注目して、どんな言葉を使って伝えると…

事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学

1.この本で得たかった情報1 | 説得をさまたげる要因は何か? 2 |説得にはどんな心理的な要因が関わるか? 3 | 説得をうながす要因は何か? 4 | 説得に関して、新しい発…

転載:暗くて前向き:防衛的悲観主義

yahoo!ニュース個人(2013/10/1)の記事からの転載です。 今読み返して思うことを3つ ■どのようなものごとにもプラス面とマイナス面があるなら、「悲観」のような一見マ…

研修設計マニュアル-人材育成のためのインストラクショナルデザイン

1.この本で得たかった情報 1 | 自分の研修の構造を点検したい。そのための観点が欲しい 2 | インストラクショナルデザインを自分の方法論に取り入れたい 3 | 表紙オビの…

ボン・ジョビと円熟

YouTubeにボン・ジョビのこんなおすすめが表示されたところから、「円熟ってなんだろう?」ってことを考えることになりました。 このおじさんが歌ってるのはボン・ジョビ…

Stumbling on Happiness:幸せはいつもちょっと先にある 期待と妄想の心理学

この本の著者 ダニエル・ギルバート。ハーバード大学の心理学者(出版時)。ざっくり言うと「宝くじが当たったらバラ色の人生だ!と思っていたのに実際に当たった人はそう…

パイソンで作ったランチャーアプリ

以下の書籍を参考にして作ったファイル・ランチャー。作業の開始時に毎回2つのファイルを開く。小さいけど面倒なその作業負荷を大幅に短縮できた。

RUNボタンを押すと、2つのファイルを同時に開く。

ちゃんとした記事にまとめてから公開しようかと思っていたけどいつになるかわからないし、自分の備忘録という意味もあるので。時間があるときに少しずつ加筆予定。

用途データ分析とレポート作成を始めるときの初動負

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起こった作業ミスの原因がわからない-ミス負荷

起こった作業ミスの原因がわからない-ミス負荷

一言でいうと原因を突き止めるための認知負荷

何が負荷になるのか?作業ミスは何らかの原因があります。原因が何かを突き止めないと対処ができないので、過去の経験を思い出したり、原因について仮説をたてそれを確かめたりします。これらは認知負荷となります。原因がわかるか、対処をあきらめるまで続き、その時間が長くなるほど、認知負荷は増していきます。

初心者おおむねこうなります。作業ミスの経験がまだ少なく、ミ

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時間的な余裕がないと感じている:時間の負荷

時間的な余裕がないと感じている:時間の負荷

一言でいうと作業に使える時間が少ないと感じることで生まれる認知負荷です

何が負荷になるのか?例えば、普段3分で、5個のことをやる人がいるとして、それを1分でやらなければならなくなったとします。そうすると、普段よりたくさんの情報がワーキングメモリに詰め込まれます。一度に多くのことを処理することにり、ワーキングメモリは十分に働かなくなります。その結果、必要な作業をやり忘れたり、正しくできなくなったり

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全体的な難易度:競技課題(情報)の負荷:

全体的な難易度:競技課題(情報)の負荷:

一言でいうと競技課題の全体的な難易度です。2つの視点で捉えることができます。

1つは客観的な難易度です。多くの人にとって難しいと感じる難易度です。例えば、1時間で10個のものを作る場合と比べて、100個のものを作る場合の方が、難易度は高くなります。

もう1つは主観的な難易度です。人によって感じ方が変わるもののことです。例えば、「1時間に100個のものを作る」という課題があったとして、1時間で9

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工程の複雑さ:競技課題(情報)の負荷

工程の複雑さ:競技課題(情報)の負荷

一言でいうと競技課題の全体的な工程や、各工程内での工程などの複雑さです。2つに分かれます。

1つは客観的な工程の複雑さです。誰が見ても複雑だと感じる内容のことです。例えば、3つの工程があるとして、1つの工程で完成させたものが次の工程の作業に影響する場合と、3つ全部が独立していてお互いに影響しない場合とでは、前者の方が複雑さは高くなります。

もう1つは主観的な要素の複雑さです。人によって複雑さの

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要素の複雑さ:競技課題(情報)の負荷

要素の複雑さ:競技課題(情報)の負荷

一言でいうと競技課題がワーキングメモリに与える認知負荷の内、要素の複雑さの負荷です

競技課題の作業や、扱う道具・部材・機材などの複雑さです。2つに分かれます。
1つは客観的な要素の複雑さです。誰が見ても複雑だと感じる内容のことです。例えば、素材を加工する場合、四角く加工するよりも、五角形や六角形に加工する方が、要素の複雑さは高くなります。

もう1つは主観的な要素の複雑さです。人によって複雑さの

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工程の量:競技課題の負荷

工程の量:競技課題の負荷

一言でいうと競技課題がワーキングメモリに与える認知負荷の内、工程の量の負荷です。

競技課題の全体的な工程数や、各工程内での工程数などの量でで、2つに分かれます。1つは客観的な工程の量です。誰が見ても多い、少ないと感じる量のことです。例えば3工程で完成するものと比べて、5工程のものの方が多いことになります。

