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Photo by
shinobuwada
そして父になった
結婚と出産を決めた瞬間を覚えている。
当時、私は東京で営業の仕事をしていた。遠距離恋愛をしていた恋人から2か月前にプロポーズされ、一応OKの返事はしたものの何となく踏ん切りがつかず、ダラダラと時間が過ぎていた。
そんなある日、生理が遅れていることに気づいた。気になったら確かめずにはいられなくなり、仕事中、出先にあった薬局で妊娠検査薬買った。そしてお客さんの会社が入っているオフィスビルのトイレで検査をした。結果は陽性だった。
顧客への訪問を終えると、すぐ恋人に電話をした。彼も仕事中だったが、すぐに電話に出た。妊娠したことを告げると、彼は笑いながら言った。
「なんか、おもしろくなりそうやなぁ」。
電話を切って、会社に戻るため駅に向かった。歩きながら、この人と結婚してお腹の子を産もうと決めた。
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