もう1つは主観的な工程の量です。人によって多い少ないの感じ方が変わるもののことです。例え

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要素の量:競技課題(情報)の負荷

要素の量:競技課題(情報)の負荷

一言でいうと競技課題がワーキングメモリに与える認知負荷の内、要素の量の負荷です。

競技課題の作業量や、扱う道具・部材・機材などの量です。2つに分かれます。1つは客観的な要素の量です。誰が見ても多い、少ないと感じる量のことです。例えば、10個のものを作らなければいけない場合と比べて、100個のものを作らなければいけない場合の方が、やることの量は多くなります。

もう1つは主観的な要素の量です。人に

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抜き出しメモ:Mind in Motion 身体動作と空間が思考をつくる

抜き出しメモ:Mind in Motion 身体動作と空間が思考をつくる

1. 身体動作や空間認識が思考力を作る根拠となる研究は?

発達的な視点
因果性:感覚と動作の連動性(押す、押される=動作と結果の因果性の理解)
予測性:つかむ動作の行方
・ 動作と感覚がフィードバックループを通して結びつく 乳児 11
→動作と感覚のフィードバックループ
・ つかむ、を練習した子は、手を伸ばしてものを掴む他人の動作を見たとき、練習しなかった子より確実に先を読んでいた(目が先をみた

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本:世界はシステムで動く-いま起きていることの本質をつかむ考え方

本:世界はシステムで動く-いま起きていることの本質をつかむ考え方


1.この本で知りたかったこと・システム思考ってなに?

・システムはどうやって動くの?

自分が学んできた心理学のアプローチの中に、システムズ・アプローチという考え方があり、そのベースはシステム思考。で、そもそもシステム思考ってなんなの?ということを知りたくて、読みました。

2.興味を惹かれた内容・共有地の悲劇。例えば誰でも使っていい牧草地。みんなが少しずつ家畜を連れてきて、牧草を食べさせる。

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転載:場数と見方

転載:場数と見方

yahoo!ニュース個人に2014/9/21に投稿した記事です

今読み返して思うことを3つ

■「良い場数の踏み方」を増やすには、どんな視点に注目して、どんな言葉を使って伝えるとよいのか?は、わかっていても結構難しい。工夫のしがいがあるとも言える。

■スポーツの解説は、基本的に「知っている」前提の話が多いので、わからないことが多い。その中で田口壮さんの解説は抜群にわかりやすかった。あとは新井昌

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事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学

事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学

1.この本で得たかった情報1 | 説得をさまたげる要因は何か?

2 |説得にはどんな心理的な要因が関わるか?

3 | 説得をうながす要因は何か?

4 | 説得に関して、新しい発見はないか?

2.興味をひかれた4つの内容■説得を妨げるのは・・・・
・「情報や論理を優先したアプローチは、意欲、恐怖、希望、意欲など、私たちの中核にあるものを蔑ろにしている」(p21)
・「自分の意見を否定するよう

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転載:暗くて前向き:防衛的悲観主義

転載:暗くて前向き:防衛的悲観主義

yahoo!ニュース個人(2013/10/1)の記事からの転載です。

今読み返して思うことを3つ
■どのようなものごとにもプラス面とマイナス面があるなら、「悲観」のような一見マイナスなものにもプラス面があるのでは?と思ってたどり着いた概念でした。

■ノレムの実験からは、安易に励ましたり、無理に前向きに考えさせることが逆効果になり得ることを学びました。もし不安なら、おもいっきり不安について考え、

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研修設計マニュアル-人材育成のためのインストラクショナルデザイン

研修設計マニュアル-人材育成のためのインストラクショナルデザイン

1.この本で得たかった情報
1 | 自分の研修の構造を点検したい。そのための観点が欲しい

2 | インストラクショナルデザインを自分の方法論に取り入れたい

3 | 表紙オビの「教えなくても学べる」は、直感に反する。教えない代わりに何をして、それはどんな効果があると言えるのかを知りたい。

2.興味をひかれた3つの内容
■デビッド・メリルが提唱する、インストラクショナルデザインの第一原理(ID第

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ボン・ジョビと円熟

YouTubeにボン・ジョビのこんなおすすめが表示されたところから、「円熟ってなんだろう?」ってことを考えることになりました。

このおじさんが歌ってるのはボン・ジョビの「livin' on a prayer」で、サビの盛り上がるところを本人じゃなくて聴衆が歌うライブバージョンと思います。すごい熱唱してるのにそこだけ歌わないのが面白いのだろうと思いますが、この曲は、高校のとき1年だけやってたバンド

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Stumbling on Happiness:幸せはいつもちょっと先にある 期待と妄想の心理学

Stumbling on Happiness:幸せはいつもちょっと先にある 期待と妄想の心理学

この本の著者
ダニエル・ギルバート。ハーバード大学の心理学者(出版時)。ざっくり言うと「宝くじが当たったらバラ色の人生だ!と思っていたのに実際に当たった人はそうなっていない。じゃあなんでバラ色だって思うのか?」のようなテーマを研究している。専門的にいうと「感情予測(Affective forecasting)」。未来の感情を予測する人間の心理に関する研究者。著者のTEDトークも面白い。本書は米で2

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